倉敷市伝統的建造物群保存地区保存条例

倉敷市伝統的建造物群保存地区保存条例

倉敷市伝統的建造物群保存地区保存条例

 昭和53年9月20日 条例第42号
 改正 昭和60年6月27日 条例第30号
 改正 平成2年3月27日 条例第12号
 改正 平成2年6月22日 条例第28号
 改正 平成9年12月24日 条例第45号
 改正 平成11年3月26日 条例第17号
 改正 平成12年3月21日 条例第5号
 改正 平成17年3月25日 条例第25号
 改正 平成17年6月29日 条例第72号


 


(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下
 「法」という。)第143条第1項の規定に基づき、本市が都市計画
 に定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その
 他その保存のため必要な措置を定め、もって本市の文化的向上
 に資することを目的とする。


(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それ
 ぞれ当該各号に定める ところによる。
 (1) 伝統的建造物群
    法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。
 (2) 伝統的建造物群保存地区
    法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区(以下
   「保存地区」という。)をいう。


(保存計画)

第3条 教育委員会は、都市計画法(昭和43年法律第100号)の
 規定に基づく保存地区が決定されたときは、第11条に規定する
 審議会の意見を聴いて当該保存地区の保存に関する計画(以下
 「保存計画」という。)を定めなければならない。
2 前項の保存計画は、次に掲げる事項について定めるものとす
 る。
 (1) 保存地区の保存に関する基本計画に関する事項
 (2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物
  その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)の決定に関する
  事項
 (3) 保存地区内において伝統的建造物群と一体をなす環境を保
  存するため特に必要と認められる物件の決定に関する事項
 (4) 保存地区内における建築物その他の工作物(以下「建造物」
  という。)及び前号の物件の保存整備計画に関する事項
 (5) 建造物及び第3号に規定する物件の助成措置等に関する
  事項
 (6) 保存地区の保存のため必要な管理施設及び設備並びに
  環境の整備に関する事項
3 教育委員会は、第1項の保存計画を定めたときは、これを告示
 しなければならない。
4 保存計画を変更する場合においては、第1項及び前項の規定
 を準用する。


(現状変更行為の規制)

第4条 保存地区内における次の各号に掲げる行為については、
 あらかじめ、市長及び教育委員会の許可を受けなければなら
 ない。
 (1) 建造物の新築、増築、改築、移転又は除却
 (2) 建造物の修繕、模様替え又は色彩の変更で、その外観を
  変更することとなるもの
 (3) 宅地の造成その他の土地の形質の変更
 (4) 木竹の伐採
 (5) 土石類の採取
 (6) 水面の埋立て
2 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる行為については、
 同項の規定による許可を受けることを要しない。
 (1) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 (2) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。)の新設等
   ア 仮設の工作物
   イ 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で
    地下に設けるもの
 (3) 次に掲げる木竹の伐採等
   ア 木竹の育成のため通常行われる間伐、枝打ち又は整枝
   イ 枯死、損傷又は危険な木竹
   ウ 森林病害虫等防除のための木竹
   エ 仮植した木竹
 (4) 前3号に掲げるもののほか、次に掲げる行為
   ア 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行うもの
   イ 岡山県公安委員会及び道路管理者が行う道路標識等の
   措置又は管理に係るもの
3 市長及び教育委員会は、第1項の許可を与える場合には、保存
 地区の保存のため必要な限度において条件を付することができる。


(許可の基準)

第5条 市長及び教育委員会は、前条第1項各号に掲げる行為で
 次の各号に定める基準(市長にあっては、第8号に定める基準)
 に適合しないものについては、同条同項の規定による許可をして
 はならない。
 (1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しく
  は色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、
  それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又
  は色彩が当該伝統的建造物群の特性を持続しているものと認め
  られるものであること。
 (2) 伝統的建造物の移転(当該保存地区内における伝統的建造
  物の移築を含む。以下この号において同じ。)については、移転後
  の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物
  群の特性を維持していると認められるものであること。
 (3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統
  的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。
 (4) 伝統的建造物以外の建造物の新築、増築若しくは改築又は
  修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することと
  なるものについては、それらの行為後の当該建造物の位置、規
  模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく
  損なうものでないこと。
 (5) 前号の建造物の移転については、移転後の当該建造物の位
  置及び移転後の状態が、当該保存地区の歴史的風致を著しく
  損なうものでないこと。
 (6) 第4号の建造物の除却については、除却後の状態が当該保存
  地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。
 (7) 前条第1項第3号から第6号までの行為については、それらの
  行為後の地貌その他の状態が当該保存地区の歴史的風致を著
  しく損なうものでないこと。
 (8) 前各号に定めるほか、当該行為後の建造物又は土地の用途
  等が当該伝統的建造物の保存又は当該保存地区の環境の維持
  に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。


(国の機関等に関する特例)

第6条 国又は地方公共団体の機関が行う行為については、第4条
 第1項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国
 又は地方公共団体の機関は、第4条第1項の許可に係る行為をし
 ようとするときは、あらかじめ、市長及び教育委員会に協議しなけ
 ればならない。

第7条 次の各号に掲げる行為については、第4条第1項の規定に
 よる許可を受け、又は、前条後段の規定による協議をすることを
 要しない。この場合において、これらの行為で第4条第1項の許可
 又は前条後段の協議に係る行為をしようとするときは、あらかじめ、
 市長及び教育委員会にその旨を通知しなければならない。
 (1) 都市計画法による都市計画事業の施行として行う行為
 (2) 都市計画法による国、岡山県若しくは本市又は当該都市計画
  施設を管理することとなる者が、当該都市計画施設又は市街地
  開発事業に関する都市計画に適合して行う行為
 (3) 道路法(昭和27年法律第180号)による道路の改築(小規模の
  拡幅、舗装、こう配の緩和、線形の改良その他道路の現状に著
  しい変更を及ぼさないものに限る。)、維持、修繕又は災害復旧に
  係る行為
 (4) 交通監視塔等道路交通の安全のため必要な施設の設置又は
  管理に係る行為
 (5) 気象、地象又はこう水その他これに類する現象の観測又は通
  報の用に供する設備の設置又は管理に係る行為
 (6) 都市公園法(昭和31年法律第79号)による都市公園及び公園
  施設の設置又は管理に係る行為
 (7) 法第27条第1項の規定により指定された重要文化財、同法第
  78条第1項の規定により指定された重要有形民俗文化財、
  同法第92条第1項に規定する埋蔵文化財又は同法第109条第1
  項の規定により指定され、若しくは同法第110条第1項の規定に
  より仮指定された史跡名勝天然記念物の保存に係る行為
 (8) 郵便差出箱又は信書便差出箱の設置又は管理に係る行為
 (9) 国又は地方公共団体が行う通信業務の用に供する線路又は
  空中線系及びこれらに係る電気通信設備を収容するための施設
  の設置又は管理に係る行為
 (10) 認定電気通信事業(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)
   第120条第1項に規定する認定電気通信事業をいう。)、有線放送
   電話業務又は放送事業の用に供する線路又は空中線系(その
   支持物を含む。)及びこれらに係る電気通信設備を収容するため
   の施設の設置又は管理に係る行為
 (11) 公衆電話施設の設置又は管理に係る行為
 (12) 有線テレビジョン放送法(昭和47年法律第114号)による有線
   テレビジョン放送業務の用に供する線路又は空中線系(その
   支持物を含む。)の設置又は管理に係る行為
 (13) 電気事業法(昭和39年法律第170号)による電気事業の用
   に供する電気工作物の設置(発電の用に供する電気工作物
   の設置を除く。)又は管理に係る行為
 (14) ガス事業法(昭和29年法律第51号)によるガス工作物の設置
   (液化石油ガス以外の原料を主原料とするガスの製造の用に
   供するガス工作物の設置を除く。)又は管理に係る行為
 (15) 水道法(昭和32年法律第177号)による水道事業又は下水道
  法(昭和33年法律第79号)による下水道の排水管若しくはこれを
  補完するため設けられるポンプ施設の設置又は管理に係る行為


(許可の取消し等)

第8条 市長及び教育委員会は、次の各号の一に該当する者に対
 して、保存地区の保存のため必要な限度において、第4条第1項
 の規定によってした許可を取り消し、又は工事その他の行為の停
 止を命じ、若しくは相当の期限を定めて、建造物の改築、移転若し
 くは除却その他違反を是正するため必要な措置をとることを命ず
 ることができる。
 (1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者
 (2) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した工事の注文
  主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約に
  よらないで自らその工事をしている者若しくはした者
 (3) 第4条第3項の規定により許可に付した条件に違反している者
 (4) 虚偽その他不正な手段により第4条第1項の規定による許可
  を受けた者
2 市長及び教育委員会は、前項の規定により処分をし、又は必要
 な措置をとることを命じようとするときは、あらかじめ、第11条に規
 定する審議会の意見を聴き、かつ、当該処分又は措置を命ずる
 べき者について、聴聞を行わなければならない。

(損失の補償)
第9条 市長は、第4条第1項の許可を受けることができなかった
 こと及び同条第3項の条件を付したことにより損失を受けた者に
 対しては、通常生ずべき損失を補償するものとする。

(経費の補助等)

 

 

第10条 市長は、保存地区内における建造物及び伝統的建造物
 群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件
 の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な
 措置を行い、又は当該物件の所有者等に対し予算の範囲内に
 おいてその経費の一部を補助することができる。


(審議会の設置等)

第11条 教育委員会に倉敷市伝統的建造物群等保存審議会(以
 下「審議会」という。)を置く。
2 審議会は、市長及び教育委員会の諮問に応じ、保存地区の
 保存等に関する事項について調査審議する。
3 審議会は、前項に定めるもののほか、倉敷市伝統美観保存
 条例(昭和43年倉敷市条例第63号)第3条第1項及び第3項、
 第4条、第6条第3項並びに第7条第2項、倉敷市倉敷川畔伝
 統的建造物群保存地区背景保全条例(平成2年倉敷市条例第
 28号)第4条第2項及び第5条第2項並びに倉敷市美観地区景
 観条例(平成17年倉敷市条例第72号)第15条に規定する事項
 を処理する。
4 審議会の委員の定数は、15人以内とし、学識経験者、関係
 地域を代表する者及び関係行政機関の職員のうちから、教育
 委員会が委嘱する。


(任期)

第12条 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた
 場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
2 委員は、再任されることができる。


(会長及び副会長)

第13条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は、委員の互選による。
3 会長は、審議会を代表し、会務を総理し、会議の議長となる。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を
 代理する。


(会議)

第14条 会議は、会長が召集する。
2 会議は、委員の半数以上の者が出席しなければ開くことができ
 ない。
3 会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、
 議長の決するところによる。


(臨時委員)

第15条 審議会に特別の事項を審議させるため必要があるときは、
 臨時委員若干人を置くことができる。
2 臨時委員は、教育委員会が委嘱する。
3 臨時委員は、当該特別の事項に関する審議が終了したときは、
 解任されるものとする。


(罰則)

第16条 次の各号の一に該当する者は、5万円以下の罰金に処する。
(1) 第4条第1項の規定又は同条第3項の許可条件に違反した者
(2) 第8条第1項の規定に基づく命令に違反した者


(両罰規定)

第17条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他
 の従業者が、その法人又は人の業務又は財産に関して前条に規定
 する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人
 に対しても、前条の刑を科する。


(委任)

第18条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長及び教育委員
 会が別に定める。

  附  則

(施行期日)
1 この条例の施行期日は、規則で定める。
(昭和54年1月規則第2号で、同54年2月1日から施行)
(関係条例の改正)
2 特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する
 条例(昭和42年倉敷市条例第23号)の一部を次のように改正する。
       
  別表中 「

文化財保護審議会委員  同 4,000円  同     

   」の次に「

伝統的建造物群保存審議会委員 同 4,000円  同   
同                 臨時委員  同 4,000円

 」を加える。
  附  則(昭和60年6月27日条例第30号)
  この条例は、公布の日から施行し、昭和60年4月1日から適用
する。
  附  則(平成2年3月27日条例第12号)
  この条例は、平成2年4月1日から施行する。
  附  則(平成2年6月22日条例第28号抄)
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
  附  則(平成9年12月24日から条例第45号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成10年4月1日から施行する。
  附  則(平成11年3月26日条例第17号)
(施行期日)
1 この条例は、平成11年6月1日から施行する。

(関係条例の一部改正)
2 特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する
 条例(昭和42年倉敷市条例第23号)の一部を次のように改正する。
  別表中「

伝統的建造物群保存審議会

   」を「

伝統的建造物群等保存審議会

  」に改める。
3 倉敷市倉敷川畔伝統的建造物群保存地区背景保全条例(平成
 2年倉敷市条例第28号)の一部を次のように改正する。
  第4条第2項中「倉敷市伝統的建造物群保存審議会」を「倉敷市
 伝統的建造物群等保存審議会」に改める。
  附  則(平成12年3月21日条例第5号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の規定は、この条例の施行の日以後に法第6条の規定
 による確認申請を受理するものから適用する。