昭和から平成に元号が変わってから30年近く経つ今日、昭和という時代が再検証されています。このたびの特別展示は、この時代に特異な足跡を残した倉敷出身の洋画家・岡本唐貴(1903-1986)の没後30年を記念して開催します。
岡本は20歳の若さで、大正末期に盛んであった前衛美術運動の旗手として活躍します。やがてロシアのリアリズム絵画と、階級闘争が激化しつつあった時代の空気に影響を受け、昭和初期にはプロレタリア美術運動の指導者として第一線に立ちました。弾圧による運動の終焉後、戦中の雌伏期に仲間たちと写生やデッサンに励み、戦後は民主主義社会における新たなリアリズム絵画を追求しました。
本展では岡本の油彩やポスター、デッサン、関連資料にあわせて、当館コレクションから大正末期から昭和期の美術を紹介します。岡本の軌跡を通して、現在すでに遠くに感じられる「昭和」という時代を、新たに見直すきっかけとなれば幸いです。
●担当学芸員によるギャラリー・トーク
終了しました。
日時:9月25日(日)・11月6日(日)・12月4日(日)
14時00分~(20分間程度)
場所:美術館2階展覧会場内
※当日の観覧券が必要です。