文化振興課

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全国将棋サミット2017の模様

平成29年8月5日(木)、倉敷市芸文館にて「全国将棋サミット2017」が開催されました。全国各地の自治体代表者ほか約500名にご来場いただきました。開催地の伊東香織倉敷市長及び日本将棋連盟佐藤康光会長による挨拶の後、「将棋のまち倉敷」動画上映、大山名人記念館北村實館長による記念講演「倉敷を愛した大山名人」、自治体代表者による将棋普及事業の取組発表、女性パネリストによるパネルディスカッション「女性への将棋普及」が行われました。なお、出席者の肩書は開催当時のものです。

<全国将棋サミットとは>
将棋文化の継承と普及に関する事業を通じて地域の発展を目指す自治体が一堂に会し、各地での取組について意見交換を行い、交流と連携を促進する目的で開催。

<出席自治体>
山形県天童市  新関 茂副市長
福島県喜多方市 上野光晴副市長
千葉県野田市  松尾師孝将棋専門委員
東京都杉並区  田中 良区長
山梨県甲府市  長谷川義孝教育長
静岡県牧之原市 西原茂樹市長
京都府八幡市  谷口正弘教育長
兵庫県姫路市  釣 雅典理事
兵庫県加古川市 岡田康裕市長
岡山県倉敷市  伊東香織市長

<出席日本将棋連盟役員>
会長   佐藤康光九段
常務理事 脇 謙二八段
常務理事 井上慶太九段
常務理事 清水市代女流六段


<開会式>
将棋サミット2017開会式

<開会挨拶>

伊東香織倉敷市長 佐藤康光日本将棋連盟会長
写真左:開催地の伊東香織倉敷市長
写真右:日本将棋連盟佐藤康光会長

<動画上映>

将棋のまち倉敷

「将棋のまち倉敷」を紹介。
動画投稿サイト「YouTube」倉敷市公式チャンネルで公開中です。


<第1部 記念講演>

北村実大山名人記念館館長
大山名人記念館 北村實館長による「倉敷を愛した大山名人」
講演の一部
「大山名人の青年期に、人間形成に大きな影響を与えたのが大原総一郎氏。地元に対する愛情の大切さを説いた。大山名人は東京で生活しながら住民票は倉敷に置き、倉敷市民であり続けた。年に20回以上倉敷に帰り、地元の人たちと交流し、将棋の指導のほか、麻雀、ゴルフなどを楽しんだ。
倉敷を愛し、倉敷のためならなんでもしようという気持ちでいっぱいだった。大山名人の地元への愛が、今日の、倉敷の将棋文化の礎となった。」


<第2部 自治体代表者による取組発表>

倉敷市発表

倉敷市 伊東香織市長
全国小学生倉敷王将戦の紹介をしているところ。
写真左は小学5年生当時に、高学年の部で優勝した菅井竜也七段、中央は小学3年生当時に、低学年の部で優勝した藤井聡太四段。


姫路市発表
姫路市 釣雅典理事
姫路市出身の戦国武将、黒田官兵衛の哲学「人は殺さず生かすべき、捕虜にした敵は殺さずに自分の味方にする」は将棋の持ち駒再利用ルールそのものであり、将棋をテーマとした華やかなイベントとして「人間将棋 姫路の陣」を平成27年から開催している。


加古川市発表

加古川市 岡田康裕市長
「棋士のまち」加古川市にはゆかりのプロ棋士が5名。 日本将棋連盟公式棋戦「加古川青流戦」の開催のほか、かこがわ将棋プラザをオープン。将棋を活かした健康づくり事業に取り組んでいる。


天童市発表
天童市 新関茂副市長
人間将棋の開催。
将棋駒生産量日本一。
天童駅隣接の観光情報センターで観光PRとして「書き駒」の実演。
「将棋のまちからプロ棋士を」合言葉に、少年少女将棋教室を開催。
天童市をホームとするJリーグモンテディオ山形及び日本将棋連盟との間で「将棋とサッカー」コラボ事業を開催。


<第3部 パネルディスカッション 「女性への将棋普及」>

清水市代常務理事 伊東香織倉敷市長 山口絵美菜女流1級 諏訪景子将棋指導員 村田智穂女流二段

パネリスト(写真左上から)
清水市代 日本将棋連盟常務理事
伊東香織 倉敷市長
山口絵美菜 女流1級
諏訪景子 将棋普及指導員
コーディネーター
村田智穂 女流二段

パネルディスカッション01パネルディスカッション02
「女性への将棋普及」をテーマとして、将棋イベントが女性にとって居心地の良い環境となるためには女性スタッフ常駐が必要、棋士が対局中に食べる「勝負飯」など将棋と別の魅力をコラボしたイベントの開催による新規ファンの獲得、男性ファンに対する協力依頼として恋人など身近な女性に将棋の魅力を伝えること、などが話し合われました。


<閉会>
・次回開催地挨拶 姫路市 釣雅典理事
・閉会挨拶 日本将棋連盟 井上慶太常務理事

将棋サミット終了後に、スペシャル早指し対局「佐藤天彦名人vs菅井竜也七段」が行われました。

<スペシャル早指し対局>

菅井七段対佐藤名人佐藤名人菅井竜也七段

95手で菅井七段が勝利しました。 棋譜を掲載しています。簡単な解説を菅井七段にお願いしました。

なお、サミット開催当時、菅井七段は王位戦の挑戦者として羽生善治王位と七番勝負を戦っており、第1局・第2局に勝利していました。サミットから4日後の第3局では敗れたものの、第4局・第5局に勝ち、通算4勝1敗で王位のタイトルを奪取しています。

平成29年8月4日 将棋サミット2017 スペシャル早指し対局
持時間 初手から1手30秒の秒読み

先手:菅井竜也七段
後手:佐藤天彦名人

▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △4二飛
▲6八玉 △8八角成▲同 銀 △6二玉
▲7八玉 △7二玉 ▲9六歩 △2二銀
▲9五歩 △3三銀 ▲4八銀 △2二飛
▲5六歩 △2四歩 ▲5七銀 △4四銀
▲5八金右△3五歩 ▲6八金寄△5二金左
▲7七銀 △8二玉 ▲8八玉 △3三桂
▲7八金上△7二銀 ▲6六銀右 △4五銀
▲7五歩 △6四歩 ▲5五角(第1図)第1図

△3二飛 ▲2五歩 △同 歩 ▲7四歩
△6三金 ▲7五銀 △3九角▲7三歩成
△同 桂 ▲6四銀 △同 金 ▲同 角
△2八角成▲7四歩 △6二銀 ▲2四歩(第2図)第2図

△3四銀 ▲7三歩成△同銀直 ▲7四桂
△7二玉 ▲6二桂成△同 金 ▲7三角成
△同 金 ▲2三銀 △3一飛 ▲3四銀不成
△2九馬 ▲4三銀成△8五桂 ▲6五銀
△6一飛 ▲7六銀打(第3図)

第3図
△7四歩 ▲5二金 △6五飛 ▲同 銀
△3九馬 ▲6二飛 △8一玉 ▲6一飛成
△9二玉 ▲7六銀上△8四銀 ▲9四歩
△同 歩 ▲9三歩 △同 銀 ▲8五銀
△2八飛 ▲9四銀 △同 銀 ▲同 香
△9三歩 ▲8五桂 △9六桂 ▲9八玉
△6八飛成▲8一銀(投了図)まで95手で菅井七段の勝ち

投了図

A△2二銀…△9四歩が多い
B△4五銀…△2五歩からの決戦も有力
C▲5五角…決断の一手
D△3九角…当然の切り返し
E▲2四歩…細かい攻め
F▲7三角成…先手陣は堅く、先手良し
G▲7六銀打…以下は押し切った
名人に快勝することができて、自信となった1局。(解説 菅井竜也七段)

 

<指導対局>

サミット開催中に、同時進行でプロ棋士による指導対局も行われました。

斎藤慎太郎七段指導対局
斎藤慎太郎七段の指導対局。
そのほかの出演棋士
有森浩三七段
村田智弘六段
船江恒平六段
石本さくら女流初段