倉敷市子ども条例

倉敷市子ども条例

「家族の日」「家族の週間」と併せた普及啓発

 倉敷市では全ての子どもが幸せに暮らせるまちの実現を目指して「子ども条例」を制定しています。
 子ども条例は子どもに関わりのある保護者、学校園等、事業者、地域住民、行政など、全ての人の役割を明確にし、子どもの育成に関する基本的な事柄を定めています。その中でも子どもの成長にとって、家庭の果たす役割は大きいと考えています。
 内閣府では、子育て家族や家族を支える地域の大切さについて、理解の促進を図るため、11月の第三日曜日を「家族の日」、その前後各1週間を「家族の週間」と定めています。
 この「家族の日」「家族の週間」に今一度、家庭が子どもの成長に大きな役割を果たしていることを認識して、朝食を共にしたり、休日を一緒に過ごしたりするなど、家庭の大切さについて考えてみませんか?親子

倉敷市子ども条例本文

内閣府「家族の日」「家族の週間」についてはこちら

取り組み

(1)広報くらしきによる広報
 毎年広報くらしき11月号に啓発記事を掲載しています。
(2)FMくらしきによる広報
 毎年「家族の週間」期間中、子ども条例の啓発コマーシャルを放送します。
(3)ホームページでの広報
 子育て支援課のトップページに子ども条例ページへのリンクを掲載し、子ども条例を周知します。

1 背景及び目的

近年,少子化の社会問題化やいじめや虐待など,子どもの権利を侵害する深刻な問題が発生しています。

わが国では,平成元年(1989年)11月に国連で採択された子どもの権利条約を平成6年に批准し,子どもの権利を尊重する社会づくりをめざし,子どもを取り巻く環境の整備に努めてきました。

倉敷市でも,平成22年3月に「倉敷市次世代育成支援計画(後期)」が策定され,その中で,条約の理念に基づき,子どもの幸せと健やかな育ちを図るための基本方針を定める必要があるとしています。

これを受けて,次代を担う子どもたちが健やかに生まれ育つまちづくりの取り組みに向けた長期的,総合的な指針として「子ども条例」を制定するものです。


◇ 子ども条例の制定に向けた経過等は、こちら

2 制定内容及び方法

「子ども条例」は,子どもの権利条約を基礎に,家庭はもとより,地域,学校,団体,企業,行政などがそれぞれの役割を果たしながら,社会全体で子育てを支え,すべての子どもが,心身ともに健やかに育ち,自立した社会性のある大人として成長できるまちを目指し,子ども施策を総合的,機能的,効果的に実施・推進し,子どもの幸せにつながる施策の基本理念とします。

制定に当たっては,子ども施策及び子どもの権利に関わり合いの深い部署を中心に検討をすすめ,倉敷市社会福祉審議会児童福祉専門分科会に諮るとともに,児童・生徒及び保護者などからの意見やパブリックコメントによる市民の意見を取り入れながら進めていきました。

3 審議機関

倉敷市社会福祉審議会児童福祉専門分科会

社会福祉法(昭和26年法律第45号)及び倉敷市社会福祉審議会条例(平成13年倉敷市条例第50号に基づき設置された倉敷市社会福祉審議会に置かれている児童福祉専門分科会に,条例素案を諮問し,審議・答申をいただきました。

◇ 子ども条例の制定に向けた経過等は、こちら

前文

すべての子どもは未来の希望であり,わたしたちのまちのかけがえのない宝です。
わたしたち大人は,日本国憲法(にほんこくけんぽう)や児童の権利(けんり)に関する条約(じょうやく)の理念を尊重(そんちょう)し,子どもが健(すこ)やかに育つことのできる環境(かんきょう)づくりに取り組みます。
子どもは,子どもの権利(けんり)を学ぶことによって,自分の権利(けんり)だけではなく,他の人にも権利(けんり)があることを学びます。そこから,自分を大切にする心,他者への思いやり,規範意識等(きはんいしきとう)が育(はぐく)まれ,様々な責任(せきにん)を果たすことができる大人へと成長していきます。
大人が子どもにかかわるときは,子どもの学び育つ力を尊重(そんちょう)し,正面から向き合って,誠実(せいじつ)に子どもの声を聞き,信頼関係(しんらいかんけい)を築(きず)いていくことが大切です。
そのため,大人は,子どもの模範(もはん)として行動するとともに,積極的な対話を通じて,お互いにふれあいを深め,強いきずなを結び,それぞれの役割(やくわり)と責任(せきにん)を自覚し,協働することによって,次代(じだい)の地域社会(ちいきしゃかい)の担(にな)い手(て)としての子どもが,自立した社会性のある大人として成長できるよう支援(しえん)に努めていきます。
山や海に囲まれた自然に恵(めぐ)まれ,長い歴史と伝統(でんとう)に育(はぐく)まれた文化があり,ものづくりの集積地である倉敷のまちで,子どもが夢(ゆめ)と希望を抱(いだ)き,自分を愛し,人を愛し,命を慈(いつく)しみ,健(すこ)やかに育(はぐく)まれ,大人になっても,倉敷の地を愛し,安心して子どもを生み育てることができるまちの実現を目指し,この条例(じょうれい)を定めます。

第1章 総則(そうそく)


(目的)
第1条 この条例(じょうれい)は,大人の役割(やくわり)を明確(めいかく)にし,子どもの育成に関する基本的(きほんてき)な事柄(ことがら)を定めることにより,倉敷市で育つすべての子どもが幸せに暮らせることを目的とします。

(言葉の意味)
第2条 この条例(じょうれい)において,言葉の意味は次のとおりです。
(1)子ども 18歳(さい)になっていないすべての人をいいます。
(2)保護者(ほごしゃ) 親や親に代わって子どもを育てる立場にある人をいいます。
(3)学校園等 保育所,認定こども園(にんていこどもえん),幼稚園(ようちえん),小学校,中学校,高等学校,特別支援学校(とくべつしえんがっこう)などの子どもが育ち,学ぶことを目的とするすべての施設(しせつ)をいいます。
(4)事業者 市内に事務所(じむしょ)や事業所を有する個人(こじん),法人などで,事業活動を行うものをいいます。
(5)地域住民(ちいきじゅうみん) 地域(ちいき)に住んでいる人や地域(ちいき)のために活動を行う団体をいいます。

(基本的(きほんてき)な考え方)
第3条 子どもの育成に関する大人の役割等(やくわりとう)の考え方は次のとおりです。
(1)子どもが健(すこ)やかに育つことができるよう相互(そうご)に協働します。
(2)子どもとの信頼関係(しんらいかんけい)を築(きず)くため,積極的な対話に努めます。
(3)子どもの健全育成を図(はか)るために,大人同士が積極的な対話を行い,共通の認識(にんしき)を持つよう情報交換(じょうほうこうかん)に努めます。
(4)子どもが健(すこ)やかに育つことのできる環境(かんきょう)づくりに努めます。
(5)子どもの年齢(ねんれい)や成長に応じて,子どもの意見を尊重(そんちょう)し,最善(さいぜん)の利益(りえき)をもたらすよう努めます。
(6)子どもの学び育つ力を尊重(そんちょう)し,子どもが豊(ゆた)かな人間性を養うことにより,自分で考え,判断(はんだん)し,その行動に対して責任(せきにん)を果たすようその支援(しえん)に努めます。
(7)保護者(ほごしゃ)の子育てをする力を尊重(そんちょう)し,安心して子どもを生み育てることができるようその支援(しえん)に努めます。

第2章 子どもの主体性の育(はぐく)み

(子どもの主体性)
第4条 子どもは,その年齢(ねんれい)や成長に応じ,様々な責任(せきにん)を果たすことができる大人へと成長するように,次のことについて自(みずか)ら学び,考え,行動することに努めます。
(1)自分を大切にし,他者への思いやりの心を持つこと。
(2)基本的(きほんてき)な生活習慣(せいかつしゅうかん)を身に付け,社会の決まりを守ること。
(3)社会における様々な活動に参加し,主体的に生きる力を高めること。
(子育ち支援(しえん))
第5条 大人は,子どもの主体性を尊重(そんちょう)し,それぞれの役割(やくわり)と責任(せきにん)を自覚するとともに,お互(たが)いに連携(れんけい)することにより,次代(じだい)の担(にな)い手(て)としての子どもが自立した大人となるよう支えていきます。
2 大人は,子どもが生活体験,社会体験,自然体験といった遊びや活動を通して,社会への参加を促(うなが)すよう努めていきます。

第3章 大人の役割(やくわり)

(保護者(ほごしゃ)の役割(やくわり))
第6条 保護者(ほごしゃ)は,子どもの育成に対して,第一義的(だいいちぎてき)な責任(せきにん)を有するとともに,家庭が子どもの成長に大きな役割(やくわり)を果たしていることを認識(にんしき)し,子どもが健(すこ)やかに育つよう全力で努めます。
(学校園等の役割(やくわり))
第7条 学校園等は,子どもの豊(ゆた)かな人間性と将来(しょうらい)の可能性(かのうせい)を育(はぐく)む場であることをふまえ,保護者(ほごしゃ)や地域住民(ちいきじゅうみん)と一体となって,開かれた学校園づくりの推進(すいしん)に努めていきます。
(事業者の役割(やくわり))
第8条 事業者は,学校園等や地域住民(ちいきじゅうみん)が行う子育てに関する活動に協力するよう努めていきます。
(地域住民(ちいきじゅうみん)の役割(やくわり))
第9条 地域住民(ちいきじゅうみん)は,地域(ちいき)が子どもの社会性と豊(ゆた)かな人間性を育(はぐく)む場であることを認識(にんしき)し,地域(ちいき)の連帯意識(れんたいいしき)を培(つちか)いながら,子どもの育成のために相互(そうご)にかかわりを深めるよう努めていきます。
(市の役割(やくわり))
第10条 市は,保健(ほけん),福祉(ふくし),教育など様々な分野の連携(れんけい)や調整を行うことによって,子どもに関する施策(しさく)を総合的(そうごうてき)かつ計画的に推進(すいしん)します。
2 市は,保護者(ほごしゃ),学校園等,事業者,地域住民(ちいきじゅうみん)がその役割(やくわり)を果たすことができるよう必要に応じて支援(しえん)し,相互(そうご)に連携(れんけい)が図(はか)れるよう調整します。
3 市は,保護者(ほごしゃ),学校園等,事業者,地域住民(ちいきじゅうみん)と協働しながら良好な子育ち・子育ての環境(かんきょう)を整備(せいび)します。
4 市は,保護者(ほごしゃ)や地域住民(ちいきじゅうみん)などとの対話やふれあいが子どもの育ちに大切なものであることを認識(にんしき)し,大人と子どもが積極的に対話し,きずなを強める仕組みづくりに努めていきます。
5 市は,この条例(じょうれい)の趣旨(しゅし)について大人と子どもの理解(りかい)を深めるため,広報活動(こうほうかつどう)に努めていきます。

第4章 基本(きほん)となる施策(しさく)

(子育て支援(しえん))
第11条 市は,保護者(ほごしゃ)が安心して子どもを生み育てることができるよう総合的(そうごうてき)な支援(しえん)に取り組みます。
(相談への対応(たいおう))
第12条 市は,子どもからの相談や子どもについての相談に対し,速やかに対応(たいおう)するとともに,必要な擁護(ようご)に努めていきます。
(虐待(ぎゃくたい)やいじめなどへの対応(たいおう))
第13条 市は,子どもに対する虐待(ぎゃくたい),いじめや不審者(ふしんしゃ)などによる危害(きがい)を防(ふせ)ぎ,また,子どもが非行(ひこう)に走ることを防(ふせ)ぐために,関係する機関と連携(れんけい)を図(はか)り,必要な仕組みづくりに努めていきます。
(安全,安心な環境(かんきょう)づくり)
第14条 市は,子どもが健(すこ)やかに育つための安全で安心な環境(かんきょう)づくりに努めていきます。
(子どもの意見の尊重(そんちょう))
第15条 市は,子どもについての施策(しさく)について適切(てきせつ)な情報(じょうほう)を提供(ていきょう)し,子どもから意見を聞く機会を設(もう)け,自(みずか)らの思いや考えを反映(はんえい)できる仕組みづくりに努めていきます。

第5章 計画と評価(ひょうか)

(計画)
第16条 市は,第4章の基本(きほん)となる施策(しさく)を進めるための計画(以下「計画」という。)をつくります。
2 市は,計画をつくるときは,大人と子どもの意見が生かされるよう努めなければなりません。
3 市は,計画をつくったときは,速やかに公表します。
(評価(ひょうか))
第17条 市は,第4章の基本(きほん)となる施策(しさく)を有効(ゆうこう)に進めていくため,計画に沿(そ)って実施(じっし)した結果について評価(ひょうか)します。
2 市は,計画に沿(そ)って実施(じっし)した結果について評価(ひょうか)するときは,大人と子どもの意見を聞きます。
3 市は,計画に沿(そ)って実施(じっし)した結果について評価(ひょうか)したときは,速やかにその内容を公表します。

第6章 国や県などとの協力

(国や岡山県などとの協力)
第18条 市は,国や岡山県などに協力を求めて,子どもが健(すこ)やかに育つための必要な施策(しさく)の推進(すいしん)に努めていきます。

第7章 雑則(ざっそく)

(委任(いにん))
第19条 この条例(じょうれい)について必要な事柄(ことがら)は,市長が別に定めます。

附則(ふそく)

この条例(じょうれい)は,平成24年4月1日から施行(しこう)する。
倉敷市 子ども未来部子育て支援課
〒710-8565  倉敷市西中新田640番地
【TEL】 086-426-3314  【FAX】 086-427-7335  【E-Mail】 wlfcld@city.kurashiki.okayama.jp