倉敷市公共サインガイドライン 1.計画策定の目的と背景  近年の国際化や障害者への配慮を背景として、文字だけによる情報伝達を解消するために、平成14年に 「案内用図記号」に関するJIS規格や、平成17年に「絵記号」に関するJIS規格が制定され、視覚情報に関しての 標準化が全国的に進められています。 また近年、デザイン性や見やすさなどの観点から、色による識別表示や様々な形状、素材の案内板等が多く 見られるようになりましたが、障害や高齢化等により視点の高さや有効視野が異なることや、色の感じ方が 一般と異なる方がおられることについての理解は、全国的にまだ低く、倉敷市においても例外ではありません。  多くの情報を分かりやすく伝達することが求められるなかで、住民だけでなく観光都市として多くの方々を迎える 案内板や施設表示などが、だれに対しても分かりやすく安心して移動できるための誘導案内施設であるために、 様々な配慮が不可欠な状況になっています。  そこで、現行の「倉敷市公共サイン基本計画」(1994年策定)をユニバーサルデザインの観点で見直し、 今後のサイン整備にあたってのガイドラインとするために、学識経験者、障害者、高齢者、外国人、駅周辺地区の住民や 観光関係者などによる多様な方々により、総合的かつ長期的な視点により検討を行いました。 見直し後は「倉敷市公共サインガイドライン」として、すべての人が安全に、安心して、滞在・移動が楽しめるまちづくりの 支えとなる「サイン」について、ノーマライゼーションの理念に基づく多様な視点からの配慮事項や工夫に関する方向性を 定めることを目的としています。   2.倉敷市公共サインガイドラインの対象  倉敷市公共サインガイドラインが適用される範囲を明確にする必要があり、だれに対し、どこに、どのような サインを整備するかを定めます。 @サインの利用対象  住民及び来訪者すべてを対象とします。特に高齢者、障害者、外国人等の利用に配慮します。 A対象となるサインの種類  本来サインとは「情報源」というソフトを指し、施設そのものだけを指すことばではありません。 コミュニケーションが成立しさえすれば、文字や記号、かたち、色彩、質感、光、音、香り、触感など、 人間を取り巻く有形無形のあらゆる要素がサインとして作用します。  倉敷市公共サインガイドラインは、駅周辺をはじめとして、市内で整備される公共サインを対象とし、 サインの種類としては、誘導サイン、案内サイン、位置サインに適用するものです。 案内サイン類 簡潔な表現に工夫された図表や地図等を用いて、施設等の位置関係を図解するもの 誘導サイン類 簡潔な施設名等に矢印を併記して、目的場所の方向を指し示すもの 位置サイン類 簡潔な施設名等やピクトグラムを用いて、目的場所の位置を告知するもの ■対象となるサイン  倉敷市公共サインガイドラインで対象となるサインには、来訪者のための案内サイン、歩行者のための誘導サイン、 公衆トイレ等の位置サインがあります。  倉敷市公共サインガイドラインで協力・連携するその他のサインには、   ・観光案内所(観光コンベンションビューロ)が作成するサイン・マップ類   ・商店街が設置する誘導案内のためのサイン   ・民間施設のサイン(看板・誘導サイン)   ・その他、インターネットや出版物等の情報ツール  があります。  倉敷市公共サインガイドラインで対象外となるサインには、公共交通事業者が設置するサイン、道路標識、 施設管理者が施設内のみの誘導案内を行うためのサイン等があります。 3.サインの整備方針 3-1.サイン整備の基本的な考え方  本市のサイン整備にあたっては、交通バリアフリー基本構想の理念である「ひと、輝くまち 倉敷」を踏まえ、 だれもが安全に、安心して移動できるまちの実現に向けたサインシステムの実現を目指します。 あわせて、それぞれの地域特性を十分考慮し、市民への思いやりの心・来訪者へのおもてなしの心を重視し、 だれもに安心感を与えられる情報提供を目指します。  「倉敷市公共サインガイドライン」では、目指すべきサインシステムの整備に向けて、次の3つの基本的な 考え方にもとづいた基準や指標、配慮事項等を示します。 @だれもが安全・安心して移動できるシステムづくり ○ユニバーサルデザインの視点を重視することにより、誰もが見やすく利用しやすい表示とします ○移動のために必要最低限の情報をシンプルに表示し、表示面の見やすさを確保します ○サイン施設は、だれもが見つけやすく、かつ歩行者等の移動の支障とならない位置に設置します A思いやり・おもてなしの心=目的地までの円滑な誘導案内機能の整備 ○地域ごとに移動ルートと分岐点、誘導拠点を設定することにより、その拠点で必要な種類のサインを効果的に配置します ○サインに表示する掲載内容は、正確かつ必要な情報であることを十分検討し、だれもが正しく理解できるよう、 分かりやすい手法で表示します B地域特性を考慮した、快適なまちづくりへの貢献 ○サイン施設のデザインは、景観や周辺環境に配慮するとともに、誘導案内に不要な機能や装飾を排除した、 できるかぎりシンプルなものとします ○サインは、案内誘導情報を連続したシステムで提供するものであるため、地域内での施設は統一性・連続性のある デザインとします 3-2.表示デザイン基準 (1)レイアウトに関すること @文字書体・大きさ ●使用書体  公共サインに用いる書体は、標準的でだれもが分かりやすいことが基本となります。  現在、使用される文字のほとんどは、デジタルフォント又は写真植字による既成書体から選択されていますが、 和文書体では読みやすさ・加工のしやすさ・表示したい内容の特徴等の視点から文字書体を選択します。  誘導案内の表示としては、遠方からの可読性の高いゴシック系、欧文書体では、飾りや装飾(セリフ)を持たない サンセリフ系と呼ばれる書体がふさわしいとされています。 (標準的なサンセリフ系の書体として「ヘルベチカ」等があります) 通例に従い和文中の数字もサンセリフ系の欧文書体とします。  また、表示内容が文章の場合は明朝系の方が読みやすく、設置場所の特性によりサイン施設の デザインの雰囲気を変えたい場合などは丸ゴシック系がふさわしい場合もあるため、 情報内容や地域特性を勘案して文書書体を選択します。  中国語・ハングル書体は、国内で使用できる写真植字のなかから、標準的なものを選択します。 ●文字の大きさ  文字の大きさは、視力の低下した方々に配慮して、視距離に応じた文字の大きさを選択します。  サインは情報を迅速に伝えることが重要となるため、表示を構成する文字を適切な大きさで配置する必要があります。 文字の判読に必要な文字の大きさは、利用者の視距離や移動速度によって決まりますが、標準的な基準である 文字高さの目安(国土交通省等のガイドラインで提示されている数値)よりも小さいものは使用しないこととします。 ■視距離の設定   ○一般的な誘導サインは15mを基準とする   ○遠くから視認する誘導サインや位置サインは20m以上   ○近くから認識する案内サインなどは4−5m以下   ○案内サインの見出し等は10m程度を想定する ■視認距離別文字高の目安   ○遠距離(40m)から見る場合、案内用図記号の基準枠寸法は480mm以上、和文の文字高は160mm以上、英文の文字高120mm以上   ○遠距離(30m)から見る場合、案内用図記号の基準枠寸法は360mm以上、和文の文字高は120mm以上、英文の文字高90mm以上   ○中距離(20m)から見る場合、案内用図記号の基準枠寸法は240mm以上、和文の文字高は80mm以上、英文の文字高60mm以上   ○近距離(10m)から見る場合、案内用図記号の基準枠寸法は120mm以上、和文の文字高は40mm以上、英文の文字高30mm以上   ○近距離(5m)から見る場合、案内用図記号の基準枠寸法は60mm以上、和文の文字高は20mm以上、英文の文字高15mm以上   ○至近距離(1〜2m)の時、案内用図記号の基準枠寸法は35mm以上、和文の文字高は10mm以上、英文の文字高7mm以上    出典元は交通エコロジー・モビリティー財団「公共交通機関旅客施設の移動円滑化整備ガイドライン」 ●文字高さ 【案内サイン】  案内サインに記載される文字は、最も小さい文字で和文9o以上、英文6o以上とします。  案内マップに用いる文字の大きさは、ピクトグラムや記号など、情報要素の多い地図に表示することに配慮し、 平均的に1mの距離をおいて可読性を確保できる数値として設定します。 ただし、表示の状況によりやむを得ない場合は、最小文字高さを4oとします。 その場合の案内マップは、すべての人が約20pの距離でサイン表示面を見ることができる場合に限ります。 【誘導サイン】  誘導サインは、遠距離からの視認性を重視し、平均的に15mの距離から可視できる数値として設定します。 そのため、主要施設への誘導表示については、和文60o以上、英文48o以上とします。  ただし、サインの視認距離が想定値である15mより明らかに短い場合などは、最小文字高を和文40o、英文で30oとします。 【位置サイン】  主要施設の位置サインについては、視認距離に応じた文字サイズを考慮した表示を、施設管理者が決定するものとします。 A色彩  色彩については、だれにとっても表示内容が見やすく、わかりやすい表現となることを重視し、デザイン性だけでなく バリアフリーの視点からも配慮する必要があります。 ●明度差の確保  明度とは、色の「明るさ・暗さ」を表します。明度が高くなると明るいイメージになり、限度を超えると色はかすんでしまいます。 逆に明度が低くなると暗くなってしまいます。  マンセル表色系の明度は、反射率0%の黒をN0、反射率100%の白をN10とし(Nはneutralの頭文字)、 N1〜9.5の範囲で色票化しています。  マンセル表色系とは色を数値的に表すための体系(表色系)の一種で、色彩を色の3属性(色相、明度、彩度)に基づき 表現したもの。 日本では、JIS Z 8721(3属性による色の表示方法)として規格化されています。  文字や図の表示は、地色と図色の組み合わせによる明度差が大きいほど判読しやすくなります。 サイン表示においては、明度差ができるだけ5以上となるよう配慮します。 ●色の組み合わせ  高齢者の視力低下や白内障に配慮し、「青と黒」「黄と白」等の色の判別がしにくい組み合わせは用いないこととします。  色の感じ方が一般と異なる方への配慮としては、表示要素ごとの明度差を確保するとともに、 赤と緑を並べないなどの配慮が必要です。  黒と青、黄と白、オレンジと黄などは高齢者が認識しにくい色の組み合わせなので使用するべきではありません。 また、緑と赤、赤と灰なども、色覚異常の方などが判別しにくいので使用は避けることとします。 ●案内マップで留意すべき色遣い  公園緑地や河川、海などを示す場合には、それらが違和感なく自然に見える色彩を使用します。  また、地図中で最も視認性の重要度が高い現在地マークについては、自然色を基調とした地図面上で最も目立つ 赤色を用います。 Bデザイン  サイン表示のデザインは、利用者が読み取りやすい情報量に抑えるなど、表示面で繁雑にならない配慮が必要です。 利用者にとって必要な情報を適切に選択し、表記方法・内容に一貫性をもたせる事が重要となります。 特に視力障害者や高齢者で視力が弱い方にとっては、表示面のデザインがシンプルであるほど見やすくなるため、 利用者が目的地方面への移動に必要な情報のみを基本に、わかりやすい表示となるよう心がけます。  公共サインとして掲載する施設の選択は、公共空間に設置するサインにふさわしく、不特定多数が利用する 公共性の高い施設が望ましく、一般利用の少ない公共施設の掲載はしない方がよい場合もあります。 (2)表示方法に関すること @言語表示  誘導案内表示は掲載できる情報量が限られている場合が多いため、表示の見やすさやわかりやすさと、 誰もが使いやすいというユニバーサルデザインの観点から、言語表記は日本語と英語の2カ国語表示を原則とします。  案内マップの場合は、より多くの人々に対して情報を伝達できるよう、凡例表示は4カ国語を原則とします。 ただし、来訪者や設置場所の特性から、よりホスピタリティを考慮する必要があると思われる場合には、日本語、 英語以外の言語による表記を追加することを検討します。その場合は、掲載情報の見やすさやわかりやすさに 十分配慮する必要があります。 Aピクトグラム  言語によらず、幅広い年齢層や外国人にも直感的に施設や機能の意味を伝えることができる有効な記号として、 ピクトグラム(案内用図記号)を積極的に活用します。  ピクトグラムは原則としてJIS案内用図記号を使用します。JIS規格の一部のピクトグラムに関しては、図記号の 基本的な概念を変えない範囲で図形を変更して用いることができます。 また、JIS案内用図記号に表記されていない施設のピクトグラムに関しては、必要に応じてJIS案内用図記号の 考え方に沿って開発することができます。(参考のピクトグラムをもとに開発した図をさらに変更することはできません)   各施設が有するトレードマークや一般企業のコーポレートマークは、一般的に具体的な機能を示す図でない場合が多く、 認知の範囲が倉敷市内に限定される可能性もあり、図案の示す意味が一見してわかりにくい場合が多いため、 公共サインへの表記は行わないものとします。ただし、岡山県が作成したピクトサインについては、 サイン設計時において、一般的に理解できる表現となっていることを確認したうえで公共サインへ表示できるものとします。 B矢印  矢印の形状はシンプルで遠方より視認性のあるデザインを推奨します。   移動方向を指示する矢印として一般に理解しやすいのは、「左へ進め」「直進せよ。または上れ」 「右へ進め」「下れ。またはくぐれ」の4種の矢印です。 できるだけこの4種を用いるよう、サインの設置位置を工夫する必要があります。 また、誤解を招く使い方、例えば「下れ。またはくぐれ」を「(進行方向から)戻る」という意味での表示は しないように注意する必要があります。 Cイラスト  行動の起点となる駅前の総合案内マップ等では、主な利用者と想定される観光客に、観光施設等に関する情報を わかりやすく表示するため、施設名及びピクトグラムと併せて、主要施設等にイラスト等を表示することが有効な場合もあります。 ただし、案内マップに記載する情報が増えるため繁雑にならないよう、イラストの大きさや色彩に注意することが必要です。 また、イラストは誘導ルート及び主要道路や主要施設情報の見え方に影響を及ぼさない範囲で掲載することとします。 (3)表示部構造に関すること @表示面の大きさ  近くから視認するサインは、立っている人と車いす使用者の中間の視点である、床面から1250mm程度の高さを 表示面の中心とします。また、表示面の上端と下端は、最大でも両者の視野に入るようにすることが必要です。  案内マップなど情報量の多い大型の表示面の場合、誤読率が増加する視方角(45°)の限界を超えないように、 想定する視認位置から水平方向にも垂直方向にも視方角が45°以下にならないように、サインの幅寸法や掲出の 高さ、面の傾きなどを設定します。  案内マップの表示面は、視力の弱い人が表示面から50pの距離で見渡せる範囲を基準として、1m四方以内に 収まるサイズとします。 A高さ  遠くから見るサインは、人が移動している場合、一定の高さ以上にあるものは視認し難くなります。  また、不特定多数の人が利用する施設では視界の前方に他の通行者がいる場合も多く、 視認位置から仰角10°より下の可能な限り高い位置に掲出することが必要です。  そのため、遠くから認識する必要のあるサインについては、サイン施設の上端を2.5m以上の高さに 設定する必要があります。 Bサインの設置方向  案内サインを、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)のある歩道上に設置する場合、サインの設置方向は 進行方向に対し平行に設置することを基本とします。歩道幅員が広く、休憩施設や植栽等が整備されている地点や、 案内サインの利用者が多く見込まれる場所で設置場所を十分確保できる場合は、主要動線の進行方向に対し直角に 設置することが有効な場合もあります。いずれにしても、視覚障害者誘導ブロックの曲部を可能な限り少なくするよう 設置方向を工夫することが必要です。 3-3.配置・施設整備方針  ここでは、道路等屋外に設置する誘導案内のための案内サインと誘導サインについて、サイン施設整備における 計画段階での配慮点を定めます。 位置サインについては、前項までの基準をふまえた表示面の大きさ・高さ・設置方向を検討し、 各施設の敷地や建物形状等の状況に応じて設置することが必要です。 (1)設計施工に関すること @構造  サイン施設の構造については、施設自体の耐久性と安全性を考慮することはもちろん、より利用者の立場に立った 施工上の工夫を心がけます。 また、長期にわたりサインを活用できるよう、維持管理面にも配慮した構造とします。 ●サインへの近づきやすさを確保   視力の弱い人や車いす使用者がサインの近くに寄って表示を見ることを前提に、低い視線への配慮と足下の 蹴込みの確保に注意します。 サイン施設周辺の段差や舗装等についても、サインへ近づくにあたり支障があると判断される場合は、設置箇所の移動や、 歩道等の整備をあわせて行う等の取り組みが必要です。   視覚障害者へは音声案内が有効であり、行動起点や総合案内サインでは音声案内機能や点字表示の設置が重要です。 また、それらの施設を設置した場合には、その所在を知らせるために視覚障害者誘導ブロックで誘導したり、 チャイムを設けたり等の工夫が必要です。 ●触って分かるサインへの配慮   サイン施設の多くは屋外に設置されるため、点字表示や触地図など、手で触れて情報を認識するサインについては、 表示面が高熱にならないための材質を選ぶなどの配慮が必要です。 ●メンテナンスが容易であること   人為的な事故やいたずら等による破損については、表示面カバーの設置、四隅の巻き込み、 貼り紙やいたずら書き防止の表面加工処理などの対策が必要です。   点字表示面を紫外線硬化樹脂印刷や後貼りで行う場合は、ベース素材と表面仕上げとの相性の善し悪しにより 剥離が起こる場合があるため、十分に確認して施工する必要があります。   サインの表示面は、施設や周辺状況の変化に応じて情報内容の更新を速やかに行うことが望ましいため、 定期的・短期的な変更が予測されるものについては、部分的な取り替えが可能な構造とします。 A照明  曇天時や夕刻、夜間の顕在性を高めるため、主要な拠点に設置される総合案内サインでは照明設備の設置が重要です。 (2)整備に関すること @配置計画と設置位置  サインは,分岐点からそれぞれ視認できる、歩行者の円滑な移動を妨げない位置に配置します。また、サイン設置後に、 車いす使用者や介助者が必要な歩行者等の移動空間が十分に確保できる位置に設置します。  歩道上の誘導サインは、視覚障害者誘導用ブロック(点字ブロック)の位置を避けて設置します。 原則としてブロック端から90p以上離れた位置を基本とし、やむを得ない場合は60pの位置に設置することとします。  サイン施設の周辺に設置物が多く、サインの存在が目立たない場合は、その位置に案内サインがあることを示す 「インフォメーションマーク」を設置するなどして、サインの顕在性を高めるよう努めます。 【案内サイン】  案内サインは,まちの構造を平面的に表す総合的な情報です。  一定の地域内での現在地を正確に把握し、目的地までの距離と方角を認識することを第一の目的として、 歩行動線の起点である駅前等や、動線の分岐点である主要交差点に設置します。 ●案内マップの種類(縮尺と範囲)  案内マップは下の3種を基本として、サイン施設に掲示します。  地域案内マップは、目的地までの経路上で、利用者が現在位置と移動経路を確認するために、 周辺の主要施設や主要道路がわかりやすく表記されたものとします。  周辺案内マップは、現在地から目的地まで、利用者が移動経路を確認するために、移動の手がかりとなる文化施設・ スポーツ施設・集会施設・史跡・名勝・宿泊施設・商業施設など利用者数が多く見込まれる施設を表記します。  広域案内マップは、総合案内サイン等で周辺都市との位置関係等を確認するため、必要に応じて地域の都市構造や 交通機関の路線網など、地勢・地名・道路・交通機関などを中心に表記します。 ・地域案内マップ(歩行圏を分かりやすく案内する) ・周辺案内マップ(縮尺1/1000〜5000[1〜2km四方]) ・広域案内マップ(縮尺1/5000〜20000[5〜10km四方]) ●案内マップの向き  案内マップは、サインに向かって前方を上として設置します。 ただし、縮尺の小さい広域案内マップでは、北を上として設置します。 【誘導サイン】  誘導サインは、矢印と誘導目的となる施設・地点名を組み合わせて表記し、利用者の移動方向を指示します。  誘導サイン施設は、誘導対象施設へ向かうルート上の主要な分岐点(交差点など)で、歩行者の円滑な移動を妨げない 位置に設置します。また、分岐点となる交差点付近で設置箇所が確保できない場合は、誘導対象施設への経路である 歩道上で十分なスペースを確保できる地点に設置します。  鉄道駅等の行動起点から、誘導対象施設の距離が長くなる場合は、できるだけ誘導サインを繰り返し設置することを 心がけます。 A施設形状 【案内サイン】 ●施設デザイン  案内サインは原則として独立板型の施設としますが、地区状況等により設置が困難な場合は、 壁掛け型等の案内サインを用います。  また、景観に配慮してサイン高さを抑えたい地点等においては、地図表示面を斜め上方に傾ける形状のサインを 設置することとなりますが、その場合は、利用者が無理な姿勢をせずに全面が確認できる形態にすることが重要です。 また、車いす使用者が地図面に接近して利用しやすいよう、地図面下方のゆとりやすき間を取るなどの配慮が必要です。  サインの顕在性を高めるため、施設表示面の分かりやすい場所にインフォメーションマークや、 現在地を示す地点名称等を表示する等の工夫が必要です。 【誘導サイン】 ●施設デザイン  サインのデザインは、効果的な情報伝達が可能であることを前提とし、景観と調和するシンプルなものとします。  また、サインの顕在性と連続性を高めるため、同一経路上にあるサインは統一したデザインとします。 表示面の分かりやすい場所に、インフォメーションマークを表示する等の配慮も必要です。 ●表示面の向きと高さ  矢羽根型誘導サインの表示面高さは、原則として路面から250p以上とします。  パネル型誘導サインの表示面高さは、路面から125pを中心に、最高高さ250p、最低高さ70pの範囲を原則とします。 3-4.表示内容基準 (1)案内マップに関すること @情報掲載基準 ■広域案内マップの情報掲載基準 ●図形表現について ・地勢名等  海、港湾は主要なものを表示する  河川、水路は主要のものを表示する  山・丘陵は標高100m以上を表示する  市町村界は行政界のみ表示する  町丁界は表示しない ・交通機関等  道路は高速道路、有料道路、国道、県道、その他主要な市道を表示する  橋梁は主要なものを表示する  鉄道は原則としてすべて表示する ・施設等  公園緑地は広域避難場所に指定されている公園を表示する  施設の建物形状は名称表記するものを全て表示する ●名称等表現について ・地勢名等  海、港湾は主要なものを名称表示する  河川、水路は主要なものを名称表示する  山、丘陵は表示しない ・地名  市町村は近隣市町村名を名称表示する  町丁目は表示しない  地区名(水島工業地帯、倉敷川畔美観地区)は名称表示する ・交通機関  道路は、高速道路、有料道路、国道を名称表示する  橋梁は、ランドマーク性の高い主要なもの(瀬戸大橋、水島大橋、新霞橋、川辺橋)を名称表示する  鉄道路線は原則として全て名称表示する  交鉄道駅は原則として全て名称表示する  至る表示は、次の駅、もしくは代表的な駅名を名称表示する ・公共施設  公園緑地は、水島緑地福田公園、水島中央公園、玉島の森運動公園、倉敷運動公園、中山運動公園、 酒津公園、児島地区公園をピクトグラム・マーク表示及び名称表示する  国、県の施設は、広く一般に利用され著名なもの、観光要素の強いものをピクトグラム・マーク表示及び名称表示する  市の施設は、広く一般に利用され著名なもの、観光要素の強いものをピクトグラム・マーク表示及び名称表示する  公益施設は原則としてピクトグラム・マーク表示及び名称表示しない  民間医療施設は原則としてピクトグラム・マーク表示及び名称表示しない  民間教育施設は主要な大学・短期大学などをピクトグラム・マーク表示及び名称表示する ・民間施設  広く一般に利用され著名なもの、観光要素の強いもの(観光コンベンションビューローと調整)はピクトグラム・マーク表示 及び名称表示する  大規模商業施設は原則として表示しない  宿泊施設は原則としてピクトグラム・マーク表示及び名称表示しない  金融機関は原則としてピクトグラム・マーク表示及び名称表示しない  寺社仏閣は広く一般に利用され著名なもの(観光コンベンションビューローと調整)をピクトグラム・マーク表示 及び名称表示する  その他広く一般に利用され著名な観光施設や地区(観光コンベンションビューローと調整)はピクトグラム・マーク表示 及び名称表示する ■周辺案内マップの情報掲載基準 ・地勢名等  海、港湾は主要なものを色彩表現及び名称表示する  河川、水路は主要なものを色彩表現及び名称表示する  山、丘陵は標高100m以上のもの、または観光要素があるものを色彩表現及び名称表示する ・地名について  市町村は名称表示する  町丁目は名称表示する  地区名は美観地区など特記すべき地区名、主要な商店街を名称表示する ・交通機関  道路は、高速道路、有料道路、国道、その他主要な市道を色彩表現し、国道のみピクトグラム・マーク表示、 主要道路のみ名称表示する  主要交差点、インターチェンジは地域で特に重要と考えられる交差点等を色彩表現(交差点は信号マーク表示)、 名称表示する  橋梁は主要河川にかかるものを色彩表現、名称表示する  鉄道路線は原則として全て色彩表現、ピクトグラム・マーク表示(踏切のみ)、名称表示する  鉄道駅は原則として全て色彩表現、ピクトグラム・マーク表示、名称表示する  至る表示は、次の駅、もしくは代表的な駅名を名称表示する  駐車場は公営駐車場、駐車場誘導案内システムの対象になっているものを色彩表現、ピクトグラム・マーク表示する  バス停はピクトグラム・マーク表示する  バスターミナル、タクシー乗り場はピクトグラム・マーク表示、名称表示する ・公共施設  公園緑地は近隣公園以上のものを色彩表現及び名称表示し、街区公園は地図縮尺により色彩表現する  公益避難所は全て色彩表現、ピクトグラム・マーク表示、名称表示する  国・県の施設は広く一般に利用されるもの(警察、郵便局、裁判所など)、観光要素が強いものなどを色彩表現、 ピクトグラム・マーク表示、名称表示する  市の施設は広く一般に利用されるもの(保育園は対象外)、観光要素が強いものなどを色彩表現、ピクトグラム・ マーク表示、名称表示する ・公共的施設  公益施設は電力、電話ガス関係施設などを色彩表現し、うち主要なものを名称表示する  郵便局は全て色彩表現、ピクトグラム・マーク表示し、うち主要なものを名称表示する  民間教育施設は小学校、高等学校、短期大学、大学(幼稚園は対象外)を色彩表現、名称表示する ・民間施設  文化・スポーツ施設は広く一般に利用される主要なものを色彩表現、名称表示し、全国統一ピクト等で対応可能なものは ピクトグラム・マーク表示する  福祉施設は広く一般に利用される主要なものを色彩表現、名称表示する  大規模商業施設は第一種大型小売店舗を色彩表現、ピクトグラム・マーク表示、名称表示する  宿泊施設は客室数50以上のものを色彩表現、ピクトグラム・マーク表示し、うちランドマークとなりうる主要施設を 名称表示する  金融機関は支店以上をピクトグラム・マーク表現する(外貨両替に関してピクト表示)  寺社仏閣は市指定以上の文化財をもつもので観光コンベンションビューローの案内図に掲載されているものを色彩表現、 ピクトグラム・マーク表示、名称表示する  その他観光拠点については、観光コンベンションビューローの観光情報等に掲載された施設を基準とするものを色彩表現、 名称表示し、全国統一ピクト等で対応可能なものをピクトグラム・マーク表示する ・移動円滑化  案内誘導サインは案内サインについてはすべてピクトグラム・マーク表示する  バリアフリー経路は特定経路・準特定経路を全て色彩表現する  公衆トイレは全てピクトグラム・マーク表示する  エレベーターは全てピクトグラム・マーク表示する  観光案内所は全て色彩表現、ピクトグラム・マーク表示する A凡例・方位・スケール ●凡例 凡例は原則4カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)で表示します。 ただし、多言語による表記は多くの表示スペースを要するため、凡例表示スペースが十分に確保出来ない場合は、 表示が繁雑にならないよう注意するとともに、文字サイズを縮小するのではなく、日本語と英語の2カ国語表記で 対応することとします。 ●方位 案内マップには、地図の向きを方位により指し示す方位記号を表示します。 方位記号は、北の方角を指し示す分かりやすいデザインとします。 ●スケール 案内マップには、地図の縮尺をしめすための移動距離の目安となるスケールを表示します。 スケールは、掲載情報の支障にならない表示面下部に配置し、地図の縮尺や表示内容に合わせ、 距離情報・色彩は適宜変更します。 B表示面以外の表示 サイン施設の見えやすい部分に、現在地の住所及び管理者名・連絡先を記載します。 また、通りの名称など、利用者にとって有効と考えられる位置情報については積極的に記載します。 (2)表記に関すること @日本語表記  表記内容を簡潔で読みやすいものとするために、施設名称は必要に応じて簡略化するものとします。 従来は正式名称の表記が一般的でしたが、現在では知名度の高い施設ほど簡略化する傾向にあります。 特に誘導サインに表示する場合を考慮すると、限られた表示面で十分に視認できる文字サイズを確保することが重要なため、 明確に理解される範囲内で部分的な省略を行うことが有効です。ただし、施設名称の簡略化にあたっては、 設置するサインの全てについて統一した表記とするとともに、配付資料として観光関連機関で作成される観光地図等との 表記と一貫性をもたせることが必要です。  また、数字の表記が必要なものは、混乱を避けるため一貫した表記を行います。  表記の具体例として倉敷市立美術館は市立美術館に、倉敷市立自然史博物館は自然史博物館に簡略化します。 A多言語表記 ●英文表記、ローマ字綴りの原則  施設名称等の英文表記は、固有名称についてはヘボン式で、普通名称については英語により表記します。 ただし、慣用上固有名詞と普通名詞に切り離せない場合は、普通名詞の部分も含めてローマ字による表記として、 必要に応じて英文を付記します。 1 長文を表す「ー」「^」、「h」等は特にこれを用いない。(大阪 Osaka) 2 はねる音を表す「ン」はnで表すが、m、b、pの前では、mを用いる。  (日本橋 Nihombashi) 3 はねる音を表すnに続く母音字およびyはハイフンによって切り離す。  (新尾頭 Shin-oto) 4 つまる音は、次にくる最初の子音字を重ねて表すが(吉根 Kikkon)、次にchが続く場合には、cを重ねずにtを用いる。 (仏地院 Butchiin) 5 表記が長く読みにくい場合はハイフン「−」で切る。 6 文の書き始め及び固有名詞は語頭を大文字で書く。なお固有名詞以外の名詞の語頭を大文字で書いてもよい。 但しハイフンの次にくる文字は小文字を用いる。 7 原則として英文は、表記対象となる各施設、又は関係機関と調整し、決めるものとする。 8 施設名称は原則として正式英訳によるが、英語による略語がある場合は(次頁表参照)それを使用してもよい。 (地図中が繁雑になる場合など) 9 企業名などで英文による略語が慣用化している場合はこれを用い、日本語の音や正式英語を使用しない。 (良い例:NTT、悪い例:エヌティーティー・NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE WEST CORPORATION) 3-5.ユニバーサルデザインへの配慮方針 (1)外国人来訪者への配慮  案内サインの凡例はできるだけ4カ国表示(日本語・英語・中国語・韓国語)を行うとともに、主要な名称には、 ローマ字を併記しますが、利用者の特性に応じて、英語以外の外国語の表記の追加を検討します。ただし、 多言語による表記は多くの表示スペースを要するため、表示が繁雑にならないように注意します。  また、ピクトグラムは世界共通の事象を示す記号として多くの人に理解されるものであるため、 サイン表示においては積極的に活用します。  誘導サインの矢印の使い方について、例えば日本では下向き矢印を「戻れ」あるいは「進行方向と逆方向」という意味に とらえることがありますが、外国では一般的に「下へおりる」「くぐる」といった場合に下向き矢印を使います。 同様に指示方向が折れた矢印(図)についても、誘導サインの表現としては誤解を招く可能性がありますので、 下向き矢印の使い方に留意しながら、できるだけ「←」「→」「↑」「↓」の4種類を用いるようにします。 (2)車いす使用者・歩行困難者への配慮  車いす使用者の視線に配慮したサイン表示面高さを設定することが重要ですが、利用者の視力が弱い場合や、 情報量の多い案内サイン等を見る場合も考慮し、その人が見やすい距離まで近づいて表示面を見ることができるように, 設置場所や周辺の環境、サイン施設形状への配慮が必要です。  車いす使用者が近づいて見る際に邪魔にならないように、サイン施設の周辺には植栽やゴミ箱、その他施設を 設置しないことが必要です。 特に商店街等に設置されたサインは、商品棚や可動型ベンチ等が周辺に置かれる場合が想定されるため、 地域住民や事業者に対してサインの重要性や来訪者への誘導案内意識の向上等について啓発を行う必要があります。  また、支柱型の標識の場合は、表示面が支柱から突き出すことにより、近づいて見る利用者との接触、歩行者の円滑な 移動の妨げになることも考えられるため、表示面の両端が突き出さない構造にする、設置箇所を十分検討するなどの 配慮が必要となります。 (3)視覚障害者への配慮  視覚障害者や高齢で視力が低下した人など,だれもが見やすくわかりやすいサインとするために、 文字やピクトグラムの大きさ、サインの設置高さ等に配慮するとともに、音声案内等視覚障害者に配慮した 機能の導入などを積極的に検討します。 点字や触地図、音声案内操作板等の高さは、1.0m以上1.4m程度までの間に設置します。  また、色彩に関しては色弱や色盲等の方々にも配慮し、色覚バリアフリーの視点から配色を設定します。 (4)バリアフリー情報の表示  倉敷市交通バリアフリー基本構想における特定経路、準特定経路のうち、主要な誘導ルートに設定されているものは、 バリアフリー経路としてできるだけ案内マップに表示することとします。  現状ではバリアフリー基準を満足できていないルートであっても、今後の整備事業等を勘案し、多様な障害を持った方々が おおむね移動できるルートであり、かつ健常者を含め相当数の人が訪れる主要施設等へのルートもバリアフリー経路として 表示することを検討します。  多機能トイレや車いす使用者が使用可能なエレベーター等のバリアフリー設備については、案内マップ上で設置箇所を すべてピクトグラムで表示することが必要です。 また、民間施設に設置された不特定多数の人が利用できるバリアフリー設備についても、できるだけすべての施設を 案内マップに表示することが望まれます。  特に身体障害者等の利用が可能なトイレについては、身体障害者用設備のピクトグラムと、施設利用時間制限等の情報を 併記することを検討します。 3-6.景観への配慮方針 (1)施設デザイン  サイン施設は、周辺のまちなみや景観を阻害しないデザインにすることとします。サインを設置する周辺の雰囲気や、 まちなみ景観になじむ色を基調カラーとして、統一感のあるサイン整備を行うことが重要です。  施設のデザインで地域らしさを表現する手法もありますが、地域特性はできるかぎりサインに表示する情報内容で 表現することとし、誘導案内に不要な造形や過度な装飾は避け、だれもが一目で認識できるように、 できるだけシンプルなデザインにします。 (2)サインの集約化  サイン設置箇所の有効利用や景観への配慮の観点から、誘導サインと案内サインが至近距離に設置される場合は、 できるだけサイン施設の集約を行います。個別の施設管理者が独自に誘導サインを設置している場合、 「情報掲載基準」で表示されるべき施設であれば、公共サインとしてその施設へ誘導するために適切な位置に設置された 誘導サインに、施設名表示を追加します。 基準外となる民間施設等の場合は、それぞれのサイン設置主体で連携して、サイン施設を集約することが望まれます。 (3)周辺事業者等への協力依頼  サイン施設の顕在性は、施設デザインだけでなくまちなみ景観によっても大きく影響されます。 サインの周辺に、サインの見え方を阻害するようなデザインや大きさの広告物等が設置されている場合、 サインの顕在性を確保するためには、サイン施設の形状やデザインそのものを変更しなければなりません。  サイン施設を含め、道路上に設置されている広告物や構造物については、まちなみ全体の景観を形成する重要な要素として、 景観に配慮した配置・設置計画が必要であるとともに、誘導ルート上でサインを隠したり見えにくくしたりするような障害物や、 広告物等のデザインについては、設置主体や管理者に改善のための協力を依頼する必要があります。 4.サインの活用方針 4-1.他のメディア・ツールとの連携  公共サインは、移動途中の現在地や目的地の方向・距離を示す位置案内情報、円滑な移動に必要な経路や地点等の 情報をはじめ、周辺の観光施設情報などを現地で提供する重要な情報発信ツールです。  公共サインを利用する人が、地図の見方やサインの基本的ルールを知っている場合、出発前や移動途中、目的地周辺で、 道路地図や観光マップ、インターネット等、他の様々な情報提供ツールからその人の目的にとって必要な情報を得ていればいるほど、 必要最低限の情報が必要な地点で提供されることで、大きな効果を発揮することができます。  そのため、様々な情報メディアやツールと連携し、役割を分担するとともに、情報の内容や表示基準について整合を図ることにより、 地域全体で観光情報や誘導案内情報を効率よく提供することに努めます。 ■来訪者が多く利用すると考えられる情報提供ツール等と、倉敷市公共サインガイドラインとの連携のありかた ○県・市・観光コンベンションビューロが作成する観光案内所の場合は観光情報の提供による連携 ○県・市・観光コンベンションビューロが作成するホームページの場合は施設名等の表記基準の統一、多言語表記の採用 ○県・市・観光コンベンションビューロ等が作成する観光客への配布を目的とした各種マップやパンフレットの場合は 施設名等の表記基準の統一、多言語表記の採用 ○商業・宿泊施設等への誘導案内のため民間が設置した看板類の場合はデザイン等表記基準への配慮、 ユニバーサルデザインへの配慮、誘導案内看板の集約等 ○市販されている観光情報誌の地図・道路地図の場合は情報の提供による連携 4-2.維持管理方針  利用者にとって分かりやすく、安全に移動できるためのまちづくりの道具としてサインが役立つためには、 設置されたサインの管理と継続的なメンテナンスが必要です。 あわせて永続的に地域内のサインがお互いの情報を補完しあい、利用者の移動円滑化を促すよう活用されるためには、 表示すべき内容やメンテナンスについて適切な管理が行えるよう統括した体制づくりが必要です。 (1)メンテナンス手法 【本体メンテナンス】 ○清掃  年に2〜3回程度、本体の清掃を行う ○保守・点検  本体の状況を以下のような項目によって点検し、適切な方法により対処する  ・ガタツキ(ボルトの締め付けの状況や、全体のゆがみ等のチェック)  ・破損状況(本体についた傷などの状態をチェック)  ・表面の状態(表面の錆や塗装部分の退色等をチェック)  保守および点検は清掃と同時に行う ○中期的に、地域全体の総点検を実施します。(参考資料:定期点検チェックシート参照) ○住民や周辺事業者等から維持管理に関する情報を得られるように、サイン本体に管理番号、管理主体名、 連絡先を記載します。 用語解説 (五十音順) 【インフォメーションマーク情報コーナー】(誘導機能や周辺案内機能を有した施設等)を示すピクトグラム。 ほぼ全世界共通で使われている。 【ガイドライン】ある物事に対する方針についての、大まかな指針や指標、ルールや基準などを明らかに示し、 それらを守った行動をするための具体的な方向性を示すもの。 【コントラスト】絵画や写真などの画像の、明暗の差や色彩の対比のこと。 【サインシステム】方向や位置、注意などを指し示すサインを体系的に配置すること。 駅や集客施設、観光地などでは、混乱を避け来訪者の行動を導くために、動線を配慮したサインシステムづくりが重要となる。 【サンセリフ系(書体の名称)】欧文書体の名称をあらわすもので、文字の線の端につけられる線・飾りのない書体の総称である。 旧来のセリフのついた活字書体(セリフ体・ローマン体とも呼ぶ)と区別するために用いられる。 「サン」とは、フランス語で「?のない」という意味で、「セリフのない書体」を表わしている。 【色覚バリアフリー】視覚情報を表示するにあたり、色盲、色弱(色覚障害)と称される、ある特定の配色が区別しにくい人々が 不便を感じないように、色づかいやデザイン等に配慮すること。カラーバリアフリーとも言う。 【情報メディア】情報の記録・伝達・保管のために用いられる物や装置。(広義では、ある情報が発信されてから、 受け手が情報を受け取るまでのあいだをつなぐ媒体)主にテレビ・ラジオ・雑誌・新聞・インターネットや携帯電話等を指すことが多い。 【デジタルフォント】元来フォントは「同じサイズで、書体デザインの同じ活字の一揃い」を意味する。 デジタルフォントはコンピュータ画面に表示したり、紙面に印刷したりするために利用できるようにした書体データのこと。 【ピクトグラム】「絵文字」「絵ことば」と呼ばれる図記号。何らかの情報や注意を示すために示される視覚表示の一つ。 「ピクト」と省略して呼ばれることもある。 【ノーマライゼーション】障害者と健常者がお互い特別に区別されることなく、社会生活を共にするのが正常なことであり、 本来の望ましい姿であるとする考え。また、それに向けた運動や施策など。 【マンセル表色系】色を数値的に表すための体系(表色系)の一種で、色彩を色の3属性(色相、明度、彩度)に基づき表現したもの。 日本では、JIS Z 8721(3属性による色の表示方法)として規格化されている。 【メンテナンス】施設やシステムが正常な機能を持ち続けるための保守・点検作業のこと。 【ユニバーサルデザイン】「すべての人のためのデザイン」を意味し、文化・言語の違い、年齢や障害の有無にかかわらず、 最初からできるだけ多くの人が利用可能であるように考えられた施設・製品・情報等のデザインのこと。 「UD」と省略して表記される場合もある。 【レイアウト】空間や平面に目的物の構成要素を配列すること。配列。配置。  特に印刷物等で文字・図版・色などを効果的に組み合わせること。また、その技術。 【CMYK値】CMYKは色の表現法の一種で、藍色(Cyan)、深紅色(Magenta)、黄色(Yellow)と色調(Key tone)から 頭文字1字を取ったもの。 一般的にカラー印刷を想定したデータ作成で使用される。