◆ 基本構想策定の目的 ● 交通バリアフリー法とは  我が国では、来るべき高齢社会に向けて、高齢者や身体障害者等だれもが自立した日常生活及び社会生活を営むことのできる社会を構築する必要があります。  このような中、公共交通機関を利用した移動の円滑化を確保するため、平成12年5月に「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(以下、交通バリアフリー*1法と示す)が制定されました。  交通バリアフリー法では、その意義として“高齢者、身体障害者等が自立した日常生活、社会生活を営むことができる社会を実現すること”、“すべての利用者にとって利用しやすい施設・設備の整備を推進”、“移動円滑化を進めるにあたっては、高齢者、身体障害者等の意見の反映が重要”の3点を掲げています。  また、2010年を目標に“駅、バスターミナル等の旅客施設、鉄道車両、バス及び周辺の道路、駅前広場、信号機等のバリアフリー化”、“市町村が作成する基本構想に基づいて、重点的かつ一体的なバリアフリー整備の推進”を目指し、公共の福祉を増進させることを目的としています。 ● 基本構想策定の目的  平成17年現在、本市の高齢化率は、18.8%であり、年々上昇傾向にあることから、高齢社会に備えて、すべての市民が移動しやすい社会を構築しておくことは、急務の課題となっています。また、市内には山陽新幹線、JR山陽本線、JR伯備線、JR瀬戸大橋線、水島臨海鉄道、井原鉄道の6路線21駅が位置し、路線バスとともに市民の重要な交通手段となっています。  これを受け、本市では、高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の利便性・安全性の向上を促進することを目的に、交通バリアフリー法に基づく「基本構想」を策定することとしました。この構想は、「倉敷市第五次総合計画後期基本計画」をはじめ、「倉敷市福祉のまちづくり条例」、「くらしき障害者福祉プラン」、「倉敷市高齢者保健福祉計画」等、既存の各種関連計画と整合をもたせながら、市民、公共交通事業者、道路管理者、公安委員会等に協力を得て策定し、整備を進める地域、実施すべき事業を明確に示すことで、効果的で実効性のある構想としています。  さらに、交通バリアフリー法の内容、精神を全市的に広げるとともに、バリアフリーにとどまらずユニバーサルデザイン*2によるまちづくりへと発展することを目指しています。 ◆ 策定の体制と手順  本構想の策定における検討体制は、図-1のとおり、学識経験者、高齢の方や身体に障害のある方々などの市民に加え、公共交通事業者(鉄道、バス等)、道路管理者、公安委員会からなる検討委員会を設置して検討を進めるとともに、多くの市民に参加いただき、現地点検やワークショップ*3を実施しました。  また、パブリックコメントの募集により、市民から広くご意見をいただくとともに、高齢の方や身体に障害のある方やなどが移動するうえでのバリア(障壁)を把握するために、アンケート調査も実施いたしました。