Findings

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日本とオーストリアの学校教育の違い

 私は将来先生になりたいと思っている。今大学でも、教員免許取得のための勉強をしている。そのため、オーストリアの学校の授業の様子に興味をもった。今回私はオーストリアで、小学校と高校の授業の様子を見学することができた。そこで、日本とオーストリアの学校教育の違いについて考えてみた。

小学校(1)

 小学校では7、8歳の子どもの英語の授業を見学した。机という形にこだわるのではなく、輪になってお互いの顔が見え、意見がいいやすい雰囲気作りを心掛けていた。また先生が英語の絵本を見せて、子どもたちに質問をなげかけることで、子供たちが次の内容を想像したり、自分の考えを言えるように配慮していた。先生は子供の主体的な考えを大事にしていると思われる。

小学校(2)

また高校の英語の授業では、自分の好きな広告の切り抜きを持ってきて、なぜその広告が好きなのか、自分の考えを英語で発表していた。その高校の授業でも、形にこだわるのではなく、自分の考えや意見を表現する能力を大事にしていると思われる。小学校の児童も高校の生徒たちも、自分の考えをしっかりもって、積極的に発表していた。

 一方日本の授業では、先生が繰り返し指導することで、子どもが授業内容を習得していく。机に座って、規律正しく授業を受けている印象がある。そのため先生からしたら、子どもの反応がよく見える。繰り返し指導することで、確実に子どもが身につけていくことはできるが、子どもの主体性には欠けるように思う。また、人の話を聞く態度は身に付いていると思うが、自分から積極的に意見を言うということに関しては、少ないように感じる。子どもたちは約束を守り、先生の言うことを素直に聞くことができる。しかし、指示があるまで動けない指示待ち人間が多いのではないだろうか。

高校

 今、日本の教育力は落ちているといわれている。その原因の一つに「ゆとり教育」があげられている。私が考えるには「ゆとり教育」もあると思うが、子どもたちが自分の考えを持って、はっきりと自分の意見を主張できないことにも問題があるのではないかと思う。人の話を集中して聞ける良さももったうえで、さらに、自分の意見を自己主張できる子どもを育てていくことが大切なように思う。そのためには、オーストリアの教育のような、子ども同士がグループで考える場や、絵を見てそこからいろいろに発想を広げていく経験など、自分の思いをはっきりと主張できる、自信をもった子どもを育てることが大切になってくる。