国内移入種について

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国内移入種について
 外来生物は、海外からやってくるものばかりではありません。
 もともとその地域に生息していないが人為的に持ち込まれた生き物も外来生物であり、『移入種』と呼ばれています。それらの生き物は、海外から移入した生き物と同じく、持ち込まれた地域の自然に悪い影響を及ぼすおそれがあります。
 国内移入種が持ち込まれる原因は、主に『ペットや園芸植物などの遺棄』『善意の放流』が考えられます。  

ペットや園芸植物の遺棄

 カメなど大きくなりすぎたり、家庭の事情などで飼えなくなったり、役に立たなくなって、ペットを野外に放したり捨てたりしてはいけません。
 また、園芸で使わなくなった不要な植物を環境美化のつもりで野外に植えたり、その種をまく場合も見受けられますが、これらの行為も行ってはいけません。
 この様に野外に放たれた動植物が自然の中で増え、もともとその地域に、生息・生育している野生の動植物に悪い影響を及ぼすことがあるためです。
 生き物には、カメの様に非常に長生きをするものや、大きく成長するものもあります。生き物を飼ったり、育てたりする場合は、将来のことをよく考え、責任をもって最後まで面倒をみましょう。
 


善意の放流

 環境美化のつもりで行われる河川やため池などへのコイの放流や、そこにいなくなってしまったメダカやホタルなど身近な生き物に再びふれ合いたいという思いから、他の地域から持ってくる『善意の放流』が行われることがあります。

 その場所にすむ生き物たちは、その環境に体や生活の仕方が合っていたり、その地域で起こりやすい病気や、その地域にいる天敵への対抗力を持つことなどから、今まで生き残っているのです。また、同じ種類の生き物でも、すむ場所により少しずつ異なる個性(遺伝子)を持つため、他の地域から持ち込んだものがその場所に合わせて生き続け、子孫を残し、いのちをつないでいくことができるかどうかわかりません。

 そのため、生き物たちの放流や移植を続けるたびに、結果として、死んでしまう生き物たちを増やしていくだけになるかもしれません。
 生き残った場合も、その場所にもともとすんでいる別の生き物を食べてしまったり、棲み家や食べ物を奪ったり、交雑を起こしてしまったりなど悪い影響を及ぼしてしまうかもしれません。他の地域の生き物を善意でも安易に野外に放つことは、慎んでください。
 また、生き物たちの放流、移植などについては、ガイドライン、指針等がいくつかの学会、団体より出されています。参考として、以下に示します。


植物生物多様性保全のための緑化植物の取り扱い方に関する提言(2002,日本緑化工学会)

魚生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン(2005,日本魚類学会)
ホタルホタル類等,生物集団の新規・追加移植および環境改変に関する指針(2007,全国ホタル研究会)


 

 倉敷市では、生物多様性の保全に対し影響の大きい外来生物について、調査、対策、啓発を進めるなど様々な施策を行っています。
 また、それら影響が大きいとされる生物でなくても、野生生物を自己の移動能力を越えて人為的に移動させることは、生態系や地域の生き物の遺伝的な特性、あるいは移植等の事後の環境に予期せぬ悪影響を及ぼす可能性があると考えています。
 このため、生態系の上位種の生き物はもちろん、それらのエサとなる生物類についても人為的な移殖を推奨していません。

 豊かな自然の象徴となる生き物たちの生息域が市内各地に広がることは、望むべきことですが、それらが生息できる環境が、市民と倉敷市に係わるみんなの協力によって広がり、それに従って自然に生き物たちと出会える場所と機会が増えていくことが望ましいことであると考えています。