
まちの活性化に取り組む「地域おこし協力隊」として神奈川県から高梁市に移住してきた長野エドウィンタケルさん。2015年に協力隊の任期を終えたあとも定住し、念願のカフェをオープンさせました。取り扱う食材は、地元の特産コンニャク。「旧川上町で食べた手作りコンニャクに衝撃を受けた。まさに僕が求めていたものだった」と強調します。
自家製のコンニャクイモを使い、コンニャクバーガーやコンニャクパフェなど、既存の枠にとらわれない発想で、新商品を開発しています。その発想は長野さんの生い立ちに由来しています。
日本人の父とコスタリカ人の母の間に生まれた長野さん。ハーフであることをきっかけに、国際交流への関心を深め、多文化共生の活動に参加するようになりました。その根底にあるのは枠にとらわれない考え方だそうです。「枠にとらわれると可能性が奪われる。枠を取り外せば可能性しか残らない」と長野さん。モデル、バーテンダー、タクシードライバー…これまでさまざまな職業を経験してきたのも、枠にとらわれない長野さんらしい生き方です。
店舗となる昭和初期の古民家を取得、改装する費用は、地域おこし協力隊の助成金を一部活用し、あとは自己負担。さすがに金銭面で苦労したようですが、仲間や家族の支えが大きかったそうです。長野さんは「地域おこし協力隊になって注目されたことで、一時は精神的なプレッシャーがあった。でも、知り合いがたくさん増え、起業するときに多くの人が心配し、サポートしてくれた」と振り返ります。
現在は、新たな仲間をサポートしようと高梁市の移住コンシェルジュとしても活動している長野さん。「高梁市のコンニャクを世界に広めたい」と大きな夢を抱き、これからも、まちのにぎわい作りに全力投球です。