「高梁川流域の起業人」第8回

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「高梁川流域の起業人」第8回

「高梁川流域の起業人」革工房マンリー 代表 定金潔司さん




 浅口市鴨方町で生まれ育った定金潔司さん。革製品との出会いは意外なきっかけでした。

 倉敷市の工業高校を卒業後、鉄工所に勤めていましたが、作業中事故に遭いました。「これからは趣味を充実させよう」と決意。大型バイクに乗りたいという憧れを叶え、そこに革製品との出会いがありました。「かっこよさに惹かれて」と定金さん。そこから革製品作りにのめりこみ、ついには仕事にしてしまいました。


 起業にあたって一番苦労したのが資金繰り。運転資金の融資は受けたものの、最初の頃は赤字決算の年もあり、支払い期日といった現実的な問題に直面しました。定金さんは「どう利益を出していくか改めて考えるようになった」と振り返ります。



 一方、開業に至る設備は、ローコストです。自宅横の工房には本格的な道具が並んでいますが、「運よく中古で手に入れたものばかり」(定金さん)。技術は習ったわけではなく、インターネットの動画サイトを見ながらの独学だそうです。小売販売はしておらず、オーダーメイドを中心としています。製品の特徴は、シンプルで、無駄の無いデザイン。長く愛用してもらいたいという定金さんの思いが込められています。



 起業してから新たに始めたのが、イベントの企画運営です。サラリーマンと違って時間の融通がきくのも起業家になってからの大きな変化でした。自治体などの補助金も一切もらわない手作りのイベントですが、定金さんは「仕事につなげるよりも、地域への恩返しという気持ちが大きい」と離します。

 革製品の評判は口コミで広がり、イベントを通じて人とのつながりも広がっている定金さん。新たにスタッフを雇うなど、事業規模は徐々に拡大しています。今後も新商品の開発を視野に力強く走り続けます。