平成5年度(第1回)建築文化賞受賞建築物
生活道路に面した建物の表情に人を誘い込む魅力があり、公共的な雰囲気を
思わすおおらかさがこの建物に備わっている。
日本的な三角屋根と切妻が表情をひきしめており、「倉」のイメージがとてもシン
プルであり、さわやかでデザイン的耐久力を感じる。
やわらかいグレーと茶のトーンのコントラストが、内面的な「用」をいっそう想像
させ建物の質を高めている。
植栽までセットバックし、囲いがなく敷地を意識させない配慮は、道路の公共空間
に負けない公共性を生み出している。
また、医院としての用途だけでなく2階のホールは地域開放とスポーツ教室での
交流の場になりつつある。
景観形成への貢献と、この交流の展開によってこれからの建築文化の創造を約束
してくれるであろう。
所在地 :倉敷市中畝8丁目122-24
建築主 :滝沢良彦
設計者 :(有)秋岡建築設計工房
施工者 :(株)鴻池組広島支店
概要 :レッスン場付診療所
鉄筋コンクリート造・地上2階
敷地面積 1,396.55m2
建築面積 353.49m2
延べ面積 457.60m2
完成時期:平成5年3月