コスタリカ通信Vol.4

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JICAシニア海外ボランティアとして、コスタリカで代替エネルギーや省エネ技術の指導をしている佐伯元(さえき はじむ)さんのレポートをお届けします。第4弾はJICAとボランティアとの関わりについての報告です。(2011年6月28日掲載)

2011年6月26日

佐伯元です。コスタリカ上陸後3ヵ月で生活にも慣れ、仕事もほぼ順調に進んでいます。今回はJICAとボランティアとの関わりにつき報告します。

1.ボランティア派遣決定まで

(1)ボランティアへの応募

毎年春と秋の2回募集があり、仕事の内容を見て希望者が応募する形です。私の場合は、再生可能エネルギーの要請がコスタリカとコロンビアからあり、コスタリカに決まりました。ボランティアには2種類あり、シニア海外ボランティア(シニアと略します)と青年海外協力隊員(若者と略します)があります。

事業仕分け等の影響で派遣人数が減ってきていますが、従来は年間で1000人近く(シニアはその約3割)の人が海外に派遣されてきました。シニアは40歳以上で、大半は私のように「一丁上がり」のおっさんです。若者の大半は20歳代で、女性が60%を占めています。

JICAがボランティアに期待するのは、一がやる気、二が技術・経験、三が体力、四が英語と言われています。一時試験は、履歴書と健康診断で、履歴書にやる気、技術・経験、体力、英語力をアピールし、2次試験は面接と英語の試験です。スペイン語を使うのに英語の試験をするのは、任国で英語のできる人がパートナーになるためです。私の年は平均10%の合格率で、かなりの激戦でした。

(2)派遣前訓練

駒ヶ根(長野県)と二本松(福島県)にあるJICA研修所で、65日間の訓練を受けます。3分の2が語学で、他はボランティアの役割、海外での安全・健康等の講義や実習です。私の場合はスペイン語の基礎知識がほとんどなかったので、週1回の休日も殆ど勉強でつぶれました。ここでのシニアや若者との交流は、私のように会社関係以外の付き合いがあまりない人間にとっては非常に新鮮でした。しかし、65日間一緒に頑張った仲間のうちの何人かが最終試験に合格できず、研修所を去ったのはとても辛かったです。

2.現地での生活

シニア、若者でかなり違います。

(1)シニア

技術と経験を期待され、多くは政府系の機関・大学等に派遣されます。住むところも都市部が多く、現在ではインターネットのできる所が多いです。住居はJICA指定の家(アパートが多い)に入り、住居費(電気、電話等を除く)はJICA負担です。コスタリカの場合、住居費以外でJICAから支給される生活費は約6万円/月です。これから電話代等を引くと、自由になるお金は5万円/月程度です。昔はこの何倍も支給されたようですが、「事業仕分け」がなくてもボランティアが国の税金で旅行できるほどお金をもらうのはおかしい気がします。乗り物と食事は安いので、贅沢しなければ問題はないと感じています。

(2)若者

パイナップル畑
パイナップル畑

大半は「村落開発普及員」という肩書で、日本では見られないような貧しい地域に派遣され、現地の生活レベル向上を支援しています。私も先日コスタリカの田舎(ニカラグア国境)に行き、そこのパイナップル畑の栄養指導をしている若者を訪問して、生活の一端を見てきました。電気や水道もない所で、貧しいながらも実に明るく生き生きと生活している人たちを見ると、「日本人はほんとに豊かになったのか?幸せになったのか?」という感じをもちました。ある20歳代の若者は「この人たちを見ていると頑張る力が湧いてきます」と言っていますが、彼らの大半はボランティア期間を終えて日本に帰ってから就職できなくて苦労すると聞くと、世の中はそう単純ではないと再認識させられます。
 

3.JICAの仕事
桜フェリア
桜フェリア

全体はよく分かりませんが、ボランティアとの接点からいろいろ窺い知ることができます。最近一番変わったのは、ODAの実施機能がJICAに移ったことです。ボランティアの中にもODA事業に関わる人がいますし、ボランティアの働きがきっかけでODAに結びつくこともあります。JICAの仕事で私たちがよく目にするのは、我々ボランティアの生活や仕事のフォロー以外に、ODA等で日本が支援している事業の評価、調整や、任国の人たちとの親善活動等です。私が来てからは国際親善の催しは先日の「桜フェリア」のみですが、東日本大震災直後の3月20日には震災被災者を支援する集会(日本大使館と共催)を開き、数千万円の義捐金が集まったそうです。コスタリカ人は貧しいですが、日本国民を尊敬している人が多いと言われています。私も彼らの信頼に応えて、いい働きをしたいと願っています。

 

<国際課より>
国際課では佐伯さんへの励ましのことばや質問をお待ちしております。メッセージは国際課がお預かりし、佐伯さんへ届けます。
倉敷市はコスタリカで奮闘中の佐伯さんを応援しています。