ヨルダン通信Vol.5

ヨルダン通信Vol.5

ヨルダン通信 タイトル



JICA青年海外協力隊として、ヨルダンで経済市場調査の活動をしている松本香織(まつもと かおり)さんのレポートをお届けします。第5弾はイスラム社会で最も神聖な月とされるラマダン(断食月)についてのレポートです。

マルハバ!

イスラム社会では、8月1日からラマダン(断食月)に入りました。今回はラマダンについて、お話しようと思います。

みなさん、ラマダンをご存知ですか?日の出前から日没まで、食べ物も水もたばこも何も口にしてはいけないという断食をする月です。イスラム教徒にとっては、義務とされており、病人や子どもを除いて、皆が行っています。

日没後、アザーン(イスラム教のお祈り)が聞こえると、神への感謝を口にし、食事を行います。日没後の食事はイフタールと呼ばれ、家族、一族で集まって食事を行います。ラマダンは、断食ということで苦行のように思えますが、イスラム教徒にとっては、神との距離を近く感じる非常に神聖な期間であり、周りの皆も「ラマダンはすばらしい」と言っています。確かに食事や水を飲めないのはつらいですが、信仰心やムスリムの連帯感が増し、皆ラマダンを喜んで、楽しんでいるように思います。私自身はムスリムではないのでもちろんラマダンの義務はないのですが、一日の大半をヨルダン人と過ごしていることもあり、なかなかできない体験だと思って、今年はヨルダン人と同じように断食(サーイメ)をしています。イフタールには多くの同僚や友人がいつも招待してくれ、一緒に日没後の時間を楽しんで過ごしています。

イフタールの様子

イフタールの様子

一族が集まり、男性と女性が別々に食事をしています

イフタールの食事例

イフタールの食事例

 

ラマダンは、日本でいうクリスマスやお正月に少し近い感覚かもしれません。家族や一族が集まってイフタールをし、電飾の飾りつけをする家も多く、ラマダン中にしか食べない料理やお菓子もあります。(正確には、ラマダン以外も食べることはありますが、例えばお雑煮のようにそれ以外の時期はあまり食べません。)

ラマダン中のお菓子(カターエフ)

ラマダン中のお菓子(カターエフ)

どら焼きのように見えますが、中はチーズやナッツです。まず、小麦粉を溶いて生地を作ってそれを焼き、その中にチーズやナッツをくるんで揚げます。最後に砂糖やシロップをかけて食べます。とてもおいしいです。1個10円くらいです。

ラマダン中の飾りつけ

ラマダン中の飾りつけ

 

ラマダン中は、日没後イフタールをしてから、人々は街に出かけ、友人を訪問し、活発に動き出します。そして、4時頃、朝のお祈りの前に軽い食事をして、眠りにつきます。したがって、夜と昼が逆転したような生活をしています。ラマダン中は勤務時間も短くなり、街の食堂も閉まっています。

ヨルダンは国民の約93%がムスリムですが、それ以外にキリスト教徒もいます。ラマダン中は、キリスト教徒であっても公衆で食事をしたり、水を飲んだりという行為がはばかられる時期です。また、酒類の提供や販売も一切禁止なので、お店も閉まっています。ムスリム以外の国民にとっては、ラマダンは少し過ごしにくい時期かもしれません。

ミニコラム 「ヨルダンは”涼しい?”」

夏休み、そしてラマダン中に、多くの湾岸諸国から人々が避暑のためヨルダンにやってきます。首都アンマンも気温が30度以上あるので、避暑というと私たちの感覚からするとちょっと違和感がありますが、気温が50度にもなる湾岸諸国の人々にとっては、ヨルダンは「涼しい」のです。

というわけで、夏の間、アンマンの家具つきアパートは多くの湾岸諸国の人々で埋まり、通りには彼らの車がたくさんあります。こんな感じです。

湾岸諸国から里帰り

 

もともとヨルダン出身で今は湾岸諸国で働いている人々も多く、この時期は彼らにとって里帰りの時期なのです。



<国際課より>
国際課では松本さんへの励ましのことばや質問をお待ちしております。メッセージは国際課がお預かりし、松本さんへ届けます。
倉敷市はヨルダンで奮闘中の松本さんを応援しています。