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コスタリカ通信Vol.18

コスタリカ通信Vol.18

コスタリカ通信 タイトル



JICAシニア海外ボランティアとして、コスタリカで代替エネルギーや省エネ技術の指導をしている佐伯元(さえき はじむ)さんのレポートをお届けします。第18弾はコスタリカでの日本語授業とTVスポーツ観戦、非武装中立についてお伝えします。(2012年8月24日掲載)

2012年8月21日

佐伯元です。

残暑お見舞い申し上げます。今年も日本の夏は暑いそうですね。最近は気候変動の影響で「残暑」と言われる期間も酷暑が続くようになりましたが、元気でお過ごしでしょうか?私は仕事の方は必ずしも順調とは言えませんが、元気にやっています。


1.セミナー実施

6月に第1回のキャンパス訪問をして以降毎月実施する計画でしたが、7月も8月も延期になりました。6月に実施したキャンパス訪問時のセミナーの反省会で、「学生が退屈していたから、少し内容を変更しよう」ということで、時間を1時間から40分に短縮し、難しい説明をやめて写真や図表を活用する等原稿をかなり改善しました。延期になり残念ですが、次の機会に生かしたいと思います。次のチャンスは、キャンパス訪問とは別に、我々再生可能エネルギー・グループが4月から計画してきた「再生可能エネルギー・フォーラム」です。学外からも講師を招き、9月27日に開催する予定です。私は講師の選考、依頼を少しお手伝いしただけですが、相棒が精力的に計画を進めポスター印刷までこぎつけました。私も日本の事例紹介を中心に30分のセミナーを行います。学外講師は大学・企業・環境エネルギー省等から4名が参加予定です。今回は自分たちが主催者ですので、依頼した講師が間違いなく来てくれるか、コーヒー・ブレークの用意がキチンとされるか等に気を配る必要があります。コスタリカで実施するフォーラムの舞台裏が経験できそうで楽しみです。(そんな呑気なこと言うてて、ええんかな?)

2.日本語授業参加

アラフエラから約10kmにあるナショナル大学(UNA)の日本語授業に参加しました。UNAで日本語教師をしている私の同期のボランティアから、「会話相手がいないので、会話の相手を兼ねて授業に参加しないか?」と誘われ、滅多にないチャンスなので出かけました。UNAは私の居るUTNに比べて、歴史も古く、キャンパスも立派で整然としていました。午前中(9時~11時30分)と午後(13時~15時30分)の授業に参加し、自己紹介の後、私の仕事、趣味、日本とコスタリカの違い等についてそれぞれ40分程度日本語で会話をしました。倉敷市役所から貰ったPR用のDVDやパンフレットを活用しました。「コスタリカは環境面で何が問題か?」という質問があったので、「自動車に依存しないで済む交通システム(鉄道復旧、自転車道整備等)を皆さんで作って欲しい」とお願いしました。後は授業を見学しましたが、日本語を外国人にどう教えるのかが分かり楽しかったです。一番印象に残ったのは、文法が私が学校で習ったのとは全く異なり、むしろ英語やスペイン語の文法を日本人に教える方法に似ていました。母国語と言語の仕組みが異なる外国語を習うには、やはり母国語の文法を習う方法では難しいということだと思います。学生達は楽しくやっていましたが、残念なのは日本語を習ってもなかなか使うチャンスがない(日本語が必要な仕事が少ない)こと、なかなかコスタリカ人の日本語教師が育たないことです。私がどの程度彼らの役に立ったか分かりませんが、私にとっては貴重な体験でした。(やっぱり語学は、コツコツ一歩一歩進むしかないんやな?)

UNAのキャンパス
UNAのキャンパス
日本語授業1
日本語授業
日本語授業2
日本語授業

3.TVスポーツ観戦

アパートではケーブルTVなので、100チャンネル位の番組を楽しむことができます。コスタリカの放送はもちろん世界各国の番組を見ることができます。USA制作の番組が多く、その大半はスペイン語です。(ラテン・アメリカ向け)英語、フランス語、ドイツ語、中国語放送もありますが、残念ながら日本語放送はありません。普段はスペイン語の勉強も兼ねて、「ナショナル・ジオグラフィック」や「ヒストリー」「CNNニュース」等を見ていますが、スポーツ専門チャンネルが数局あるのでスポーツ放送も楽しんでいます。通常はコスタリカを初め各国のサッカー・リーグの中継が中心ですが、特別のイベントがあればもちろんこれを優先します。UTNは7月の第1週が休みで、これがウィンブルドンの準々決勝~決勝戦の週にあたるためこの週はテニスの試合観戦を満喫できます。ウィンブルドンの14時(試合開始時間)がコスタリカの7時にあたるため、この週は朝食後の数時間TVに釘付けでした。また昨年7月はドイツのW杯女子サッカーがあり、今年はロンドン・オリンピックの放送を楽しみました。日本人選手はあまり登場しませんでしたが、世界トップ・クラスの選手の動きはやはり見て楽しく、スポーツは言葉の壁を越えて楽しめるものだと思います。オリンピックの放送はUSAの放送局経由で流れますが、国別メダルのランキングは「合計メダル獲得数」で決めていました。日本の多くのメディアは「金メダル数」で順位を決めていますが、こんなところにもその国の価値観が反映されるのでしょうか?(これで日本のスポーツ放送があったら言うことないんやけどな)


4.コスタリカの非武装中立

コスタリカが「軍隊のない国」というのはよく知られていますが、「世界で唯一の非武装中立国」というのはあまり知られていないかもしれません。私は若い時から「非武装中立」が国としての理想と思ってきましたので(友人からは「また夢みたいなこと言うてるわ」と言われますが)、興味を持って私の「夢」を実現しているこの国に来ました。コスタリカが「非武装中立」に至るまでには多くの人の血が流されたこと、貧しい国なので教育に金をかけるためには軍隊を持つ余裕がないという事情があること、50年以上の歴史を経て理念が国民に根付いていること等を知りました。軍隊のない国の素晴らしさを体験したので、再軍備するという考えを持つ人はいないと言われています。USAから援助を受けながらも属国にならず筋を通している(例えば、USAの軍隊を入れない、軍事同盟は結ばない)ところは、貧しい小国のしたたかさを感じます。学校では「問題が起きても力に頼らず対話と交渉で解決する」ことの大切さを学ぶので、コスタリカ人は武力衝突を好まない国民になるのだと言われています。反面、「闘争心が欠けている」という批判もありますが。何人かの人に聞きましたが、皆「武力衝突を避ける知恵と外交努力で乗り切って来た。最後は米州機構(キューバ以外殆どのアメリカ大陸諸国が加盟)に提訴するから軍隊はなくても大丈夫」と言います。日本とコスタリカの置かれている環境は違いますが、問題を抱えながらも夢を実現した国があることを知り心を強くしました。(日本に帰ってこの話をしたら、「夢みたいなこと言うな」て言われるやろな?)

  

<国際課より>
国際課では佐伯さんへの励ましのことばや質問をお待ちしております。メッセージは国際課がお預かりし、佐伯さんへ届けます。
倉敷市はコスタリカで奮闘中の佐伯さんを応援しています。