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コスタリカ通信Vol.22

コスタリカ通信Vol.22

コスタリカ通信 タイトル



JICAシニア海外ボランティアとして、コスタリカで代替エネルギーや省エネ技術の指導をしている佐伯元(さえき はじむ)さんのレポートをお届けします。第22弾は、御用納め,5Sと,環境先進国に関する考察をレポートします。(2012年12月25日掲載)

2012年12月21日

佐伯元です。

今年も残すところあと1週間余りになりました。衆議院総選挙が終わり、すぐクリスマス、年末という事で、慌ただしい日々を送っておられることと思います。コスタリカは雨季が明けて、クリスマスのシーズンを迎えています。私は昨年12月に日本に一時帰国しましたので、今回がおそらくコスタリカで迎える最初で最後のクリスマスと新年になると思います。

1.コスタリカの御用納め

(1)企業や大学の御用納め

UTNのクリスマス準備
UTNのクリスマス準備

UTNは12月20日が「御用納め」で、21日からクリスマス休暇に入りました。1ヶ月以上前からクリスマスの飾り付けは設置されています。クリスマス休暇は新年1月2日までの約2週間です。UTNは休暇が短い方で、ナショナル大学(UNA)は、12月から3ヶ月間休みになるそうです。コスタリカでは大学毎に学期が異なっています。UTNは、1~4月、5~8月、9~12月の3学期制で休みも短いですが、UNA等は2学期制で、3~6月及び8~11月で、休みは年間4ヶ月あるそうです。企業や官庁等も、12月22日から2週間程度のクリスマス休暇があります。例えばアラフエラ市役所は、12月22日から1月1日です。しかし、ごみ収集係等は、12月25日、31日及び1月1日以外は休まないそうです。銀行も同様、この3日間以外は営業するところが多いと聞きました。でも、クリスマスも元日も休まないという所もあります。それは、キリスト教の教会です。

(2)私の御用納め
11月16日に企業向けセミナーをやった後、延期になっていた「キャンパス訪問」を年内に実施すべく計画しましたが、成立しませんでした。12月に入るとUTNでは期末試験で学生(セミナーの大切なお客さん)が忙しいので実施は難しかったようです。来年に持越しせざるを得ません。再生可能エネルギーの技術文書作成は順調に進み、UTNから要請のあった内容は書き終えて20日までに提出し御用納めを迎えました。技術報告書は合計60報、A4で300ページを越しました。セミナー用プレゼンテーションも13編になりました。内容はともかく、量だけは稼ぎました。残りの期間は、特に要請がなければ、コスタリカやUTNに必要と思われる再生可能エネルギーの情報、技術等をまとめるつもりです。

2.コスタリカでの5S(ごエス/シンコ・エセ)
子どもの5S
子どもの5S

5S活動とは、整理・整頓・清掃・清潔・躾という5つのSを組み合わせた日本企業独特の管理手法です。1970年代私の新入社員の頃は、3Sしかありませんでした。海外で日本企業の生産性が高い要因の一つとして注目され、今は多くの日系企業で導入されています。コスタリカは日本企業があまりありませんが、JICAの研修を受けたコンサルタントが企業を指導しています。UTNにも数人コンサルタントがいて、今年は小学校に行って指導しました。先日、小学校の先生と生徒がUTNに来て発表会を行ないました。小学生達は「シンコ・エセ」の本当の意味は理解していないかもしれませんが、いろいろ工夫したら教室や運動場が見違える程きれいになり、喜んでいるのを見て嬉しくなりました。掃除の道具が見事に整頓され、運動場にきれいな花壇ができて見違えるようになりました。

日本の小学校で5S活動をやっている所があるかどうか知りませんが、日本でも子どもの教育として有効かも知れません。企業のように生産性向上に繋がらなくても、皆で力を合わせ、工夫しながら自分達の環境が改善できれば素晴らしいと思います。まず身の回りの整理・整頓から始めるこの運動がコスタリカに広まり、大人も見習ってくれればこの国も更に魅力的な国になるのではないかと思います。

3.コスタリカは環境先進国か?

コスタリカは世界有数の自然の豊かな国であり、生物多様性の豊かさを武器に「エコツアー」で外国から観光客を集めています。生物多様性で世界一とはいいませんが、アメリカでは一番(世界中の生物の約5%がコスタリカに生息)と言われています。「中米のスイス(観光立国と中立国の共通点)」という宣伝もしています。また2008年に世界で初めて「2021年までにカーボン・ニュートラル(温室効果ガス実質排出量ゼロ)達成」を宣言し、BBC等でも大きく取り上げられました。コスタリカは対外的PRのうまい国なので、これらの情報から「環境先進国」というイメージでとらえる人もいますが、現地に住むと違う側面も多いことが分かります。

ごみの分別収集
ごみの分別収集

例えば観光地にはごみはありませんが、町ではごみを道に捨てる人が多いし、廃棄物処理場や焼却場もほとんどなく、ほぼ全量埋め立てするのが現状です。JICA等の指導でやっと廃棄物処理場建設や分別収集、資源の活用等に取り組み始めたところです。自動車の排ガスは見た感じは20年以上前の日本のように色と匂いがついています。法律では、「ごみは分別収集」「資源は再使用等有効活用」「自動車の排気ガスのNOx規制」等先進国並みの基準を定めていますが、実態はかなり遅れています。金や人材が伴わないということのようです。

「カーボン・ニュートラル」のように立派なことを宣言しても実現しないのを批判する人も多いですが、私は国として「あるべき姿」を国民や世界に発信し、目標に向けて少しずつでも進歩しているのは評価できると思います。将来的には、コスタリカらしい環境先進国になることを期待しています。




今年1年、「コスタリカ通信」をご愛読戴きありがとうございました。どうぞ、良いお年をお迎え下さい。

UTNの年賀状

 

<国際課より>
国際課では佐伯さんへの励ましのことばや質問をお待ちしております。メッセージは国際課がお預かりし、佐伯さんへ届けます。
倉敷市はコスタリカで奮闘中の佐伯さんを応援しています。