【事例】
リサイクル業者を名乗る女性から電話があり,「不要品はありませんか。私の給料に関わるので,古着1枚でもいいので,何とかお願いします」と懇願され,親切心で来訪を承諾した。後日,こわもての男性が訪ねてきて,玄関に入るなり座り込んだ。古着を何点か出したら,「宝石とセットでないと買い取れない」と言われ,宝石はないと断ったが,なかなか帰らないので,困って金のイヤリングを出したら500円で買い取られてしまった。娘に相談したら安過ぎると言われたので,品物を取り戻したい。
【アドバイス】
古着などの不要品を買い取ると言いながら,結局は貴金属や和服などを相場より安く強引に買い取っていく商法を「押し買い」といいます。押し買いは,特定商取引に関する法律により,契約書を受け取った日から8日以内に書面で通知すれば,クーリングオフができます。品物を業者に渡した場合でも,解約・返品を求めることができます。市内でも,押し買いの被害が発生しています。被害に遭わないために,次のことに注意しましょう。
●買い取ってもらうつもりがないなら,きっぱりと断る
●業者に買い取りを依頼するときは,一人で対応しない
●退去するように言っても居座ったり,品物を出すよう強く迫られたりして,怖いと思ったら,警察を呼ぶ
●契約する前に,業者名・所在地・電話番号だけでなく,古物商許可証を提示してもらい,内容を書き留めておく
●契約内容が記載された書面をもらい,買い取り価格の計算根拠や,買い取り条件を確認する