昭和20年以降、戦後日本の美術は、急速に発達していった情報通信網により、全世界の新しい動向を瞬く間に吸収していきました。従来の常識では美術の範疇に入れがたい作品が次々に現れ、絵画・彫刻といった形式そのものが問い直されました。岡山ゆかりの工藤哲巳や岡崎和郎らの仕事のようにジャンルを超えた新しい表現や、木をひたすら削るという行為とその成果品を美術品として示す寺田武弘の「変位3」といったエネルギッシュな作品も生まれます。反面、「もはや戦後ではない」と謳われた昭和30年代、日本は高度経済成長を遂げていく一方で、貧富の格差といった社会的な問題も起こります。岡山市に生まれた齋藤國雄は、当時のこうした歪をテーマに作品を描きました。
このたびの展示は、戦後のさまざまな表現に焦点を当てて、美術の多彩なあり方をご紹介します。
●担当学芸員によるギャラリートーク
終了しました。
日時:4月14日(土)、5月20日(日) 14時~(約30分間)
場所:美術館2階 第3展示室
※当日の観覧券が必要です