G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム

G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム

G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム宣言として取りまとめました

G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム宣言(PDF)

G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム宣言

Ⅰ 前文

令和5年4月22日・23日のG7倉敷労働雇用大臣会合に先立って開催した、本日の記念シンポジウムにおいて、2019年ノーベル化学賞受賞者である旭化成(株)名誉フェローの吉野彰博士による「リチウムイオン電池が拓く未来社会」と題した基調講演や、大原記念労働科学研究所の濱野潤理事長による「倉敷で生まれた労働科学」と題した特別講演、地域の労使団体や有識者による「持続可能で働きがいのある社会を目指して」というテーマでのパネルディスカッション、学生による探究学習「働くあなたを食で応援」プロジェクトの成果発表を行い、さまざまな角度からこれからの社会のありかたや労働雇用について議論を行った。その成果を、ここに「G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム宣言」としてとりまとめる。

Ⅱ 倉敷のまちの歴史

倉敷近辺は、かつて「吉備の穴海」と呼ばれる入り海であった。これが、高梁川の沖積作用により徐々に浅くなっていき、その後、江戸時代から始まった干拓によって陸地となった。そのため、塩分の多い土壌に適した綿やイ草などが盛んに栽培され、現在につながる繊維産業の礎が築かれた。同時に倉敷は、高梁川や瀬戸内海の水運においても、物資の集積地や寄港地として重要な役割を果たしてきた。さらに戦後には、多くのオンリーワン・ナンバーワン企業が生まれたほか、河口の港湾機能を活かした国内有数の水島工業地帯の形成にもつながった。このように、倉敷は「ものづくりのまち」として発展してきた歴史がある。

また倉敷では、早くから労働環境の改善が取り組まれてきた。日本の近代産業化に伴って創業された倉敷紡績所(現 クラボウ)では、労働者のために外壁にツタを植生し、工場内部の温度上昇を抑えたほか、寄宿舎や病院、保育所の整備も早くから進められた。特に1921年には、紡績工場内に倉敷労働科学研究所が設立され、労働と生活並びにそれらをめぐる諸環境について、科学的観点から産業社会の健全な発展に役立てようとする視点を全国に先駆けて育んできた。

そして1954年には、高梁川の恵みを受ける当時の88自治体が連携して「高梁川流域連盟」を設立し、高梁川を強力な、(紐帯(ちゅうたい)、流域の共同社会全体の運命的共有物ととらえ、相互理解・親和協力につながる文化と経済の交流などを進めてきた。これは2015年に、国連サミットにおいてSDGsの取組みが採択される60年も前から先駆けて取り組んできているものである。

SDGsを見据えて社会生活の重要な基盤となる労働と雇用の諸課題を議論するにあたり、ここ倉敷はその舞台となるにふさわしい歴史を持っている。

Ⅲ これからの社会のありかたと労働・雇用

これからの時代は、生産年齢人口の鈍化・減少がすすみ、AI・IoT(モノのインターネット化)の普及等によるDX(デジタル・トランスフォーメーション)、カーボンニュートラルなど、社会の大きな構造変化が進んでいく時代である。

そもそも、労働雇用は社会の基盤である。そのため、働く人・企業・地域のそれぞれがこうした社会の大きな構造変化に対応し、共に変革を遂げ、社会を持続可能なものにしていくことが重要である。

そして、持続可能な社会の実現は、若い人たちが活躍できる絶好の機会でもある。将来を担う若い人たちに「ここ倉敷で働きたい」「倉敷でチャレンジしたい」と選んでもらえるようにするためには、倉敷という地域が暮らしやすく、魅力的で豊かであること、倉敷に誇りと愛着を持てること、若い人たちの挑戦を応援する機運の醸成が大切となる。

社会のありかたが大きく変わっていく中でも、倉敷の歴史を受け継ぎ、よりよい未来に向けて、労働と雇用が一体となって持続可能な発展(SDGs)を遂げていくために、私たちは、ここに以下の通り共に行動していくことを宣言する。

宣言

  1. 倉敷で産業、経済活動の更なる活性化と働く場を創造し、生活基盤を充実させていく
  2. 年齢や性別、障がいなどの有無に関係なく、倉敷でいきいきと働き、暮らすことができる職場やまちを共につくり上げる
  3. 東京一極集中を是正し、倉敷が生活、労働雇用、経済活動の拠点として発展していくために、働く人・企業・地域・行政がそれぞれの立場で環境改善や魅力向上に取り組む
  4. DX(デジタル・トランスフォーメーション)や新技術の登場といった変化に、働く人として、また企業として適応していくために、必要なデジタルスキル等を身に付ける「人への投資」を加速させ、倉敷からチャレンジしていく
  5. 倉敷で、教育から労働雇用への接続がよりスムーズで強固なものとなるように、学校教育と労働雇用の現場、そして地域が連携して、働くことの意義や価値について子どもの頃から考えを深めていける機会を提供する
  6. 倉敷での普段の生活や職場において、健康で明るく過ごせるように、食や運動、教養活動等を通じて心身の健康を維持向上できるように取り組む
  7. さまざまな機会を通じて、倉敷の歴史や文化等への理解を深め、個性と魅力を再発見し、地元愛やシビックプライドをさらに高めていく
  8. 世界や社会で起きている変化を見つめつつ、G7倉敷労働雇用大臣会合の開催を契機として、働く人や企業、そして若い人たちが「変革に向けた挑戦の一歩」を踏み出すことを応援し、その挑戦をここ倉敷から世界へ発信していく風土をつくり上げる

令和5年3月30日

G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム参加者一同

倉敷市民会館にて

 

G7倉敷労働雇用大臣会合開催記念シンポジウム

 脱炭素化やデジタル化の推進など大きな構造変化の時代を迎える中、市と大原記念労働科学研究所が連携して、これからの持続可能で働きがいのある社会づくりなどをテーマにしたシンポジウムを開催します。

日時

3月30日(木曜日)13時30分~16時30分
※開場12時30分

場所

倉敷市民会館

内容

リチウムイオン電池の発明により、2019年にノーベル化学賞を受賞された吉野彰博士による基調講演や、労働雇用について考えるパネルディスカッション、学生による探究学習「働くあなたを食で応援」プロジェクトの成果発表などを予定しています。

吉野彰氏の写真チラシ(PDF)はこちら
©旭化成(株)

プログラム

 13時40分

基調講演「リチウム電池が拓く未来社会」

吉野彰氏(2019年ノーベル化学賞受賞:旭化成(株)名誉フェロー)

 14時30分  
特別講演「倉敷で生まれた労働科学」濱野潤氏(大原記念労働科学研究所理事長)
 15時00分  
パネルディスカッション「働く人のためのサステナビリティ」
  • パネリスト
    • 中島基善氏(岡山県経済団体連絡協議会座長)
    • 森信之氏(連合岡山会長)
    • 大原あかね氏(大原美術館理事長)
    • 土倉佳奈氏(倉敷青年会議所理事長)
  • コーディネーター
    • 坂本恒夫氏(大原記念労働科学研究所所長)
 16時05分
学生による「働くあなたを食で応援」プロジェクト 成果発表

対象

県内在住・通勤・通学の人 

定員

1,900人
※先着順。下記「申込方法」より事前の参加申込が必要です。

参加費

無料

申込方法

倉敷市電子申請から申し込んでください。

※好評につき、申込締切日前に受付終了となる場合があります。予め、ご了承ください。

ご来場の皆様へ注意事項とご協力のお願い

  • 適切なマスクの正しい着用をお願いします。※厚生労働省ホームページ「マスクの着用について」参照
  • こまめな手洗・手指消毒をお願いします。
  • 発熱など体調が優れない場合は、イベント参加の自粛をお願いします。
  • 会場内での撮影、録画、録音はお断りさせていただきます。
  • 市民会館駐車場(有料)には限りがあります。近隣駐車場もしくは公共交通機関のご利用にご協力ください。
G7倉敷労働雇用大臣会合推進室
〒710-8565  岡山県倉敷市西中新田640番地 【TEL】 086-426-3244  【FAX】 086-426-3288  【E-Mail】 lab-smt@city.kurashiki.okayama.jp