船穂地区の水田を対象に、平成27年産米の生産のための「田植え」から「稲刈り」後まで、季節の移ろいにより装いを変える水田風景と稲(朝日とアケボノの2銘柄)の生育状況を、農家の方からご協力をいただき調査記録していきます。

第1回調査(水田風景)の実施について
調査(撮影)日:平成27年6月12日(金曜日) 夕方
次の(A)と(B)は、鳥向(とりむかい)地区の水田の耕作状況です。この北部の山陽新幹線と南部の山陽本線に挟まれた一帯は、船穂支所管内で最大の田園地帯です。
(A)は水田に水を入れた段階であり、その後「代掻き(しろかき)」作業を終えると(B)のようになります。
(A)「代掻き」前 (B)「代掻き」後
鳥向地区 鳥向地区
続いて、(C)は長崎(ながさき)地区で、八人山踏切付近から玉島長尾方面を望みます。写真正面は山陽新幹線で左側には山陽本線があります。この長崎地区方面には、早くも「田植え」を終えている水田が見受けられます。(A)と(B)の鳥向地区から続く田園地帯が広がっています。
(C)「代掻き」後(一部「田植え」済み) 長崎地区

次の(D)と(E)は、中新田(なかしんでん)地区の水田の様子です。正面奥にある国道2号線と高梁川堤防下の集落で区切られた田園地帯です。
大部分の「田」は、(D)のように、田に水を入れただけで、「代掻き」作業前ですが、作業の早い田は、(E)のように「代掻き」作業を終えています。(E)は、翌日には「田植え」ができそうです。水を張った水田に夕陽が映えます。
(D)「代掻き」前 (E)「代掻き」後
中新田地区 中新田地区
第2回調査(水田風景)の実施について
調査(撮影)日:平成27年6月17日(水曜日) 夕方
次の(F)は鳥向地区、(G)は長崎地区で八人山踏切付近から東西に広がる田園地帯です。前回調査時から数日しか経っていませんが、その後一斉に「田植え」が始まり、今日の時点でこの付近の「田植え」がほぼ終わっていました。
(F)「田植え」完了 (G)「田植え」完了
鳥向地区 長崎地区
(H)と(I)は中新田地区の水田の様子です。(F)と(G)の鳥向・長崎地区からおよそ5日ほど遅れて、「代掻き」作業を終えています。
(H)「代掻き」後 (I)「代掻き」後
中新田地区 中新田地区
第3回調査(水田風景)の実施について
調査(撮影)日:平成27年6月29日(月曜日) 昼
色彩豊かな青と緑のコントラストが美しいですね。これから日を追うごとに稲は成長していきます。
(J)「田植え」後1~2週間 (K)「田植え」後2週間
鳥向地区 長崎地区
次の(L)は中新田地区の様子です。概ね「田植え」が終了し、あと数枚を残すのみとなりました。
(L)「田植え」後1週間
中新田地区
中新田地区は、次の(M)と(N)にみられるように、集落と隣接して水田地帯が広がっています。概ね集落と水田地帯が、道路を境に分かれています。
(M)「田植え」後1週間 (N)「田植え」後1週間
集落に隣接する水田地帯その1 集落に隣接する水田地帯その2
中新田地区 (北方面を撮影) 中新田地区(南方面を撮影)
第4回調査(水田風景と稲の生育状況)の実施について
調査(撮影)日:平成27年7月3日(金曜日) 夕方
田植え後、半月が経過し、水田の緑が濃くなってきました。
船穂地域の水田を見渡せば、今年の「田植え」は終了していました。
(水田風景)
(O)「田植え」後2週間 (P)「田植え」後3週間
鳥向地区 長崎地区
(稲の生育状況)
今月から、中新田地区の耕作者の方からご了解をいただいた水田2筆について、それぞれ計測標を設置し、朝日とアケボノの2銘柄について、稲の生育状況調査を開始します。
(1)作付銘柄:朝日
「田植え」の日:平成27年6月16日(
↓「田植え」後2週間)
丈がやっと25cmくらいに成長しました。
(2)作付銘柄:アケボノ
「田植え」の日:平成27年7月1日(↓「田植え」直後)
「田植え」をしたばかりで、丈はやっと10cmくらいです。
第5回調査(水田風景と稲の生育状況)の実施について
調査(撮影)日:平成27年7月9日(木曜日) 夕方
「田植え」後の苗は、しっかり大地に根を下ろしたようです。
(水田風景)
(O)「田植え」後3週間 (P)「田植え」後1か月
鳥向地区 長崎地区
(稲の生育状況)
前回に続き、稲の生育状況を調査しています。
(1)作付銘柄:朝日
「田植え」の日:平成27年6月16日(
↓「田植え」後3週間)
あっという間に丈が40cmちかくに成長しました。
(2)作付銘柄:アケボノ
「田植え」の日:平成27年7月1日(
↓「田植え」後1週間)
「田植え」をして1週間程度では、さほど丈は変わらず10cm前後です。
第6回調査(水田風景と稲の生育状況)の実施について
調査(撮影)日:平成27年7月14日(火曜日) 昼
すっかり緑の絨毯に模様替わりしています。
(水田風景)
(O)「田植え」後 1か月 (P)「田植え」後5週間
鳥向地区 長崎地区
(稲の生育状況)
前回に続き、稲の生育状況を調査しています。
(1)作付銘柄:朝日
「田植え」の日:平成27年6月16日(
↓「田植え」後1か月)
さらに成長し丈は50cmちかくになりました。
(2)作付銘柄:アケボノ
「田植え」の日:平成27年7月1日(
↓「田植え」後2週間)
「田植え」をして2週間になります。丈は20cmほどに成長しました。
ここでは、水稲の「出穂」状況について調査した結果をご紹介しております。どのように穂が出て開化していくかに焦点をあてて調査しました。
1 調査銘柄: 次の2銘柄
(1)朝日
(2)アケボノ
2 調査期間:平成27年9月4日(金曜日)から9月11日(金曜日)
3 調査水田:本調査で生育状況を計測している水田
(1)作付銘柄:朝日
「田植え」の日 平成27年6月16日
「朝日」の出穂の状況を記録しました。米の開花状況を観察できます。稲の茎から穂が出はじめ(参照 調査1)、成育を続け(参照 調査2)、花が咲いて「穂ぞろい期(参照 調査3・4))」を迎えました。
(調査1)9月4日(金曜日) (調査2)9月7日(月曜日)
「出穂」の日を迎えました。 至るところで「出穂」
がみられます。
(調査3)9月8日(火曜日) (調査4)9月11日(金曜日)
調査水田のほぼ全域で「穂ぞ 稲の丈は90cmを越えて、計測
ろい期」を迎え、米の花が咲 標が隠れそうです。
いています。 ↓
(2)作付銘柄:アケボノ
「田植え」の日 平成27年7月1日
「アケボノ」の出穂状況を記録しています。アケボノは「田植え」の時期が遅かったせいか、なかなか「出穂」を確認できません(参照 調査5・6)。
(調査5)9月8日(火曜日) (調査6)9月9日(水曜日)
「出穂」はなかなか確認できませんが、稲は確実に生育しています。
(調査7)
9月11日(金曜日)
ついに、一部で「出穂」そして
「開花」している稲を見つけま
した。小さな白い花が咲いてい
ます。
よく注意しておかないと見落と
してしまいそうですね。
ここでは、水稲耕作により、水田や水路が育む生態系について、調査した結果をご紹介いたします。
岡山県は全国的にも生息する淡水魚の種類が多いことで有名ですが、私達のすむまちもまた、高梁川から引いた農業用水路がひろがり、そこで多様な生物を観察することができます。船穂町地区は「清流と淡水魚のまち」として知られてきました。
水稲耕作を営むために必要となる農業用水路等は、実に多くの生き物に「すみか」を提供しており、多様な生態系を育むうえで、地域における水田農業の果たす役割が非常に大きいことを感じさせられます。
第1回調査の実施について
調査日(撮影日):平成27年7月14日 火曜日 昼
水田へと続く用水路の水中のイメージです。
メダカ、エビ、ザリガニ、カワニナなどを観察することができました。私達の足元を流れる農業用水路には、このように豊かな生態系が広がっているのです。ご存知でしたか?
(注)撮影後は、捕獲した場所に放流しており、場所については非公開とさせていただきますがご了承ください。
第2回調査の実施について
調査日(撮影日):平成27年9月2日 水曜日 朝
農業用水路から水田に水が入るところに、小魚の群れをみかけました。
メダカ、ドジョウ、フナの稚魚などが集っています。
比較的、流れがゆるやかな浅い場所でよくみかけられます。
第3回調査の実施について
調査日(撮影日):平成27年10月10日 土曜日 夜
今回は、暗くなってから、農業用水路を観察してみました。昼間の魚たちはどうしているでしょうか。
川底にくっついている魚にお気づきいただけるでしょうか。注意してみないと見落としてしまいそうです。


小魚の他に、カメも、のそのそと動いていました。

水路の流れが緩やかな所でじっとしている小魚
これから寒くなると深場に移動してしまいます。
ここでは、災害時における用水路及び水田の果たす役割について、ご紹介したいと思います。
第1回調査の実施について
調査日(撮影日):平成27年7月17日 昼 (台風11号 倉敷市上陸)
次の(1)から(3)までの撮影記録は、同じ日の同じ時刻における農業用水路の様子です。
(1)は高梁川西岸用水で、田植え期前後には灌漑用に多くの水を湛え、市街地を縦断する船穂支所管内最大の農業用水路です。対して(2)と(3)の農業用水路は直接、水田に到達するまでの支線(支流)になります。
台風等の災害時には、大量の雨水の受け皿として、防災上の機能を果たすことになります。
水位に着目すると、(1)は他の(2)と(3)と比べて、水位が低いのがお分かりいただけると思います。
市街地を流れる水路の水位を下げる調整をおこなう一方で、その分を水田地帯へ続く支線の農業用水路に振り分けることで、市街地民家の床下浸水等を防ぐうえで、一定の効果を果たしています。
また、近年多いゲリラ豪雨があった場合でも、水田や水路がその雨水の受け皿として一定の防災機能を果たすことになることでしょう。
(1)高梁川西岸用水路の状況

(2)水田及び農業用水路の様子 その1

(3)水田及び農業用水路の様子 その2