近年、急速に普及するIHクッキングヒーターは、火を使わないため、火災の危険が少なく、安全性が高い調理器具です。しかし、使用方法を間違えれば火災が発生する危険があります。水島消防署管内でも、平成29年度に2件のIHクッキングヒーターからの発火事案が起き、あわや大惨事になるところでした。
IHクッキングヒーターの特徴
IHクッキングヒーターの特徴の一つに、加熱が容易ということが挙げられます。プレートの下には渦巻き状のコイルが内蔵され、そのコイルから2万HZ以上の電流を流します。
IHは火力が強いので加速的に温度が上がります。そのため、様々な安全機能が搭載されています。メーカーの仕様により異なりますが、例えば、過熱防止機能、揚げ物鍋そり検知機能、鍋なし自動停止機能などがあります。
安全機能があるのになぜ火災?
・IHクッキングヒーター対応の鍋を使用していなかった。
・鍋底が平らではない鍋を使用していた。
・トッププレートに汚れが付着していた。
・汚れ防止カバー、マットを敷いていた。
・鍋の位置が中心からずれていた。
上記のように、トッププレートと鍋底が直接接地していなければ、温度センサーに鍋内の油の温度が伝わりにくく、正確に検知することができません。
・揚げ物時に、手動火力モードで加熱していた。
・油量が少なかった。
上記のように、油の量が規定より少ないと、必要以上に加熱されてしまい、加えてIHは火力が強いので、加速的に温度が上がり、油の発火温度に達することがあります。
これらの要因が重なると、温度センサーが正確に鍋底の温度を検知せず、油の発火温度まですばやく上昇することを意味します。
火災にならないための注意事項!!
●IH機器対応の鍋、鍋底が平らな鍋を使用しましょう。
対応していない鍋や鍋底に変形がある鍋を使用すると温度センサーが反応しないことがあります。
●揚げ物をするときは、揚げ物モードで調理しましょう。
油の温度を一定に保つことができます。
●油を規定量の範囲で使用する。
規定より少ない油量で加熱すると、油の温度が急速に上がり、温度センサーが十分に機能しないことがあります。
●取扱い説明書をよく読み、正しく使用しましょう。
● 調理中はその場を離れないようしましょう。
IHクッキングヒーターだけではなく、火を扱わない電化製品は炎が見えないため、火災の危険性を忘れてしまいがちです。
「火を扱う器具」だけが火災になるのではなく、「熱を扱う器具」にも火災の危険性があるということを忘れないようにしてください。