自然保護監視員だより(2025年7月~)

ページ番号1022385  更新日 2025年12月12日

印刷大きな文字で印刷

2025年12月10日 水島港内の海の状況

2023年から行っている海中撮影で映った海の様子を中心に、水島港内の状況を報告します。なお、海中撮影で確認できたのは岸壁から数メートル沖までです。

1.水島港について

工業地帯の一番奥に位置し、港内での作業や港を出入りする船舶の多い港です。海底は、岸壁際に大きな底石がある区域と、砂泥底の区域がありますが、全体的には砂泥底で、所々に何か沈んでいるという状況です。水深は、湾奥の海上保安庁前に向けて次第に浅くなっています。流入河川は無く、潮の流れが緩いので、海水の入れ替わりは遅いです。船内の掃除で出た排水で広範囲の海水が赤く染まると、元に戻るのに数日かかるという状況があります。

2.海底に沈んでいるモノ

金属製の大小様々な瓦礫、ワイヤー・ロープ、タイヤ(計24本を確認)等を確認しました。港湾事務所によると、ゴミは港の利用者の自己責任との事でしたが、ゴミの放り投げや、風で落ちた資材を海底で見たりもするので、海底からの重量物の引き上げが困難である以上、綺麗な海底を維持するのは難しいと感じます。

3.生物

砂泥底には、ゴカイの仲間の棲管が立ち、巣穴の脇にハゼという光景が広がります。ナマコ(茶、黒、青)と糞、ヒトデ(イトマキヒトデ、スナヒトデ)、カニ(ワタリガニ、イシガニ)がよく見られ、ウミサボテン、ヒカリウミウシ、イソギンチャク(種類不明)なども。

岸壁には、沢山のフジツボ、一部にイガイが付着し、ゴカイの仲間の棲管と触手を広げる姿、海綿などが見られ、春は沢山の藻類に覆われます。保安庁前の岸壁際にはアマモも。

ボラ、フグ、メバル、カサゴ、チヌ、キチヌ、スズキ、ムラソイ、ハゼ、ゴンズイ(玉)、サヨリ、ママカリ、ダツ、コショウダイ(成魚、稚魚)、イカ(種類不明)、マダコなどを確認しました。ハゼは一般的に年魚ですが、港内では通年見られます。そのせいか、大型のヒラメが釣り上げられます。初夏には岸壁際で縦に泳ぎながらフジツボをかじるナルトビエイも見ます。海水が白く見える程のアミの群れが入る事もあります。水クラゲや、アンドンクラゲの他に、傘が50cm位のクラゲも見ました。この辺には生息していないと思っていた生物や、種類が分からない生物も見るので、今後もできるだけ観察を続けていきます。

海底に沈んでいるものと生物の写真
海底のモノと生物
水島港の生物の写真
水島港の生物

N・H

観察日:2023年1月~2025年10月

2025年10月5日 コスモスの奇形の観察

10月5日、茶屋町でコスモスの奇形を観察しました。

自宅の庭に咲いているコスモスの花の中に茎の扁平なものがあり、花の付き具合を見ると多くの花芽ができていました。昨年(2024年)もこの時期に奇形のコスモスが咲き、アドバイスをいただいた倉敷市立自然史博物館の鐵学芸員に実物を見ていただきました。

今年(2025年)のコスモスの奇形は茎の先端の生長点が広がり帯状になり、多くの花芽が付いた突然変異ではないかとのことです。植物の分裂組織の突然変異などが原因で起こる「帯化」と言う奇形との事。庭の中でほかの株で奇形になっているものがないか探したところ2つの株に同様の異変が見られました。

奇形のコスモスはつぼみのものを倉敷市立自然史博物館で保管していただきました。

(参考;昨年(2024年)は10月9日にコスモスの帯化の観察を報告)

帯化したコスモスの写真1
帯化を起こしたコスモス1
帯化したコスモス写真2
帯化を起こしたコスモス2
帯化したコスモス写真3
帯化を起こしたコスモス3
標準的なコスモス写真
標準的なコスモスの花

S・K

観察日:2025年10月5日

このページに関するお問い合わせ

倉敷市 環境局 環境政策部 環境政策課
〒710-8565 倉敷市西中新田640番地
電話番号:086-426-3391 ファクス番号:086-426-6050
倉敷市 環境局 環境政策部 環境政策課へのお問い合わせ