第U編 各重点整備地区基本構想 2−1.倉敷駅周辺地区 (1) 地区特性 @ 地区概要  倉敷駅周辺地区は、市内で最も利用者の多いJR倉敷駅が位置し、広域利用のある倉敷中央病院をはじめとする医療施設や官公庁施設が集積した本市の中心地です。また、観光交流の拠点となる美観地区、倉敷チボリ公園が駅近郊に位置し、周辺の商業施設や文化施設が一体となって、回遊性のある観光地を形成しています。  上位計画では、47万都市の都心にふさわしい機能的で美しく、ゆとりや潤いのある交流拠点として整備を推進することが位置づけられ、倉敷駅周辺の基盤整備や中心市街地の活性化などのプロジェクトが計画されています。JR倉敷駅では鉄道高架化事業が検討され、長期的には抜本的な再構築が行われる予定です。 A 移動の状況  駅への交通手段は、市民アンケート調査結果によると、自転車、自動車(同乗)、路線バスの順に多く、特に、他地区と比較してバス利用が多いことが特徴となっています。     地区内で最も高齢者や身体障害者等の利用が多いと考えられる倉敷中央病院への交通手段は、公共交通利用者が約40%を占め、JR倉敷駅から病院までの経路は徒歩利用が多い状況です。  また、観光などを目的とした来訪者の交通手段は、鉄道利用者が約40%を占め、駅などから美観地区へは徒歩、自家用車利用が多い状況です。   B 駅舎・駅前広場・道路の状況 ◆ 駅舎  JR倉敷駅は、ホームのある地上階と、改札のある2階の2層構造で、水島臨海鉄道倉敷市駅は地上駅です。JR倉敷駅構内には、上下移動設備がなく、トイレ入口に段差があるなど、バリアフリー整備が遅れています。水島臨海鉄道倉敷市駅は、地上駅でアクセスに関するバリアは少ないが、視覚障害者誘導用ブロックや点字料金表などの設備がない状況です。以下に主な施設の状況を示します。  駅の施設整備状況   JR倉敷駅       上下移動施設    エレベーター又はスロープ 地上〜改札階 北口○  南口× 民間ビルEV〜階段昇降機(インターホンによる呼び出しが必要)                 改札階〜ホーム ×    エスカレーター      地上〜改札階 北口○昇りのみ 南口○昇りのみ                 改札階〜ホーム ×    拡幅改札 ○    券売機          車いす対応△(蹴込みが充分でない)                  音声・点字表示○                 点字料金表○    視覚障害者誘導用ブロック ○    車いす対応型トイレ ×    ホーム上での運行情報   音響(声)情報△(列車接近)                 文字情報○    ホーム上の安全対策    視覚障害者誘導用ブロック○                  ホーム端の柵○       休憩施設         ベンチ○                 待合室○    水島臨海鉄道倉敷市駅    上下移動施設     エレベーター又はスロープ 地上〜改札階 スロープ                  改札階〜ホーム −     エスカレーター      地上〜改札階 −                  改札階〜ホーム −     拡幅改札 ○     券売機          車いす対応×                   音声・点字表示×                     点字料金表×     視覚障害者誘導用ブロック×     車いす対応型トイレ×     ホーム上での運行情報   音響(声)情報×(列車接近)                  文字情報×     ホーム上の安全対策    視覚障害者誘導用ブロック×                   ホーム端の柵○        休憩施設         ベンチ○                   待合室○     ◆駅前広場  南北に駅前広場が整備されています。いずれも地上とデッキの2層構造になっており、バス乗り場へのアクセスは、階段又はエレベーターによる上下移動が伴います。南口のデッキは、駅改札階と階段数段分の高低差があり、階段と階段昇降機によるアクセスとなっています。以下に主な施設の状況を示します。  駅前広場の施設状況   バス乗り場    南口○ 北口○   タクシー乗り場  南口○ 北口○   自家用車駐車場(身体障害者スペース) 南口○(×) 北口○(○)   トイレ(車いす対応型トイレ) 南口○ 北口○   上下移動施設    エレベーター  南口 バス乗り場へ○ タクシー乗り場等へ○民間EV 北口○     エスカレーター 南口○(昇りのみ) 北口○(昇りのみ)       ◆道路  歩道の整備状況は、駅北側は区画整理事業が実施され、駅前広場から連続して広幅員の歩道が整備されています。しかし、交通バリアフリー法施行前の基準で整備されていることから、横断歩道部等で急勾配な箇所があるなど課題があります。  駅南側は、旧市街地であり、駅前へのアクセス動線である都市計画道路駅前古城池霞橋線で広幅員の歩道が整備されている他は、隘路が多い状況です。このため、倉敷中央病院へのアクセス経路は、歩車分離がされていない道路となっています。    C 点検調査で指摘された主な問題点  車いす使用者、視覚障害者、聴覚障害者、高齢者、子供連れの人など様々な市民の参加と協力を得て点検調査を実施し、利用者視点から交通バリアフリーの問題を把握しました。 ◆ 駅舎  JR倉敷駅は、エレベーター等の上下移動のバリアフリー化及び車いす対応のトイレが未整備なことから、車いすやベビーカー使用者には利用しにくい駅であると指摘がありました。特にトイレでは、一般用トイレの出入り口に高低差(階段)があり、高齢者や肢体不自由者にとって利用に負担があります。また、券売機では、車いす使用者の膝が入らない、ボタンに手が届かないなどの問題点が指摘され、一台でも車いす対応の券売機がほしいとの意見があります。視覚障害者や聴覚障害者からは、誘導案内設備の充実に関する意見が多くあり、電光掲示板による文字情報の提供や音声案内、適切な視覚障害者誘導用ブロックの整備、点字板の設置などが問題点としてあげられます。  水島臨海鉄道倉敷市駅は、地上駅のため構内の上下移動がなく、利用しやすい駅ですが、視覚障害者誘導用ブロックや点字案内など、視覚障害者が駅を利用するための設備がなく、バリアフリー化が必要です。   ◆ 乗り換え経路  JR倉敷駅から水島臨海鉄道への乗り換え経路は、南口のデッキを経て地上階に移動する必要があります。このため、車いす使用者は、地上への上下移動を隣接する駅前ビル内のエレベーターを使用し、また、改札階と南口デッキには高低差があるため、階段昇降機による移動は可能だが、「時間がかかりすぎる」などの意見があります。また、乗り換え経路上は、歩行者、自転車利用者が多く、商業施設前では駐輪も多いため、車いす使用者や視覚障害者等にとっては移動しにくい状況です。   ◆ 駅前広場  北口の駅前広場は、エレベーターや多目的トイレなどが整備され、一定のバリアフリー化が図られていますが、「タクシー乗り場の位置がわかりにくい」、「トイレやエレベーターの表示が小さい」など、誘導案内に関する問題点が指摘されています。  南口の駅前広場は、デッキ内に高低差があり、「スロープの勾配がきつい」などの問題点が指摘されています。また、各バス乗り場へはエレベーターが整備されていますが、「乗り場案内がわかりにくい」、「エレベーターからバス停への点字案内がない」などの問題があります。   ◆ 道路  倉敷中央病院へのアクセス経路は、自動車の交通量が多いにもかかわらず、歩道が整備されていない区間があり、視覚障害者等から「慣れている人しか利用できない」などの意見があります。また、歩道が整備されている区間においても、「歩道が狭い」、「点字ブロックがない」、「傾斜がきつい」などの問題があります。  美観地区など倉敷の文化交流拠点へのアクセス経路は、都市計画道路として整備が行われているため、広い歩道が整備済みです。しかし、横断歩道部や車両乗り入れ部の歩道の傾斜や、ブロック舗装面の凹凸による振動などの問題が指摘されています。商店街の通路は歩行者専用で歩きやすいのですが、「商品のはみ出し」や「駐輪問題」など、利用者のマナーに関する問題があります。  美観地区内の道路では、自転車、歩行者、自動車が混在する区間があるなど、歴史的まちなみ地区での歩行空間のあり方を今後、検討していく必要があります。   ◆ 交通安全施設(信号機等)  横断歩道部では、視覚障害者から音響信号機の設置が望まれています。また、音響信号機が設置されている交差点においても「音が聞こえにくい」などの問題が指摘されています。車いす使用者や高齢者、子供などからは、「信号の青時間が短い」などの問題が指摘されています。   (2) 整備目標 倉敷駅周辺地区の特性を踏まえ、整備目標を以下のとおり設定します。 目標1:駅からバス・タクシー乗場までのバリアフリー経路を1経路以上確保する。 目標2:駅から主要施設までのバリアフリー経路を1経路以上確保し、回遊性や観光動線に配慮して経路のネットワーク化を目指す。     また、沿道事業者、利用者の協力による商店街経路のバリアフリー化を推進する。 目標3:総合案内設備の充実を図り、既存案内サインとの連携により、案内情報のバリアフリー化を図る。 (3) 重点整備地区の区域と特定経路 @ 特定旅客施設と主要な施設  特定旅客施設は、JR山陽本線倉敷駅と、JR倉敷駅に隣接して立地し、乗り換え利用のある水島臨海鉄道倉敷市駅の2駅を対象とします。  倉敷駅周辺地区は、大規模医療施設が立地するほか、市の観光の核となる美観地区、倉敷チボリ公園が立地しており、それらの施設と周辺の回遊性を確保することで、まちの利便性、魅力が向上する地区です。基本的考え方に示した基準に基づき、主要施設を選定するとともに、施設間の連携、回遊性にも配慮して施設を選定します。  美観地区については、面的な空間としての魅力を維持していく必要があることから、地区内の単体施設を目的地とするのではなく、地区全体を主要な地区(エリア)として位置づけます。 特定旅客施設と主要施設 特定旅客施設  JR山陽本線   倉敷駅(32,832人/日:H16年現在)   水島臨海鉄道  倉敷市駅(3,781人/日:H16年現在)  主要な施設   官公庁施設   倉敷郵便局、倉敷税務署、岡山地方法務局倉敷支局、岡山地方裁判所倉敷支部、(本町郵便局)、倉敷公民館)   医療福祉施設  倉敷中央病院、しげい病院、(松田病院)   文化・交流施設 美観地区[大原美術館、倉敷アイビースクエア等]倉敷チボリ公園、自然史博物館、中央図書館、市立美術館         教育施設    −   スポーツ・大規模公園 (鶴形山公園)   大規模商業施設 天満屋倉敷店、倉敷シティプラザ        ( )内の施設は主要施設と連携する施設 A 重点整備地区  重点整備地区の基本的考え方に基づき、特定旅客施設と主要な施設が集積する南東地区を中心に、幹線道路等で形成される地区のまとまりを考慮した面積137.8haの区域を設定します。 B 特定経路  基本的考え方に基づき、特定旅客施設から駅北側に立地する「倉敷チボリ公園」、駅東側に立地する「倉敷中央病院」、駅南側に立地する「美観地区」及びその周辺施設それぞれを結ぶ経路を特定経路及び準特定経路に位置づけます。また、特定旅客施設間(JR倉敷駅と水島臨海鉄道倉敷市駅)の乗り換え経路についても設定します。  観光の拠点となる美観地区における経路については、ヒューマンスケール*18な隘路で構成された歴史的な町並みが魅力となっていることから、空間全体としてのバリアフリー化、さらにはユニバーサルデザインの視点で今後、検討を進めることとし、特定経路としては位置づけないこととします。  各経路の特性及び構造条件等を踏まえて、以下の経路を指定します。 特定経路・準特定経路  特定経路  @阿知鶴形線、幸町美和線 駅から倉敷郵便局、倉敷中央病院へのアクセス経路        A駅前古城池霞橋線 駅から美観地区、中央図書館、市立美術館等へのアクセス経路        B寿町17号線 駅から倉敷チボリ公園へのアクセス経路        C管理用通路 乗り換え経路 民有地  準特定経路TD幸町美和線 @の特定経路を経て裁判所、税務署、しげい病院等へのアクセス経路  準特定経路VE阿知54号線、鶴形1号線、幸町11号線、鶴形3号線、一般国道429号、阿知42号線 駅から倉敷中央病院へのアクセス経路を補完する経路 沿道に飲食施設等が立地        F阿知42号線 駅から美観地区へのアクセス経路を補完する経路 商店街        G主要地方道倉敷清音線 倉敷チボリ公園駐車場から入口への経路  (4)特定事業計画 @実施時期の考え方  短期:平成20年までに事業を完了する(H18〜H20) 中期:平成22年までに事業を完了する(H21〜H22)  長期:長期的に事業を実施する(平成22年以降に事業着手する)  継続実施:年次に関係なく継続的に実施する A特定事業計画 (1)公共交通特定事業 ◆鉄道駅(JR倉敷駅、水島臨海鉄道倉敷市駅)  JR倉敷駅   JR西日本    移動動線  ・改札階から各ホームへ移動するためのエレベーター設置        短期    プラットホーム  ・ホーム縁端警告ブロックの改良                   長期    階段    ・踏み面端部の識別化                        中期    誘導案内設備・視覚障害者誘導用ブロックの改良                  短期・長期          ・運行情報の提供など文字情報の充実                 長期          ・列車運行の音声案内の充実                     長期          ・階段、改札口、トイレにおける音案内の整備             中期    券売機   ・蹴り込みの確保や音声案内機能など、バリアフリー化された新型券売機に更新 長期    トイレ   ・多機能トイレの新設                        長期  水島臨海鉄道倉敷市駅   水島臨海鉄道    移動動線  ・改札口へのスロープ勾配の改善                   長期    プラットホーム  ・ホーム縁端に視覚障害者誘導用ブロック(内方線型視覚障害者誘導用ブロック)の連続敷設 短期    誘導案内設備・視覚障害者誘導用ブロックの整備                  短期          ・施設サインの改善                         短期    券売機   ・点字料金表示の設置                        短期          ・券売機ボタンの点字表示                      短期          ・機器の更新時には、蹴り込みの確保や音声案内機能など、バリアフリー化された新型券売機に更新 長期    トイレ   ・多機能トイレの新設                        長期 ◆バス   車両     ・ノンステップバスの導入                  バス協会 継続実施   バス停    ・分かりやすいバス停の時刻表に改善             バス協会 短期   2)道路特定事業 ◆道路  特定経路    @阿知鶴形線、幸町美和線     ・歩道の新設                 倉敷市 中期     ・視覚障害者誘導用ブロックの整備       倉敷市 中期    A駅前古城池霞橋線     ・歩車道の段差、歩道勾配の改         倉敷市 中期     ・弱視者用の誘導ラインの整備         倉敷市 中期     ・歩道の路面凹凸の改善            倉敷市 中期    B寿町17号線     ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善       倉敷市 中期     ・弱視者用の誘導ラインの整備         倉敷市 中期     ・歩道の路面凹凸の改善            倉敷市 短期    主要地方道倉敷清音線     ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善       岡山県 中期     ・弱視者用の誘導ラインの整備         岡山県 中期     ・歩道の路面凹凸の改善            岡山県 短期    C管理用通路     ・視覚障害者誘導用ブロックの整備       東西ビル管理 中期     ・通路の段差の改善              東西ビル管理 中期  準特定経路    D幸町美和線     ・路肩部のカラー舗装             倉敷市 短期     ・視覚障害者誘導用ブロックの整備       倉敷市 長期    E阿知54号線、鶴形1,3号線、幸町11号線、阿知42号線     ・路肩部のカラー舗装化            倉敷市 短期     ・視覚障害者誘導用ブロックの整備       倉敷市 長期    一般国道429号     ・歩車道の段差、歩道勾配の改善        岡山県 長期     ・弱視者用の誘導ラインの整備         岡山県 長期     ・歩道の路面凹凸の改善            岡山県 短期    F阿知42号線・視覚障害者誘導用ブロックの整備  倉敷市 長期    G主要地方道倉敷清音線     ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善       岡山県 長期     ・弱視者用の誘導ラインの整備         岡山県 長期     ・歩道の路面凹凸の改善            岡山県 短期    ◆駅前広場   北口駅前広場    誘導案内施設     ・弱視者用の誘導ラインの整備        倉敷市 中期     ・施設サインの改善             倉敷市 中期    トイレ     ・使いやすいトイレに改善          倉敷市 短期    バス乗り場     ・乗り場等での休憩施設(ベンチ等)の増設  バス協会 短期     ・時刻表の文字の大きさ改善、点字表示の整備 バス協会 短期    南口駅前広場     誘導案内施設      ・総合案内板の新設             倉敷市 中期      ・施設サインの改善             倉敷市 中期      ・視覚障害者誘導用ブロックの整備(バス乗り場、エレベーター等) 倉敷市 中期     トイレ      ・使いやすいトイレに改善          倉敷市 短期     バス(タクシー)乗り場      ・乗りやすいバス(タクシー)乗り場へ改善  倉敷市 中期      ・休憩施設(ベンチ等)の整備        バス協会 短期      ・時刻表の文字の大きさ改善、点字表示の整備 バス協会 短期 3)交通安全特定事業  音響信号機の設置・改善(スピーカー方向等)、歩行者横断秒数の確保   ・阿知鶴形線、幸町美和線(3)(竹中幼稚園前、倉敷郵便局前、倉敷中央病院前)    ※道路及び歩道整備に併せて実施               公安委員会 中期       ・駅前古城池霞橋線(1)(大原美術館前)           公安委員会 短期   ・寿町17号線(1) (倉敷チボリ公園前)          公安委員会 短期   ・駅前古城池霞橋線 (6)(倉敷駅前、阿知北、阿知中、阿知南、中央PB前、中央1丁目)倉敷市 中期  エスコートゾーンの整備   ・駅前古城池霞橋線(6)                   公安委員会 短期 4)その他事業  継続的取組み   ・交通バリアフリー推進会議(3地区共通)による特定事業計画の検討、事業の進捗管理等 倉敷市 継続実施  建築物との連続性の確保   ・歩道から公共施設の出入り口へのバリアフリー経路の連続性の確保   倉敷市 中期  その他   ・美観地区における総合的なバリアフリー整備の検討          倉敷市 短期   ・タウンモビリティ*19事業での電動カートの貸し出し          商店街 継続実施 2−2.新倉敷駅周辺地区 (1) 地区特性 @ 地区概要  新倉敷駅周辺地区は、山陽新幹線新倉敷駅と在来線の乗換駅となっており、平成17年8月に合併した真備・船穂地区を含めて、市の広域的な玄関口です。また、玉島地域の拠点形成を目指して「新倉敷駅南地区土地区画整理事業」が実施され、都市基盤が整備されています。  現在は、作陽学園(くらしき作陽大学、作陽短期大学)、山陽マルナカ新倉敷店などの施設が立地する他は、徒歩圏内に施設の立地が少ない状況ですが、充実した都市基盤により、都市機能集積が期待される地区です。 A 移動の状況  駅への交通手段は、市民アンケート調査結果では、自動車(自分で運転)、自動車(同乗)、自転車の順に利用が多く、自動車利用が特に多い地区です。      B 駅舎・駅前広場・道路の状況 ◆ 駅舎  新倉敷駅は、在来線ホーム階(地上)、改札階、新幹線ホーム階の3層構造になっています。また、在来線改札階と新幹線改札階に高低差があり、階段及びステップリフトによる上下移動があります。構内はエレベーターが整備され、移動経路のバリアフリー化が図られていますが、改札階へのアクセスが階段のみで、車いす使用者等は、インターホンで係員を呼び出す必要があります。駅構内には多目的トイレは整備されていませんが、駅構外に多目的トイレが整備されています。しかし、規格が古いため改善が望まれます。     駅の施設整備状況   JR新倉敷駅(新幹線・在来線)    上下移動施設     エレベーター又はスロープ 地上〜改札階 南口×(インターホンの呼び出しによりEVでホーム階へ直接移動が可能)北口×                  改札階〜ホーム 南口○ 北口○                  在来線改札〜新幹線改札 ステップリフト(呼び出し必要)     エスカレーター      地上〜改札階 南口× 北口×                  改札階〜ホーム 南口○(新幹線昇りのみ) 北口×                  在来線改札〜新幹線改札 南口× 北口×     拡幅改札         南口○ 北口○     券売機 車いす対応    南口× 北口×         音声・点字表示  南口○ 北口○     点字料金表        南口○ 北口○     視覚障害者誘導用ブロック 南口○ 北口○     車いす対応型トイレ    南口× 北口× 改札外コンコース(北口)○     ホーム上での運行情報 音響(声)情報 南口○ 北口△(列車接近のみ)                文字情報   南口○ 北口×     ホーム上の安全対策 視覚障害者誘導用ブロック 南口○ 北口○               ホーム端の柵       南口○ 北口○     休憩施設 ベンチ     南口○ 北口○          待合室     南口○ 北口×   ◆駅前広場  南北に駅前広場が整備されています。いずれもバス乗り場、タクシー乗り場がありますが、玉島の中心市街地への主なバスは南口から発着しています。自動車利用が多いことから、自家用車駐車場が整備されています。    駅前広場の施設状況   バス乗り場              南口○ 北口○   タクシー乗り場            南口○ 北口○   自家用車駐車場(身体障害者スペース) 南口○(×) 北口○(○)   トイレ(車いす対応型トイレ)     南口○ 北口×   ◆道路  歩道の整備状況は、駅北側は作陽学園(くらしき作陽大学、作陽短期大学)への経路となる主要地方道倉敷笠岡線が整備され、広幅員の歩道が設置されています。しかし、地形上の縦断勾配があり、車いす使用者等には問題があります。  駅南側は、区画整理事業が実施されたことにより、駅前広場から国道2号まで、面的に格子状の道路が整備され、歩道が設置されています。しかし、交通バリアフリー法施行前の基準で整備されていることから、横断歩道部等では、急勾配な箇所があるなど問題があります。   D 点検調査で指摘された主な問題点  車いす使用者、視覚障害者、聴覚障害者、高齢者、子供連れの人など、様々な市民の参加と協力を得て点検調査を実施し、利用者視点から交通バリアフリーの問題を把握しました。 ◆ 駅舎  新倉敷駅は、新幹線、在来線ともに駅改札内のエレベーターは整備されていますが、改札階へのアクセスが階段のみとなっているため、車いす使用者等にとって問題となっています。駅南口からはインターホンで駅員を呼び出すことで、改札内に設置されたエレベーターを利用することが可能ですが、「時間がかかりすぎる」などの問題が指摘されています。同様に、在来線から新幹線への乗り換え経路上の高低差を解消するステップリフトも呼び出しが必要で、利用しにくいとの意見があります。  車いす対応トイレは、北口1階のコンコースに設置されているのみで、改札内の設置が望まれます。誘導案内設備は、新幹線側では、電光掲示板による文字情報やホームの音声案内などが充実していますが、在来線では十分でなく、「行き先や発車時刻などの音声案内を充実してほしい」などの意見があります。また、「ホームからの転落防止対策(避難スペースの確保など)」や「常時、拡幅改札にしてほしい」などの意見があります。    ◆ 駅前広場  北口の駅前広場では、舗装のブロック破損や植栽の根っこによる隆起など、路面の凹凸に関する問題の指摘が多くあります。また、視覚障害者誘導用ブロックの浮き上がりや色、不連続性などの問題があります。  南口の駅前広場は、区画整理事業で整備された新しい駅前広場で、連続的に上屋があり、周辺の案内板やベンチなどの施設が充実していますが、バス乗り場、タクシー乗り場において問題が指摘されています。特に、バス停では、バスの乗り降りに段差があり、負担感があります。    ◆ 道路  駅北側は、都市計画道路の整備が進んでおり、歩道が整備されていますが、「ブロック舗装ががたついている」、「視覚障害者誘導用ブロックがすり減っている」など、維持管理上の問題が多く指摘されています。また、地形上の勾配があり、車いす使用者等には利用に負担がかかります。  駅南側は、土地区画整理事業により、駅前広場から国道2号にかけて広幅員の歩道が整備されていますが、「雨の日は路面が滑りやすい舗装である」、「点字ブロックの色がわかりにくい」、「横断歩道部の勾配が急である」などの問題が指摘されています。   ◆ 交通安全施設(信号機等)  横断歩道部では、視覚障害者から音響信号機の設置が望まれています。また、音響信号機が設置されている交差点においても、「押しボタンの位置が離れている」などの問題が指摘されています。 (2)整備目標 新倉敷駅周辺地区の特性を踏まえ、整備目標を以下のとおり設定します。 目標1:駅からバス・タクシー乗場までのバリアフリー経路を1経路以上確保する。また、新幹線と在来線の乗り換えのバリアフリー経路を確保する。 目標2:駅から主要施設までのバリアフリー経路を1経路以上確保する。 目標3:既存案内サインを活用し、案内情報のバリアフリー化を図る。 (3)重点整備地区の区域と特定経路 @特定旅客施設と主要な施設  特定旅客施設は、JR山陽新幹線新倉敷駅とJR山陽本線新倉敷駅を対象とします。  新倉敷駅周辺地区は、駅南側で土地区画整理事業が実施されたことから、駅から500m圏には施設があまり立地していません。基本的考え方に示した基準に基づき、主要施設を選定するとともに、ワークショップ等で市民ニーズの高かった施設等を選定します。 特定旅客施設と主要施設  特定旅客施設   JR山陽新幹線 新倉敷駅   JR山陽本線  新倉敷駅 (あわせて13,872人/日:H16年現在)  主要な施設 官公庁施設−        医療福祉施設     西崎内科医院        文化・交流施設−        教育施設       くらしき作陽大学、作陽短期大学        スポーツ・大規模公園−        大規模商業施設    山陽マルナカ新倉敷店 A重点整備地区  重点整備地区は、基本的考え方に基づき、特定旅客施設新倉敷駅の500m圏を対象に面的整備が実施され、都市機能集積が図られると考えられる面積約55.6haの区域を設定します。ただし、主要な施設として選定した、くらしき作陽大学、作陽短期大学並びに山陽マルナカを道路等で明確に線引きできる地区として含めると、広大な区域となるため、地区外としています。 B特定経路  基本的考え方に基づき、特定旅客施設から駅北側に立地する「くらしき作陽大学、作陽短期大学」、駅南側に立地する「西崎内科医院」、「山陽マルナカ新倉敷店」のそれぞれを結ぶ経路を特定経路及び準特定経路に位置づけます。  各経路の特性及び構造条件等を踏まえて、以下の経路を指定します。 特定経路・準特定経路  特定経路    @新倉敷停車場線    駅から山陽マルナカ新倉敷店へのアクセス経路。    A玉島瓜崎73号線    駅から作陽学園(くらしき作陽大学、作陽短期大学)、北側市街地への経路。    B主要地方道倉敷笠岡線 Aの特定経路を経て作陽学園(くらしき作陽大学、作陽短期大学)へのアクセス経路。   準特定経路T     C新倉敷停車場線    @の特定経路を経て山陽マルナカ新倉敷店へのアクセス経路。    D区画道路18号線    @の特定経路、Cの準特定経路を経て西崎内科医院へのアクセス経路。    E国道2号       @の特定経路、Cの準特定経路を経て山陽マルナカ新倉敷店の入口までの経路。   準特定経路U    F主要地方道倉敷笠岡線 Bの特定経路を経て作陽学園(くらしき作陽大学、作陽短期大学)へのアクセス経路。    (4)特定事業計画 @実施時期の考え方  短期:平成20年までに事業を完了する(H18〜H20) 中期:平成22年までに事業を完了する(H21〜H22)  長期:長期的に事業を実施する(平成22年以降に事業着手する)  継続実施:年次に関係なく継続的に実施する A特定事業計画 1)公共交通特定事業 ◆鉄道駅(JR山陽本線新倉敷駅、新幹線新倉敷駅)  山陽本線 JR西日本   プラットホーム   ・ホーム縁端警告ブロックの改良               長期   階段     ・踏み面端部の識別化                    中期    誘導案内設備 ・視覚障害者誘導用ブロックの改良              長期          ・運行情報の提供など文字情報の充実             長期          ・列車運行の音声案内等の充実                長期          ・階段、改札口、トイレにおける音案内の整備         短期   券売機    ・蹴り込みの確保や音声案内機能など、バリアフリー化された新型券売機に更新 長期   トイレ    ・多機能トイレの改修                    長期  新幹線   プラットホーム   ・ホーム縁端警告ブロックの改良               JR西日本 長期   自由通路   ・移動経路・駅前広場〜改札階へのエレベーターの設置     倉敷市 短期          ・わかりやすいエレベーターの位置案内            倉敷市 短期   階段     ・踏み面端部の識別化                    JR西日本 中期   誘導案内設備 ・視覚障害者誘導用ブロックの改良              短期・長期○ ◆バス       車両・ノンステップバスの導入                   バス協会 継続実施       バス停・分かりやすいバス停の時刻表に改善             バス協会 短期 2)道路特定事業 ◆道路  特定経路   @新倉敷停車場線   ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善           岡山県 中期               ・弱視者用の誘導ラインの整備             岡山県 中期              ・歩道広幅員部での休憩施設の整備           岡山県 中期              ・既設サインのバリアフリー化の検討 (点字表示など) 岡山県 中期              ・歩道の路面凹凸の改善                岡山県 短期   A玉島爪崎73号線   ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善           倉敷市 短期              ・弱視者用の誘導ラインの整備             倉敷市 中期              ・歩道の路面凹凸の改善                倉敷市 短期   B主要地方道倉敷笠岡線・歩車道の段差、すりつけ勾配改善           岡山県 中期              ・視覚障害者誘導用ブロックの改善           岡山県 中期              ・歩道の路面凹凸の改善                岡山県 短期  準特定経路T   C新倉敷停車場線   ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善           岡山県 長期              ・弱視者用の誘導ラインの整備             岡山県 長期              ・歩道広幅員部での休憩施設の整備           岡山県 長期              ・既設サインのバリアフリー化の検討(点字表示など)  岡山県 長期              ・歩道の路面凹凸の改善                岡山県 短期   D区画道路18号線   ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善           倉敷市 長期                ・弱視者用の誘導ラインの整備             倉敷市 長期              ・歩道の路面凹凸の改善                倉敷市 短期   E国道2号      ・視覚障害者誘導用ブロックの整備           国土交通省 中・長期              ・歩道の路面凹凸の改善                国土交通省 中・長期  準特定経路U   F主要地方道倉敷笠岡線・歩車道の段差、すりつけ勾配改善           岡山県 長期              ・歩道の路面凹凸の改善                岡山県 短期              ・歩道の勾配表示などによる介助誘導サインの導入検討  岡山県 長期              ・歩道広幅員部での休憩施設の整備検討         岡山県 長期 ◆駅前広場  北口駅前広場   誘導案内設備     ・弱視者用の誘導ラインの整備           倉敷市 中期              ・乗り場案内などサインの充実           倉敷市 中期   路面         ・路面舗装の滑り防止措置、凹凸の改善       倉敷市 短期   バス(タクシー)乗り場・乗り場の上屋の改善               倉敷市 長期               ・休憩施設(ベンチ等)の整備           バス協会 短期              ・時刻表の文字の大きさ改善、点字表示の整備    バス協会 短期   南口駅前広場   誘導案内設備     ・弱視者用の誘導ラインの整備           倉敷市 中期    バス乗り場      ・バスと乗り場の段差の改善            倉敷市 中期 3)交通安全特定事業  音響信号機の設置・改善(スピーカー方向等)、歩行者横断秒数の確保  ・主要地方道 倉敷笠岡線(2)(新倉北通り、新倉敷駅北)         公安委員会 中期    ※新倉北通りの音響信号機設置については道路及び、歩道整備に併せて実施。  エスコートゾーンの整備  ・主要地方道 倉敷笠岡線(2)                      公安委員会 短期 4)その他事業  継続的取り組み  ・交通バリアフリー推進会議(3地区共通)による特定事業計画の検討、事業の進捗管理等 倉敷市 継続 実施  建築物との連続性の確保  ・歩道から公共施設の出入口へのバリアフリー経路の連続性の確保 倉敷市 中期 2−3.児島駅周辺地区 (1) 地区特性 @ 地区概要  児島駅周辺地区は、児島地域の拠点として、官公庁施設、医療施設、交流・文化施設、スポーツ施設等が駅北側に集積しています。  児島駅周辺地区は、上位計画において“瀬戸内に開かれたファッションと交流のまちづくり”の推進が位置づけられ、「児島地域の交流拠点形成」、「架橋記念館周辺の整備」、「ファッションタウン構想の推進」などのまちづくりが展開されています。  駅西側一帯は、土地区画整理事業によって都市基盤整備が実施済みであり、駅前広場、公園、歩道等が整備されています。   A 移動の状況  駅への交通手段は、市民アンケート調査結果では、自動車(自分で運転)、自動車(同乗)、路線バスの順に利用が多く、特に、自動車利用の多い地区です。    B 駅舎・駅前広場・道路の状況 ◆ 駅舎  JR児島駅は、改札階(地上)とホーム階の2層構造になっており、駅前広場等から平面レベルで、改札へとアクセスができます。改札からホームへの移動は、エレベーターが整備され、一定のバリアフリー化が図られています。車いす対応トイレは、改札外に整備されています。    駅の施設整備状況   児島駅    上下移動施設     エレベーター又はスロープ 地上〜改札階 西口− 東口−                  改札階〜ホーム ○     エスカレーター      地上〜改札階 西口− 東口−                  改札階〜ホーム ×     拡幅改札 ○     券売機          車いす対応 ×                  音声・点字表示 ○     点字料金表 ○     視覚障害者誘導用ブロック ○     車いす対応型トイレ ○(改札外コンコース)     ホーム上での運行情報   音響(声)情報 △(列車接近)                  文字情報 △(時刻・行き先案内のみ)     ホーム上の安全対策    視覚障害者誘導用ブロック ○                  ホーム端の柵 ○     休憩施設         ベンチ ○                  待合室 ×   ◆駅前広場  駅西側には、駅前広場が整備され、広場内には、バスターミナル、タクシー乗り場、車いす対応型トイレ、身体障害者駐車場、休憩空間が整備されています。  駅前広場の施設状況   西口    バス乗り場 ○    タクシー乗り場 ○    自家用車駐車場 ○(身体障害者スペース)(○)    トイレ(車いす対応型トイレ) ○      ◆道路  歩道の整備状況は、駅西側では、区画整理事業により基盤が整備されているため、主な道路には歩道が整備されています。また、駅東側の一般国道430号も広幅員の歩道が整備済みです。しかし、交通バリアフリー法施行前の基準で整備されていることから、 横断歩道部等で急勾配な箇所があるなどの問題があります。     E 点検調査で指摘された主な問題点  車いす使用者、視覚障害者、聴覚障害者、高齢者、子供連れの人など様々な市民の参加と協力を得て点検調査を実施し、利用者視点から交通バリアフリーの問題を把握しました。    ◆ 駅舎  児島駅は、改札階からホーム階へのエレベーターが整備され、移動動線のバリアフリー化がされています。  券売機では、「蹴込みがないので車いす使用者は横向きでないと利用できない」、「文字が小さく、買い方がわかりにくい(高齢者)」などの意見があります。誘導案内については、「エレベーター位置表示がわかりにくい」、「ホームの電光掲示板に列車の遅れを表示してほしい」などの意見があります。   ◆ 駅前広場  駅前広場は、一定のバリアフリー化が図られていますが、利用しやすさの面で問題が指摘されています。  車いす使用者のために、段差が解消された乗降場が設置されていますが、「位置が遠い」、「タクシーと一般車が混在している」などの問題があります。また、車いす対応型トイレが整備されていますが、「入り口のスロープが急でフラット部がないので利用できない(車いす使用者)」、「男女の表示が小さい」などの問題が指摘されています。  バス乗り場が少し離れているため、「駅から案内板が見えるようにしてほしい」、「点字ブロックがスムーズでない」などの問題があります。 ◆ 道路  駅西側は、土地区画整理事業により歩道整備が実施されていますが、「視覚障害者誘導用ブロックがわかりにくい(色など)」、横断歩道部のすりつけ勾配が急である」などの問題が指摘されています。また、「街路樹の枝が張っていて、視界が遮られる」など、維持管理上の問題もあります。沿道施設との接続部では、児島市民病院の出入り口が、「歩行者、車いす使用者では利用しにくい」と指摘があります。  駅東側は、広幅員の歩道が整備されていますが、「ブロック舗装が凸凹して歩きにくい」、「横断歩道部の勾配が急である」などの問題が指摘されています。また、児島中央病院の入口付近は、「車の出入りが多く道路を横断するのに危ない」などの意見があります。    ◆ 交通安全施設(信号機等)  横断歩道部では、視覚障害者から音響信号機の設置が望まれています。また、音響信号機が設置されている交差点においても「音と横断方向の関係がわかりにくい」などの問題が指摘されています。 (2)整備目標 児島駅周辺地区の特性を踏まえ、整備目標を以下のとおり設定します。 目標1:駅からバス・タクシー乗場までのバリアフリー経路を1経路以上確保する。 目標2:既存の歩道を改善し、駅から主要施設までのバリアフリー経路を1経路以上確保する。 目標3:バス交通等が利用しやすい駅前広場への改善を図る。 (3)重点整備地区の区域と特定経路 @特定旅客施設と主要な施設  特定旅客施設は、JR児島駅を対象とします。  児島駅周辺地区は、駅北側に官公庁施設、商業施設、文化・交通施設などの集積があり、基本的考え方に示した基準に基づき、主要施設を選定します。主要施設に隣接する地区施設についても配慮します。 特定旅客施設と主要施設  特定旅客施設   JR瀬戸大橋線 児島駅(8,532人/日:H16年現在)  主要な施設   官公庁施設   倉敷市児島支所、児島公共職業安定所、児島警察署、児島区検察庁、(児島公民館)、(児島郵便局)   医療福祉施設  市立児島市民病院、児島中央病院   文化・交流施設 瀬戸大橋架橋記念館、児島文化センター、児島図書館   教育施設 −   スポーツ・大規模公園 児島マリンプール   大規模商業施設 天満屋ハピータウン、(マックスバリュ児島店)、(ナンバホームセンター児島店)     (  )の施設は主要施設の隣接施設 A重点整備地区  重点整備地区は、基本的考え方に基づき、特定旅客施設児島駅から主要施設が立地する範囲を基本として、面積約76.8haの区域を設定します。 B特定経路  基本的考え方に基づき、特定旅客施設から駅西側に立地する「市立児島市民病院」、「児島文化センター」等の各主要施設、駅東側に立地する「倉敷市児島支所」、「児島マリンプール」等の各主要施設を結ぶ経路を、特定経路及び準特定経路に位置づけます。  各経路の特性及び構造条件等を踏まえて、以下の経路を指定します。  特定経路・準特定経路   特定経路      @一般国道430号       駅から倉敷市児島支所へのアクセス経路。    A児島小川228号線      @の特定経路を経て児島中央病院へのアクセス経路。    B児島小川206号線      @、Aの特定経路を経て児島マリンプールへのアクセス経路。    C一般国道430号、白馬塩生線、児島駅前12号線、児島駅前1号線 駅から市立児島市民病院へのアクセス経路    D白馬塩生線、駅前通り線  駅から天満屋ハピータウンへのアクセス経路   準特定経路T    E児島味野25号線      児島文化センター、瀬戸大橋架橋記念館の入口との接続経路    F白馬塩生線        Dの特定経路を経て児島文化センターへのアクセス経路    G児島味野21号線、旭町城線  Cの特定経路を経て瀬戸大橋記念館へのアクセス経路    H児島小川208号線      @の特定経路を経て職業安定所へのアクセス経路    I児島小川204号線      @、Hの経路を経て児島検察庁へのアクセス経路    J駅前通り線、砂走り線    駅から児島警察署へのアクセス経路    K児島駅前24号線       駅前公園へのアクセス経路   (4)特定事業計画 @実施時期の考え方  短期:平成20年までに事業を完了する(H18〜H20) 中期:平成22年までに事業を完了する(H21〜H22)  長期:長期的に事業を実施する(平成22年以降に事業着手する)  継続実施:年次に関係なく継続的に実施する A特定事業計画 1)公共交通特定事業 ◆鉄道駅(JR瀬戸大橋線 児島駅)  JR西日本   プラットホーム  ・ホーム縁端警告ブロックの改良       短期   階段       ・踏み面端部の識別化            中期   誘導案内設備   ・視覚障害者誘導用ブロックの改良      長期            ・運行情報の提供など文字情報の充実     長期            ・列車運行の音声案内等の充実        長期            ・階段、改札口、トイレにおける音案内の整備 中期   券売機      ・蹴り込みの確保や音声案内機能など、バリアフリー化された新型券売機に更新 長期 ◆バス   車両       ・ノンステップバスの導入          バス協会 継続実施   バス停      ・分かりやすいバス停の時刻表に改善     バス協会 短期 2)道路特定事業 ◆道路  特定経路   @ 一般国道430号  ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      岡山県 中期             ・歩道広幅員部での休憩施設の整備      岡山県 中期             ・歩道の路面凹凸の改善           岡山県 短期   A児島小川228号線 ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 中期   B児島小川206号線 ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 中期   C一般国道430号、白馬塩生線、児島駅前12号線、児島駅前1号線             ・道路空間構成の見直しによる歩道の拡幅  倉敷市 中期                              ・視覚障害者誘導用ブロックの整備  倉敷市 中期   D白馬塩生線、駅前通り線・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      倉敷市 短期               ・弱視者用の誘導ラインの整備     倉敷市 短期               ・歩道広幅員部での休憩施設の整備     倉敷市 中期               ・既設サインのバリアフリー化の検討(点字表示など) 倉敷市 中期               ・歩道の路面凹凸の改善     倉敷市 中期  準特定経路T   E児島味野25号線 ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      倉敷市 長期            ・弱視者用の誘導ラインの整備        倉敷市 長期             ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 長期   F白馬塩生線 ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      倉敷市 長期          ・弱視者用の誘導ラインの整備        倉敷市 長期          ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 長期   G児島味野21号線 ・視覚障害者誘導用ブロックの整備      倉敷市 長期            ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 長期   H児島小川208号線 ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      倉敷市 長期            ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 長期            ・勾配表示などによる介助誘導サイン       倉敷市 長期   I児島小川204号線    ・視覚障害者誘導用ブロックの整備      倉敷市 長期   J駅前通り線、砂走り線 ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      倉敷市 長期               ・弱視者用の誘導ラインの整備        倉敷市 長期               ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 長期       K児島駅前24号線 ・歩車道の段差、すりつけ勾配改善      倉敷市 長期            ・弱視者用の誘導ラインの整備        倉敷市 長期            ・歩道の路面凹凸の改善           倉敷市 長期 ◆駅前広場   路面         ・路面舗装の滑り防止措置、凹凸の改善     倉敷市 継続実施   誘導案内施設     ・弱視者用の誘導ラインの整備         倉敷市 中期              ・駅前広場の総合案内板(点字音声対応)の設置 倉敷市 中期              ・音声案内等の導入検討            倉敷市 中期              ・施設サインの改善              倉敷市 中期   バス(タクシー)乗り場・利用しやすい乗り場への改善         倉敷市 中期              ・乗り場案内の改善(カラー表示など)       倉敷市 中期              ・休憩施設(ベンチ等)の整備         バス協会 短期    トイレ        ・出入り口のスロープの改善          倉敷市 中期              ・使いやすいトイレに改善           倉敷市 短期   身体障害者用乗降場車スペース・設置位置の改善            倉敷市 中期       3)交通安全特定事業   音響信号機の設置・改善(スピーカー方向等)、歩行者横断秒数の確保    ・一般国道430号(2)(小田川橋北、憩いの家前)       公安委員会 短期     ・白馬塩生線(1) (武佐衛門通り)              公安委員会 短期      ※武佐衛門通りの音響信号機整備については道路及び、歩道整備に併せて実施。    ・一般国道430号(2)(児島駅北、児島支所前)        倉敷市 短期    ・白馬塩生線(1)(児島駅口))                倉敷市 短期    ・駅前通り線(1)(児島駅前))                倉敷市 短期   エスコートゾーンの整備    ・一般国道430号(3)                    公安委員会 中期    ・白馬塩生線(3)                       公安委員会 短期    ・駅前通り線(1)                       公安委員会 短期 4)その他事業  継続的取り組み  ・交通バリアフリー推進会議(3地区共通)による特定事業計画の検討、事業の進捗管理等 倉敷市 継続実施  建築物との連続性の確保  ・歩道から公共施設の出入口へのバリアフリー経路の連続性の確保  倉敷市 中期 2-4.ソフト施策  本構想の基本方針に基づき、倉敷駅周辺、新倉敷駅周辺、児島駅周辺の重点整備地区ごとに、どのような整備が必要なのか、まち歩きなどによる点検結果を踏まえて、交通事業者、道路管理者、公安委員会の各事業者別に、ハード整備の内容を検討し、具体的な特定事業計画として定めました。  しかし、ハード整備のみでは、バリアフリーのまちづくりは実現しません。ハード整備をした後、施設等の機能を活用し、最大限に発揮させるためには、市民一人ひとりが、バリアフリーに対する意識を持つことが何よりも大切です。身体障害者等の方々への声かけや、協力し合う姿勢など、ソフト面の後押しがなければ、その整備効果は完全なものとはいえません。特に、各事業者における全体計画や予算等、早急なハード整備による解決が困難である場合においては、市民一人ひとりの行動や心のバリアフリー化が必要です。この基本構想を実現していくために、ハード整備の推進にあわせてソフト施策を展開し、市民一人ひとりが協力し、助け合うまちづくりを展開します。 @実施時期の考え方  短期:平成20年までに事業を完了する(H18〜H20) 中期:平成22年までに事業を完了する(H21〜H22)  長期:長期的に事業を実施する(平成22年以降に事業着手する)  継続実施:年次に関係なく継続的に実施する A事業計画 (1) バリアフリーに対する意識の向上、理解の深化   障害者週間事業等の実施(啓発ポスターの作成等により障害者への理解を深める)  倉敷市 継続実施  (仮)歩道に障害物を置かないモデル週間の実施                  倉敷市 短期                                                   (2) 参加・経験を通じたバリアフリーに関する学習機会の提供   バリアフリー講座等の開催                           倉敷市 継続実施 (3) マナー向上の啓発   自転車マナー向上のための啓発事業   (点字ブロックの上に自転車を止めない、商店街では自転車を押して歩くなど)   倉敷市 短期   商店街のバリアフリー化のための啓発事業(商品・看板のはみ出し防止、駐輪・駐車の防止等) 商店街 短期   違法駐車の取り締まり指導の強化                        警察署 継続実施   各種講習会等での交通マナー向上啓発                      警察署 継続実施   歩道はみ出し物(商品・看板等)の点検                     倉敷市 短期   身体障害者駐車スペースの適正な利用の啓発                   倉敷市 短期 (4) 交通バリアフリー関連の情報提供   バリアフリーマップの提供(インターネット等を活用した事前情報提供の充実)   倉敷市 継続実施   美観地区バリアフリー情報の提供(車いす対応トイレ、貸し出し用車いす情報等)  倉敷市 継続実施 (5) 事業者、ボランティアによる人的介助支援   駅員による情報案内・介助の充実                JR西日本、水島臨海鉄道 継続実施    乗務員による乗降介助の充実 バス・タクシー協会 継続実施   電話を利用した外国人への通訳サービスの実施(観光案内所4ヶ所)倉敷市 倉敷観光コンベンションビューロ- 短期