安原 成蔵さんから、何事にも一生懸命に取り組まれている方であると伺いましたが、まずは自己紹介をお願いします。
佐藤 真理子です。県内の大学卒業後、3年余り建材関係の会社で働き、今現在は玉島魚市場(有)に勤務しています。
なぜ魚市場に勤務しようと思われたんですか?
家族を手伝おうと思う状況だったからですね。それと、小さい頃から、魚市場で親の手伝いをしていましたが、その頃から食に関わるのが面白いと感じていたからです。魚市場に持ち込まれるものに、規格はありません。天候や季節によって毎日捕れるものが異なるからです。今の便利な世の中で、こんなに『本来の姿』のままである仕事場はあまりないと思うんです。漁師さんは朝真っ暗なうちに漁に出て、風が強ければお休み。そんな人間らしい、素朴な市場の雰囲気に惹かれたことも大きな理由ですね。
お仕事について教えて下さい。
鮮魚介類の卸・小売です。早朝、一日がセリで始まり、水・祝日以外は朝から『朝市』を開催しています。威勢のいい掛け声が響いていますよ。
また、仕事のかたわら、魚に関するブログ『玉島魚市場 お魚情報』を更新しています。これは、魚も野菜も旬が分からなくなっていたり、切り身でしか見たことがない魚を食べていたりと、忙しく暮らす中で、本来『いのち』を支える大切な『食』の部分が怪しくなっているような気がしたので、もっと『食』について知っていただくために始めました。
朝市を見学に来てくださった生徒さんたちには、必ず質問するようにしていることがあります。それは『いただきますの意味とは?』です。私たちは大切な『いのち』をいただいて生きている。その事実を心のどこかで感じ、『いのち』の大切さを考えていただけたら、と思っています。
私たちは、毎年『魚霊祭』を行い、魚の霊を慰め、感謝しています。この心を忘れないでいたいと思っています。住吉山公園に、『魚霊塔』がありますので、機会があったら皆さんも見てみて下さいね。
玉島の好きなところはどこですか?
好きな、というよりは『誇れる』ところですが、歴史ある町で、その文化や風習などを伝承しようとする『心』ですね。
秋祭りでは多くの地域から千歳楽が出たり、恵比寿祭りも各地域で行われています。街並み保存地区があったり、映画のロケ地になるような長閑な風景や懐かしさを感じる場所がある。
自然もいっぱいで、海の幸・山の幸に恵まれ身近に『生命』を感じられる素晴らしい環境が整っています。世の中はどんどん進んでいますが、利便性やスピードだけを追い求めていると、大切な部分が忘れ去られていくような気がしてなりません。
玉島のオススメスポットはどこですか?
水玉ブリッジラインから見た玉島港と、高梁川の河川敷です。落ち着くので、水が多い場所が好きなんです。
玉島がもっと元気になるにはどうすればいいと思いますか?
玉島は歴史がある町です。歴史がある分、経験があります。玉島の商売人さん一人一人は、培ってこられた技術・サービス精神も大いにあると思いますが、それを地域全体に広げ、地域としてお客さんの受け入れ態勢が整えば、もっと元気になるのではないでしょうか。基盤はあるのですから、それを活かすことだと思います。
次の方の紹介をお願いします。
小川商店の井上 雄人(かつと)さんです。いつも穏やかな笑顔を絶やさない素敵な方です。
佐藤 真理子さん、ありがとうございました。
※佐藤 真理子さんのオススメスポットはこちらです。
「水玉ブリッジから玉島港」

「上成土手から高梁川河川敷」

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