ボランティア 入野 美智秀さん
いきいきポイント制度について、皆さんによりよく知っていただくために、実際に制度を利用している方へのインタビューをご紹介します。
受入施設ご担当者の方へのインタビューは下記リンクをご覧ください。
インタビュー第1弾
ボランティア:入野 美智秀さん

インタビュー第1弾は、創心會 倉敷地域リハビリケアセンターでボランティアをされている、入野 美智秀(いりの みちひで)さん(62歳)にお話を伺いました。
(年齢は取材当時)
入野さんは令和6年から、週に1回、1時間ほど、施設利用者の方と麻雀を打つボランティアをされています。
―まず、ボランティアを始めたきっかけを教えてください。
くらしき健康福祉プラザで開催されたイベントで、実際に活動されているボランティアの方にお会いしたことです。
小学校の教員をしていた経験から、地域に様々な福祉の現場があることは知っていました。教員時代は、地域の子供に勉強を教えたり、一緒に遊んだりする取り組みをしていたこともあります。ですから、前々からボランティアには関心はありました。
ボランティアをされている方とお話をして、自分もまた何かできる機会があればいいなと思い始めました。
―どんな経緯で今のボランティアを始められたんですか?
また別のイベントに参加した時、ボランティアセンターの方と話す機会がありました。何かボランティアを始めたいことを相談したら、いくつか候補を紹介してくださり、ボランティアセンターに行くよう勧めてくださいました。
ボランティアセンターでは、壁の掲示板にいろいろなボランティアの募集が貼ってあります。それを見ていたら、その中に「高齢者施設で麻雀ができる人」というボランティアの募集があったんです。
「え、麻雀できる人募集って、そんなボランティアあるんかい!?」と最初は驚きました。でも、「麻雀ならまあ、できるな」と。場所も自宅から近そうだし、麻雀をするということは室内で、熱中症の心配もなさそうですし。
早速ボランティアセンターの方にお伺いして、施設の方の連絡先を教えてもらい、ボランティアに行くことになりました。週1回、土曜日に1時間とのことで、それなら、「続かんかったら続かんでしょうがないし、とりあえず行って、どんな感じかやってみるか」と思って始めたんです。
―始める前は緊張したりしませんでしたか?私だったら、利用者さんと何を話そうとかいろいろ不安になってしまうかもしれません。
それが、麻雀中は皆さん集中されているので、コミュニケーションをすることはほとんどないです(笑)
利用者の方もお若い時から麻雀をやりこんでいる方たちなので。何か言ったら、「いらんこと言うな」とか言われるかも…と思うくらいです。
利用者の方の中には、認知症の方もいますが、時々ちょっと手が怪しかったり、もったいないことをしてしまったりするくらいで、麻雀そのものはできています。
麻雀は運の要素も大きいので、こちらが勝つことも負けることもありますね。本気で勝ちにいかなくてもいいとは思っていますが、集中して打っています。
ほかのボランティアの方とは、合間合間や、ボランティア終わりに話をしたりはします。自分と全然違う仕事をされていた方もいて、お仕事の話や最近のニュースの話など、いろいろとお話しできて興味深かったです。

―新しい出会いもあったんですね。
―では、ボランティアをされる上で、大事なことや、心掛けていることはありますか?
「一方的にこちらが何かしてあげている」とは思わず、利用者の方と私が、お互いにwin-winの関係(※)、対等な立ち位置であるよう心がけています。「お互いにハッピーな時間を過ごせればいいな」という気持ちですね。
利用者の方は、手がちょっと遅かったり、うっかりミスをしたりしますが、あんまり気にしません。健康麻雀ですからね。こっちがミスすることもあるし、「お互い様だよな」と思ってやっています。
あとは、利用者の方の様子を見つつ、職員の方と連携を取るようにしています。
今は少ないですが、最初のころは、利用者の方に「今日は麻雀をしない」と言われてしまうこともありました。そういう時は、職員の方が間に入って上手に促してくれました。ちょっと間をおいてから「私も一緒にやるから教えて」と声をかけたり。だから本当にやらなかったのは1回くらいじゃないかな。
こういう時はこういう声掛けをして…っていうのは、職員の方にすごく経験値があると思うので、無理せずお任せするようにしています。
※Win-Winの関係…自分にとっても、相手にとっても、お互いにいいことがある状態のこと。
―「してあげる」と思うと気負ってしまいそうですが、win-winと思っていれば、長く続けられそうですね。施設の方と連携するのも大事なことだと思います。
―では、ボランティアをしてよかったことを教えてください。
よく、高齢者の生活に必要なものとして、「『きょういく』と『きょうよう』が大事」って言いますよね。
あれって誰が考えたんでしょうね?うまいこと言うなあと思います。
『きょういく』と『きょうよう』。『今日、行くところがある』。『今日、する用事がある』。この二つがあると、必然的に外出できて、誰かと関わることになる。
私にとっての『きょういく』と『きょうよう』が、まさに週1回土曜日にここに来ることなんです。
『今日行くところ』がセンター。『今日する用事』は麻雀。1週間の生活リズムの中にそう組み込まれているので、自然と生活が整いますし、体調を維持しようというモチベーションになります。
行って、麻雀を1時間する。それだけの体力と集中力を保って、なおかつそれがしんどくなく、楽しめるよう、食事に気を使ったり、運動や筋トレをしたり、家の中でできることをするようになりました。

―まさに、いきいきポイントの目的の一つを実感してくださっていて、とてもありがたいです。
―いきいきポイント制度を利用して、いかがでしたか?
私の場合は、続けるモチベーションになりました。
大きな額ではないですが、ボランティアですからね。
1年間、全部が全部行けなくても、3、4千円くらいの現金収入がある、と思うとやっぱり嬉しいです。
―ありがとうございます。
―では、最後に、ボランティアをしてみたい同世代の方へメッセージをお願いします。
こんなのあるよって情報は、今、ありふれてたくさんありますけど、百聞は一見に如かずといいます。とりあえず、「ま、一つ、気軽に始めてみるか」となってみてほしいです。
やってみて、「ちょっと違ったな」と思ったらその段階でなしにすればいいですし。需要はいろんなところにたくさんありますから。
試行錯誤して、いろいろとやってみるうちに、「あ、これは楽しかったな」っていうのが見つかると思います。最初から長い期間続けようと思ったらしんどくなるから、「一回お試しで」って気持ちで、始めてみてほしいです。
―入野さん、ありがとうございました。

ボランティア受入施設:創心會 倉敷地域リハビリケアセンター

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〒710-8565 倉敷市西中新田640番地
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