西の谷12号墳測量調査成果説明会を実施しました(埋蔵文化財センター)

近年、測量技術の発達により、古墳の形などがより詳細に把握できるようになっています。この技術を活用して、真備地域の分布調査を実施したところ、真備地区と総社市新本地区の境界に位置する伊与部山丘陵上にある西の谷12号墳が前方後円墳である可能性が浮上しました。そこで精密なレーザー測量調査を行った結果、前方後円墳である可能性が高いという結論に至りました。
令和7年8月30日には、地元の方を対象に、西の谷12号墳測量調査成果説明会を実施しました。説明会では、測量調査の成果について皆様興味深く、熱心に説明に耳を傾けていました。
西の谷12号墳について

今回の測量では以下のことがわかりました。
時代:古墳時代前期(推定)
全長:約32m
後円部径:約17m
後円部高:約3m
前方部長:約15m
この古墳は、倉敷市内の前方後円墳としては8基目、真備地域では5基目。前期古墳としては真備地域で初の前方後円墳です。
真備地域には、弥生時代末期に黒宮大塚弥生墳丘墓が存在し、当時すでに有力な勢力が確立していたと考えられています。しかし、古墳時代中期末に至るまで前方後円墳が発見されていなかったため、この有力な勢力は衰退したか、あるいは北方の総社市秦地域へと移動したという見方が一般的でした。
今回の前方後円墳の発見は、このような従来の認識に一石を投じるものです。これにより、古墳時代前期においても真備地域に有力な勢力が存在し続けていた可能性が極めて高まりました
この古墳では、まだ埴輪などの遺物が発見されておらず、前方部も不明瞭な部分があります。今後は、今回の調査結果をもとに分析や、さらなる調査を行い真備地域の古墳時代をより深く知るための重要な手がかりとして活用していきます。
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