発掘!防災遺構「かぐら土手」 宮の前遺跡(真備町)(埋蔵文化財センター)
令和8年8月25日から26日にかけて、真備町川辺に所在する宮の前遺跡で発掘調査を行いました。
この遺跡のある場所は、近世に川辺の集落を洪水から守るために築かれた、「かぐら土手」と呼ばれる堤防跡として知られています。宝永元年(1704)に作成された絵図にその一部が描かれていることから、18世紀初頭には築かれていたと推定されています。
かぐら土手は、大正14年(1925)の高梁川大改修によってその役割を終えた後、ほとんどが削平されました。現在では、源福寺に所在する岡田藩主の位牌堂が建つ場所に、その一部が残り、往時の姿をわずかにとどめています。
「1947年米軍撮影空中写真データ」(国土地理院)(https://service.gsi.go.jp/map-photos/)をもとに埋蔵文化財センター作成
今回の調査では、かぐら土手の基底部が残存していることを確認しました。確認できた範囲で築造の過程を復元すると、まず盛土を行い、その上に厚さ約10センチメートルの粘土を貼り、さらに盛土を行うという工程が、少なくとも2回繰り返されていたことが分かりました。ただし、これが一度の築造における工程であるのか、あるいは修築や拡幅の過程を示すものなのかについては、今後さらに検討する必要があります。

今回の調査で確認されたかぐら土手は、近世の人々が水害から集落を守るために築いた知恵と工夫を今に伝える貴重な防災遺跡であり、過去の水害対策を知るだけでなく、地域の防災について考える上でも重要な遺構といえます。
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