磯崎眠亀記念館

磯崎眠亀記念館
                    くらしきしりついそざきみんききねんかん

倉敷市立磯崎眠亀記念館

写真:眠亀館

※ 令和6年2月20日〜令和6年4月中旬(予定)の間、2階展示室は工事のため見学できません。

  詳細はこちら「磯崎眠亀記念館 2階展示室 工事に伴う閉鎖について」からご覧ください。

【展示内容】
 ・錦莞莚(きんかんえん)やその復元織機をはじめ、磯崎眠亀に関わる諸資料

【磯崎眠亀と錦莞莚】
 磯崎眠亀は小倉織を扱う商人、織元の家に生まれました。早くに父母を亡くした眠亀は、領主戸川氏の江戸邸に仕えることになったものの、先祖から受け継がれた開拓魂と創造性が眠亀の心を揺るがし、再び織物の世界へ舞い戻りました。
 天職を得た眠亀は、織機の改良や発明によって、次々と新しいものを生み出していきました。こうしたなか、ウィーン万国博覧会(1873年開催)に出品されたセイロン産の竜鬢莚(りゅうびんえん)を見て、岡山特産の藺草を使った精巧緻密な莚(むしろ)の製織を思い立ったといわれています。明治11年(1878)、眠亀の名を世界に知らしめた「錦莞莚」を苦心の末に完成させました。
 錦莞莚は非常に綺麗な模様をしていたので、人々の関心を集めました。高価なものだったので、国内ではなかなか売れませんでしたが、明治の最盛期には日本の重要輸出品目にまで成長し、岡山県の代表的な特産品になりました。
 しかしその後、外国の国内産業保護政策などの影響を受け、生産高が次第に減少していきました。最後の錦莞莚が織られたのは、昭和3年頃といわれています。

【建物の特徴】
 非常に精巧な花莚「錦莞莚」の発明で知られる磯崎眠亀(1834~1908)の住宅兼作業場として、明治7年(1874)に建築されたものです。保存・修理を経て昭和63年(1988)に「倉敷市立磯崎眠亀記念館」として開館されました。
 基本的には、通り土間を持つ二列型の町屋の平面をしていますが、機能・意匠の両面において発明家らしい眠亀のアイデアが随所に見られます。
 最大の特徴は、建物の昇り降り用に、階段でなくスロープを配置した点にあります。これは、物資の搬入・搬出を素早く、そして楽に行おうとするものです。また、土間の吹き抜け部分には滑車が設けられ、ここから物資を出入することも可能なように工夫されています。他にも、式台形式の玄関の戸は、菱形の桟(さん)が入り、回転と横滑りによって開閉する珍しい形式です。二階の窓には、外に向けて突き出す独特の雨戸がつけられています。
 平成12年11月6日、国の文化財登録原簿に登録され、登録有形文化財になりました。

所在地 〒710-1101 倉敷市茶屋町195番地
電話 086-428-8515
開館時間 午前9時~午後4時30分
休館日 毎週月曜日・年末年始(12月28日~1月4日)・その他
※月曜日が祝日に当たるときは開館し,その日後の最も近い祝日でない日を休館する。
交通手段 JR茶屋町駅から、徒歩5分。
駐車場 施設敷地内に有り(3台+身障者用1台)・無料
入館料 無料


【現地周辺の地図】