2023年9月の所信表明
議員の皆様、本日は、御多忙の中お集まりいただき、厚くお礼を申し上げます。
はじめに、提案理由説明に先立ちまして、市政を取り巻く状況について御説明いたします。
今年も、全国で豪雨被害が発生し、各地で河川の氾濫や土砂災害による大きな被害が生じており、被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。本市では、平成30年7月豪雨で被災した経験をもとに支援活動を行うため、6月の和歌山県海南市・橋本市・かつらぎ町に続き、7月11日から14日まで福岡県久留米市へ、8月16日に鳥取県・鳥取市へ、8月3日から27日まで秋田県秋田市へ、延べで82人日の職員を派遣して支援物資の提供をはじめ、被災家屋の1次調査・2次調査、ボランティアセンターの運営、被災者支援情報管理などに関する支援を行いました。特に秋田市には、本市の「被災生活再建支援システムを活用した住家被害認定調査訓練」を受講した資産税課職員を1班2名、7日交代で4班派遣しました。今後も関係機関と連携を取りながら必要な支援を行ってまいります。
次に、本市は、8月29日に「こどもまんなか応援サポーター」の宣言を行いました。こども家庭庁では、こどもに関する取組・政策を社会の真ん中に据えた「こどもまんなか社会」の実現を掲げ、機運の醸成を図っているところです。本市では、これまで「子育てするなら倉敷でといわれるまち」を掲げて子育て支援に力を入れてきているところであり、今年度からは、さらに子育て支援施策の充実を図るため、妊婦・子育て相談ステーションすくすく相談員の8名から12名への増員や、7月からの子ども医療費助成の中学生通院分までの拡大なども行っております。この度の宣言により、これまで以上に子育て世帯や、これから子育てする方々を力強くサポートしてまいります。
また、 今年は、例年にも増して厳しい暑さとなりましたが、市としては、子どもたちが安全安心に、快適に学習できるよう、教育環境の充実にも取り組んでおり、今年6月までに、全ての幼稚園保育室(79室)及び高等学校の普通教室(28室)へのエアコン設置を完了して既に稼働中で、小学校の特別教室(394室)についても今年度中に設置予定としています。
これにより、市立の全ての幼稚園、小中学校及び高等学校の保育室・教室への設置が完了する見込みです。
次に、エネルギー価格・物価高騰への取組についてですが、5月の新型コロナウイルスの5類への移行後、インバウンドの回復やイベントの再開などにより、本市においても地域の経済循環が戻りつつあります。一方で、昨年来、エネルギーや食料品をはじめとして物価高騰が続いており、市民生活に大きな影響を与えております。国は、ガソリン等の燃料油価格対策等について、現在検討を行っていますが、本市としましては、市民の皆様に対して切れ目なく支援を続けられるように、市独自の物価高騰対策として、6月補正予算に計上した、10月と11月のLPガス料金の負担軽減策総額2億2千万円(1,000円×2月、合計2,000円)に続いて、1月又は2月検針月の水道料金について、申請手続きしていただくことなく、基本料金1期分(2か月分、1,980円)総額4億8千万円を市が経済支援として負担することといたします。また、食料品価格の高騰の影響を受ける子育て世帯の負担軽減を図るために、小中学校給食費について、既に実施した6月分に続き、更に1か月分総額2億5千万円について市が負担してまいります。次に、昨年度2月補正予算に計上して、市内に事業所を有する中小企業者等が行う省エネ設備投資に対して総額3億円を助成しておりますが、想定を大きく上回る申込があり、省エネ設備への投資は、事業活動におけるエネルギー経費の負担軽減を図り、本市の脱炭素化の加速にも資することから、先の予算による補助金の交付決定を受けていない方を対象として助成するため総額2億円分の追加予算を計上いたします。
次に、G7倉敷労働雇用大臣会合の開催経験をいかして、国際会議等のコンベンションや展示会など、いわゆるMICE(Meeting,Incentivetravel,Convention,Exhibition/Event)の誘致を進めてまいります。10月からは、倉敷観光コンベンションビューローに誘致専任の職員を配置予定であり、今後、産学官連携での調査研究や、MICE誘致に特化したPR動画の制作などにより、首都圏からの誘客にもつなげてまいります。
また、この度、倉敷美観地区が日本夜景遺産に認定されました。本市では、鷲羽山、鷲羽山スカイラインに続く3か所目の認定となりますので、夜景のまち倉敷の魅力発信につなげてまいります。
次に、タクシー利用者の負担軽減や、利用促進を図るため実施する、額面4,000円分のチケットを2,500円で購入できるプレミアム付きタクシー券の販売についてですが、市内在住の障がい者手帳を持つ方、及び市内在住の65歳以上の方を対象とした優先販売を9月1日(金曜日)から開始しております。一般販売は、9月11日(月曜日)から開始します。なお、販売総数は、2万冊を予定しております。
次に、路線バス・水島臨海鉄道の無料デーについてですが、市内でのイベント開催日に合わせて9月、10月、11月に各2回、合計6回実施いたします。多くの市民の皆様に御利用いただくことで、公共交通機関の利用促進と、外出機会の増加による地域経済活性化につなげてまいりたいと考えております。
次に、新型コロナウイルス感染症への対応状況について御説明します。5月8日より、感染症法上の位置付けは5類に変更となりましたが、夏以降、感染者数増加の傾向が見られています。皆様には、手洗い、3密を避ける等の基本的な感染対策とともに、高齢者の方を中心に、重症化リスクの高い方がおられますので、病院、高齢者施設、換気が十分でない空間でのマスク着用など、状況に応じた配慮をお願いしたいと思います。また、ここ数年、年末年始に感染拡大の傾向があることから、ワクチン接種については、令和5年秋開始接種を9月20日から開始いたします。オミクロン株XBB1.5対応の1価ワクチンを使用する予定で、初回接種を終えた生後6か月以上の方を対象に、令和6年3月末までの期間中は、自己負担なしで1回接種することができます。なお、令和5年春開始接種を受けた方には、9月20日以降で、接種から3か月経過後に接種券が到達するように発送してまいります。また、過去に送付された接種券を使用されていない場合には、その接種券を御使用いただくことになります。
次に、平成30年7月豪雨災害からの復旧・復興状況について御説明します。
発災から5年となる7月6日に、災害によりお亡くなりになられました方々を追悼するとともに今後の復興への誓いを新たにするため、マービーふれあいセンターにおいて、「平成30年7月豪雨災害 倉敷市追悼式」を行いました。コロナ禍では、規模を縮小して開催していましたが、今年度は元の規模に戻して開催し、御遺族をはじめ、市議会議員の皆様や住民代表など200人を超える方々が参列され、さらに式典後には、約400人の市民の皆様が会場を訪れ、追悼の記帳・献花をされました。
現在、真備地区の復興は、計画に沿って着実に進んでおります。治水対策については、令和5年度末までの完成に向けて、国の小田川合流点付替え事業は、南山の掘削完了に伴い、6月21日に通行止め区間の県道が供用開始したほか、現合流点や柳井原貯水池内の築堤工事も進み、82パーセント(令和5年9月1日時点)まで工事が進捗しています。県の3河川(末政川・高馬川・真谷川)についても84パーセント(令和5年8月末時点)まで進んでおり、引き続き、堤防嵩上げ・強化等の工事や末政川の工事に伴う橋梁改良を進めています。
これまで復興防災公園(仮称)であった公園については、6月29日に、名称を「まびふれあい公園」と決定し、国が河川敷の整備工事を完了したのち、7月7日・8日に市民約600人が参加した芝生化イベントを実施しました。今後、市による駐車場や建屋等の整備を進めて、令和5年度末の完成を目指してまいります。
住まいの確保については、本年7月5日までに全ての仮設住宅の供与が終了しました。見守りや心のケア等の支援についても、倉敷市真備支え合いセンターをはじめ、関係機関が連携して、支援を要する方々の状況に合わせた対応を行っています。また、今年からは各地区の夏祭りなどの定例行事が再開されており、コロナ禍により中止が続いていた「真備・船穂総おどり」も、7月15日に4年ぶりに行われ、全ての地区などから過去最高の21団体約1千人が参加して盛大に開催されました。
また、復興を記念した市主催行事として、8月11日(祝)に、マービーふれあいセンターにおいて「真備復興記念シンポジウム」を開催しました。直木賞作家の安部龍太郎氏による吉備真備公の物語を中心に据えた基調講演や、真備の歴史・文化・復興関連の有識者の方々によるパネルディスカッションなどを実施し、真備地区内外の約700人の方々に来場いただき、今後の真備の魅力発信やにぎわい創出につながったと考えております。
なお、5月8日から通行止めとなっていた歩行者・自転車専用の川辺橋は、県が歩行者・自転車の安全な通行を確保するため、7月25日から橋桁を撤去した区間に仮橋を設置する工事に着手し、8月30日に工事が完成しました。これに伴い、9月1日の午前6時から利用を開始し、住民の皆様が安心して通勤・通学等ができるようになりました。
今後も、被災された皆様に一日も早く安心して落ち着いた生活を取り戻していただけるよう引き続き全力で復興に向けた取組を進めてまいります。
最後に、本年は、倉敷市出身の大山康晴十五世名人の生誕100周年の記念の年です。市では、大山名人の顕彰のため、例年東京で開催されている第77回全日本アマチュア将棋名人戦全国大会を誘致して、去る9月2日、3日、倉敷市芸文館においてアマチュア名人の座をかけた熱い戦いが繰り広げられました。将棋の普及に尽力された大山名人の遺志を継ぎ、大山名人杯争奪全国小学生倉敷王将戦、10月8日開催予定の和装の女流棋士による倉敷美観地区青空将棋道場、11月18日から倉敷市芸文館において開催予定の大山名人杯倉敷藤花戦などを通じて、将棋のまち倉敷のさらなる発信に努めてまいります。
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