(事例)
4年間住んでいた、ペットが飼える賃貸マンションから退去した。犬を飼っていたが、退去時の立ち会い後、貸し主から原状回復の費用として30万円という高額な請求書が届いた。妥当な金額か。
(アドバイス)
原状回復は、借り主の不注意や通常の使用を超える使い方が原因で発生した、住宅の損耗や傷などを復旧することで、入居時とまったく同じ状態にすることではありません。経年変化や通常損耗による修繕費は、家賃に含まれているとされています。
事例のようなペット飼育可能物件の場合は、ペットが付けた傷などの修繕費は家賃に含まれていることもありますが、ペットの種類や大きさによって、通常損耗の範囲はさまざまで、原状回復の義務が生じることが多いようです。契約書をよく確認しましょう。
また、ペット飼育が禁止された物件で飼育していた場合は、契約違反なので、ペットによる汚れ・臭いなどに対する原状回復費用が必要となり、契約内容によっては違約金を請求されることもあります。
原状回復については、国土交通省ホームページ「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考に、貸し主と話し合いましょう。解決が難しい場合は、少額訴訟制度などを利用することができます。