倉敷美観地区の古民家を改装した複合施設「クラシキ庭苑」で、喫茶店コバコーヒーを営む小林恭一さん。起業を「楽しむ事」と表現し、カウンター越しに、お客さんとの会話が弾みます。
小林さんは高校卒業後、香川県のホテルに就職。その後、美観地区にあるグループ会社の倉敷珈琲館に異動しました。店長として焙煎技術を受け継いだ小林さんは、美観地区の魅力に触れながら、2013年に独立のタイミングを迎えました。店に就いて10年、40歳という節目を迎えたこともありますが「自分の考える『もっと珈琲を楽しんでもらいたい』という思いを形にしよう」(小林さん)と起業を決めたそうです。
起業にあたって最も苦労したのは、開業資金。倉敷市主催の起業セミナーに参加し、倉敷市商工課、倉敷商工会議所のアドバイスを受けながら事業計画書を作成し、金融機関から融資を受けることができました。小林さんは「文章を書くのは苦手だったが、親身にアドバイスしてくれた」と当時を振り返ります。
小林さんは喫茶店営業だけでなく、美観地区をフィールドにしたイベントの企画運営にも積極的です。異業種、作家、学生など多様なジャンルの人が参加しています。
「人と人やものとものなど、いろんなものをつなぐのが喫茶店の役割。その延長線で、この店だけでなく美観地区も知っていただきたいと思って」と話す小林さん。もっとたくさんの人が交流し、笑顔あふれるまちづくりに奮闘しています。