「高梁川流域の起業人」第11回

「高梁川流域の起業人」第11回

「高梁川流域の起業人」海鮮焼海神(わたつみ) オーナー 塚本武士さん


 岡山県笠岡市出身の塚本武士さん。起業したいという夢を持ち始めたのは小学4年生の時でした。自分の店を持ち、地元のおいしいものを食べてもらいたいという思いをつなごうと、中学卒業後、大阪へ。日本料理店で12年間修行し、食材、調理、経営のノウハウを体得しました。「今では考えられないけど、当時は毎日20時間働いていたこともあった。でも、自分のやりたいことだったので楽しかったよ」と塚本さんは明るく振り返ります。


 その後、家庭の事情で岡山に戻り、医療福祉系の食事提供、仕出し料理店に5年ずつ勤め、36歳で起業することになります。「起業したタイミングは、機は熟したと思ったから。好きで選んだ道だから苦労は感じなかったね」と語る塚本さん。2008年に初の飲食店「ぶしの花道」隣町の浅口市鴨方町に開業しました。


 海鮮料理を提供するこの店は、塚本さん自身が良いと思うものを提供するスタイル。広告宣伝費に金をかけず、口コミでの集客にこだわりました。「宣伝費を削減する分で食材に還元できる。売り上げよりも料理の価値をわかってくれる客が増えることが喜びです」と力をこめる塚本さん。結果、口コミで評判が広がり、市外からの客も絶えなくなりました。


「愛」と書かれた紙を持った塚本さんの画像


 里庄町の海鮮焼海神は、塚本さんの2号店にあたります。「海鮮焼」と屋号でうたっていますが、時にはジンギスカンを一押しにするなど、柔軟性を兼ね備えた店作りを進めています。塚本さんは「1号店(ぶしの花道)で基本を押さえ、2号店はお客さんのニーズに合わせていくのがコンセプト。ジンギスカンも実験的なもので、5年10年先への投資でもある。そうでないとビジネスは続きません」と言い切ります。


 塚本さんの将来の夢は屋台村を作ること。「若手起業家が集まり、私が学んだことを教えて、いずれは世界に羽ばたいてもらいたい」。次世代への継承を視野に居れ、食を通じた喜びの提供にまい進します。