けんぽんちゃくしょくせんじゅかんのんがぞう
絹本著色千手観音画
撮影:田中秀和氏
種別:
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市指定・絵画 |
所在地: |
倉敷市児島塩生 |
所有・管理者: |
宗教法人医王山吉祥院 |
指定年月日: |
平成26年8月29日 |
通常の11面42臂,右足を垂下し左足をやや下方に緩めて坐す千手観音を中心にして,二十八部衆の内の大弁功徳天・婆藪仙人・風神・雷神のみを配置した珍しい図容です。
上部向かって右の雷神の形相や肉体表現は,餓鬼草紙(国宝・東京国立博物館・鎌倉時代初期)や六道絵(国宝・聖衆来迎寺・鎌倉時代)などのコミカルな誇張的表現を受け継いでおり,わき上がる雲や流水の描線も伸びやかで手慣れた感じがあります。
観音,眷属(けんぞく : 仏・菩薩につき従う者)の伸びやかな姿勢や曲線から渡来の作品に影響を受けた鎌倉時代後期の作品と見られます。
また,観音の頬の張った丸顔は高麗仏画のようでもありますが,高麗作品ほどの厳しさはなく,和らいだ表情を見せていて優しく親しみやすいものとなり日本作です。
【現地周辺の地図】